夢(花)のまにまに→夢花の思った(好きな)通りに
という意味です。
「望兄ぃ!見て見てー!」
「おおー…一月で随分成長したな~。」
夢花が見てほしいかったのは自身の腕力。
見せる方法は、まあ…
「降ろしてくれ望!」
「あいつも辛いだろうなぁ…」
門衛を持ちあげていた。
ついでにその同僚も。
成人男性二人を軽々と抱えて笑っていた。
「夢花?あんまり軽率に男に近づくなよ?俺や門衛なら構わないけど、襲われることもあるからな?」
「ん~…しょっと…大丈夫だよ!だって私鬼だもん♪」
「いや…そうゆう変態は無駄に知恵が回ってな…薬嗅がされたり飲み物に媚薬混ぜたりヤバイのが多いんだ。」
「びやく?へんたい?」
まあこの時代にはまだ効果の薄いものしか出回ってない。
そもそも変態の概念もなければ、人が少ないこの村で、村八分になるような真似する馬鹿はいないだろう。
それでも見てて気分がいいわけでもないから忠告するのだ。
「とにかく気を付けて行動しろ。危ないことはするなよ?」
「はーい!」
元気のよい返事をしながら、村の子供衆に混ざりに行く。
ちゃんと見ててくれる人が必ずいるから、安心して子供は遊び回れる。
夢花が怪我させないように、そして子供だけで村の外に行かないように監視している人がいる。
日替わりで必ず一人は見ている。
だから俺も安心出来る。
「……そろそろか…」
次の目的地が決まった時だった。
―――――
「え…?」
疑問は当然。
今俺が言ったのは、鬼の…同じ種族の森…山?に帰りたいか。
やっと村に慣れて来たというのに、何故今なのか。
追い出された場所に戻りたいはずがないのに。
「…本当は、もっと早く聞きたかったんだ。」
「……」
「でも、俺も一度、昔馴染みの所に行かなければ…多分後悔する…だからこの村からしばらく離れる。その間に、お前がまた追い出されたら、もう居場所なんてなくなる。」
「……私…邪魔…?」
泣きそうな声でそう言う。
そもそも何故一度帰るのか。
それは数日前のこと…
―――――
「!?これは…紫の?」
「久しぶりね。」
「そうだな。十年くらいか?……背伸びた?」
「ん~どうだったかしらね?背は伸びたけれど…」
「まあいいや。それより何の用だ?」
「貴方、鬼と関わりがあるでしょう?」
「……何で知ってる。」
「多少覗くわよ。それで一つ話すことがあるわ。」
「早く言え。」
「ええ。鬼の集落が神々と争いを始めているわよ?」
「……はぁ!?」
いくら鬼でも、神相手では敗北濃厚だろう。
夢花にとって唯一と言っていいほど世話になった萃香。
知り合い程度でも数瞬良くしてくれた鬼達。
そしてなにより…鬼子母神が護った命。
「…流石に…放っとけないよなぁ…」
「貴方ならそうでしょうね。私にとっても、理想実現の前にこうゆうことされるのは困るのよ…特別に移動させてあげる。準備が出来たら言って。」
「便利な能力持ってんな~。」
「そうね。」
―――――
ということで戦いを止めるのに向かわなければならない。
ここでこう思ったのではないか。
『特別に移動させてあげる。』
そう紫は言ったのだ。
なら村から離れる必要ないではないか。
すぐに戻れるのではないか。
残念だが帰りは徒歩…飛行だ。
紫の能力、本体のスペックが並みの妖怪程度。
つまり妖力が少ないのだ。
そして身体スペックも低いせいで、鬼という上位の妖怪と、神々の戦争に、近づけても十キロは離れる。
要は環境と比べて弱過ぎるということだ。
更に別件に能力を継続して使っている(詳しくは知らない)らしく余計能力が使えない。
結局止めたとして帰る頃にはガス欠、紫は能力が使えなくなるのだ。
「安心しな。夢花が邪魔なわけないだろ?妹のように可愛いお前と、簡単に離れることなんて出来ないよ。」
「ほんと…?」
「ああ。でも鬼達が気になるだろう?萃香とやらもいるんだし…」
「……」
「だから聞いただけだよ。お前が邪魔なんて…まして追い出すなんてするわけないだろ?」
「…………気に…なります…萃姉ぇや勇姉ぇにも、会いたい…」
「だろ?」
「でも…望兄ぃともいたいよぉ……」
「夢花…」
『話はまとまったようね。』
『!』
突然聞こえる女性の声。
そんな神出鬼没な奴は間違いなく…
「紫か。」
「四日ぶりね。向こうはまだやってるわよ?流石妖怪の主とも呼べる奴らと、神々の戦いね。名付けるなら…『神妖大戦』…てところかしら?」
「…まじの戦争なら、早く止めないと…か…」
「全くね。そういえば、何でその子を連れて行くことにしたの?」
「ん?いや単にお前が連れてく以外に連れてく方法ないからな。こうゆう時でもなきゃお前と連絡付かんし、今じゃなきゃ…最悪…会えなくなるかもしれないだろ?」
「……そうね。」
紫に驚いた夢花があたふたと慌てている間に、俺と紫の話しもまとまった。
「さてと…それじゃぁ…行きますか!」
「ええ。」
『え?』
「二名様ご案内~♪」
次会ったら殴るそう決めながら落下していく俺と夢花だった。
今回白亜が出なかった?既に神妖大戦行ったんですよ。だから次回は白亜側ストーリーで。
そういえばクリスマスでしたね。ap◯xやってたら過ぎてましたw