東方白望記   作:ジシェ

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三十三話 ~人化~

白澤と共に旅に出て一週間。

相当環境が潤ったと言えるだろう。

旅は道連れ。

一人旅より二人旅だ。(匹だけど)

これでさ迷うこともなくなる…最悪さ迷うことになっても精神的に楽!

 

「とはいえ目的もないからな…」

「簡単なことでは駄目なのですか?例えば…食の探求や妖怪との戦闘など。」

「……駄目だ団子しか思い付かねぇ。別に戦うの好きじゃないし。」

 

これから三十年近く過ごせる暇潰しが何もない。

二人になっても白澤に人間の感覚は分からない。

…人間の感覚?

 

「ああ!どうせなら白澤を人間にしてみよう!」

「それが目的であれば、難しい話しではありませんが…」

「へ?」

「霊獣は人との交流も珍しくないのです。私のように人間の村の守り神になる者もいれば、人の姿で人の輪に入る方もおります。」

「……なれんの?」

「お望みとあらば。」

 

なら最初からそうしてほしかった感は否めない。

正直戦闘覚悟してたし。

ただ…

 

「こういうのってさ…人になったら服無いとか定番だよな?俺服は持ってないんだけど…」

「そうですね。一度着てしまえば生成可能ですが、構造も知らず作るのは危ういかと。ずり落ちます。」

「…なら次の村か町で買おう。人の方が旅しやすい。」

「御心のままに。」

(…俺…人間だよな…?)

 

神が遣わした獣に崇められる。

しかも神には行動筒抜け。

というか俺のプライバシーどうなってるんだ。

少なくとも四人には監視されてるようなものじゃないか。

 

『そんな見てないわよ?ねぇ?』

『えと…少し…』

(うん見てるな。)

 

天使はやることないだろうし特に見てる。

天使1はその内殴る。

 

「…目的思い付かない。」

「…さしあたっては、国を巡るのでよいのでは?国によって物産も違いますし、課題に重要な方と会える可能性も少なからず…」

「それ目的か?結局旅するって言ってるみたいなものだろ。」

「必ず目的がなければ旅をしてはいけないなど、ないのですから…気ままに歩くのもよいものでしょう。」

 

言わないけどもう飽きている。

一体何年旅してると思っているのか。

百年くらいだな。

 

「…お、そうこうしてる内に村見えたぞ~。」

「そこそこ大きいですね。とりあえずあそこで服を調達して、私も人の姿で入りましょうか。」

「そうしよう。その姿だと何言われるか…追い出されても文句言えない…」

 

白澤を村の近くのちょっと死角になるくらいの位置に置き、俺は村の門に向かった。

いつも通り…というか当然のごとく、門番さんには呼び止められた。

ただ、別に怪しんでの拘束とかではなく、どちらかと謂うと旅の話しを聞きたいようだ。

俺は急がないと白澤に悪いと思い、服屋だけ場所を聞いて、話しはまた今度と言って逃げた。

 

―――――

 

「そういえば服のセンスなんてないな…」

 

まず雄か雌かも分からないし。

でもこの世界の服って着物だから、そこまで迷うことはないだろう。

 

(適当に買お…)

 

―――――

 

緑主体の黒と白の線が入った着物。

この世界にもペアルックってあるんだね。

男性用と女性用でセットがあった。

どうせなら両方買うことにし、以外に高い代金払って村を出た。

 

―――――

 

見つけた白澤は狩りでもしてたのか…死屍累々の獣の山。

村行くまでに仕舞わなければ…

 

「…いくつか食った?」

「はい。」

「…あんま変なの食うなよ?」

「霊獣には害はありませんよ。」

「そりゃそうか…とりあえず服買って来たし、人になってくれないか?俺は少し離れてるから。ちなみにお前雄?雌?」

「性別はありませんね。どちらかと言えば、お創りになられた天照様が女性なので、女性寄り…つまりは雌でしょう。」

「ならこっちだな。…どうせならこっちは俺が着るか…」

「何か違いが?」

「男性用と女性用のペアルッ…て分からんか。あー…まあお揃いのやつってとこ。」

「おお…!主従が分かりやすいですね。」

「いやどっちかって言うと…まいっか。とりあえず人になってそれ着てくれ。それなら村行ける。」

 

―――――

 

「用意出来ました。」

「おー…!?」

 

人になった白澤は、あの時力を与えた女性と似た姿をしていた。

髪は白く、角はない。

隠してくれているのだろう。

ただ問題は、着物を少し着崩していることだ。

 

「ちゃんと着ろ!」

「む?これでは違うのですか?」

「たく……」

 

流石に着物の着方を知っている俺は、指示を出しながら紐もちゃんと結ばせた。

 

「…これでよし。」

「中々きついものですね…」

「やっと村戻れるよ…さて!行くか!」

「はっ!」

 

白澤を村に連れて行くまで、合計で十時間程かかった。

 




白澤の人の姿は、まあ『メイドラゴン』みたいな設定でこの姿になりました。『メイドラゴン』面白いよ。説明面倒いから省く!
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