白澤と共に旅に出て一週間。
相当環境が潤ったと言えるだろう。
旅は道連れ。
一人旅より二人旅だ。(匹だけど)
これでさ迷うこともなくなる…最悪さ迷うことになっても精神的に楽!
「とはいえ目的もないからな…」
「簡単なことでは駄目なのですか?例えば…食の探求や妖怪との戦闘など。」
「……駄目だ団子しか思い付かねぇ。別に戦うの好きじゃないし。」
これから三十年近く過ごせる暇潰しが何もない。
二人になっても白澤に人間の感覚は分からない。
…人間の感覚?
「ああ!どうせなら白澤を人間にしてみよう!」
「それが目的であれば、難しい話しではありませんが…」
「へ?」
「霊獣は人との交流も珍しくないのです。私のように人間の村の守り神になる者もいれば、人の姿で人の輪に入る方もおります。」
「……なれんの?」
「お望みとあらば。」
なら最初からそうしてほしかった感は否めない。
正直戦闘覚悟してたし。
ただ…
「こういうのってさ…人になったら服無いとか定番だよな?俺服は持ってないんだけど…」
「そうですね。一度着てしまえば生成可能ですが、構造も知らず作るのは危ういかと。ずり落ちます。」
「…なら次の村か町で買おう。人の方が旅しやすい。」
「御心のままに。」
(…俺…人間だよな…?)
神が遣わした獣に崇められる。
しかも神には行動筒抜け。
というか俺のプライバシーどうなってるんだ。
少なくとも四人には監視されてるようなものじゃないか。
『そんな見てないわよ?ねぇ?』
『えと…少し…』
(うん見てるな。)
天使はやることないだろうし特に見てる。
天使1はその内殴る。
「…目的思い付かない。」
「…さしあたっては、国を巡るのでよいのでは?国によって物産も違いますし、課題に重要な方と会える可能性も少なからず…」
「それ目的か?結局旅するって言ってるみたいなものだろ。」
「必ず目的がなければ旅をしてはいけないなど、ないのですから…気ままに歩くのもよいものでしょう。」
言わないけどもう飽きている。
一体何年旅してると思っているのか。
百年くらいだな。
「…お、そうこうしてる内に村見えたぞ~。」
「そこそこ大きいですね。とりあえずあそこで服を調達して、私も人の姿で入りましょうか。」
「そうしよう。その姿だと何言われるか…追い出されても文句言えない…」
白澤を村の近くのちょっと死角になるくらいの位置に置き、俺は村の門に向かった。
いつも通り…というか当然のごとく、門番さんには呼び止められた。
ただ、別に怪しんでの拘束とかではなく、どちらかと謂うと旅の話しを聞きたいようだ。
俺は急がないと白澤に悪いと思い、服屋だけ場所を聞いて、話しはまた今度と言って逃げた。
―――――
「そういえば服のセンスなんてないな…」
まず雄か雌かも分からないし。
でもこの世界の服って着物だから、そこまで迷うことはないだろう。
(適当に買お…)
―――――
緑主体の黒と白の線が入った着物。
この世界にもペアルックってあるんだね。
男性用と女性用でセットがあった。
どうせなら両方買うことにし、以外に高い代金払って村を出た。
―――――
見つけた白澤は狩りでもしてたのか…死屍累々の獣の山。
村行くまでに仕舞わなければ…
「…いくつか食った?」
「はい。」
「…あんま変なの食うなよ?」
「霊獣には害はありませんよ。」
「そりゃそうか…とりあえず服買って来たし、人になってくれないか?俺は少し離れてるから。ちなみにお前雄?雌?」
「性別はありませんね。どちらかと言えば、お創りになられた天照様が女性なので、女性寄り…つまりは雌でしょう。」
「ならこっちだな。…どうせならこっちは俺が着るか…」
「何か違いが?」
「男性用と女性用のペアルッ…て分からんか。あー…まあお揃いのやつってとこ。」
「おお…!主従が分かりやすいですね。」
「いやどっちかって言うと…まいっか。とりあえず人になってそれ着てくれ。それなら村行ける。」
―――――
「用意出来ました。」
「おー…!?」
人になった白澤は、あの時力を与えた女性と似た姿をしていた。
髪は白く、角はない。
隠してくれているのだろう。
ただ問題は、着物を少し着崩していることだ。
「ちゃんと着ろ!」
「む?これでは違うのですか?」
「たく……」
流石に着物の着方を知っている俺は、指示を出しながら紐もちゃんと結ばせた。
「…これでよし。」
「中々きついものですね…」
「やっと村戻れるよ…さて!行くか!」
「はっ!」
白澤を村に連れて行くまで、合計で十時間程かかった。
白澤の人の姿は、まあ『メイドラゴン』みたいな設定でこの姿になりました。『メイドラゴン』面白いよ。説明面倒いから省く!