東方白望記   作:ジシェ

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小タイトル分かりずらいだろうから補足です。
夢(花)のまにまに→夢花の思った(好きな)通りに
という意味です。


三十六話 ~夢のまにまに~

「望兄ぃ!見て見てー!」

「おおー…一月で随分成長したな~。」

 

夢花が見てほしいかったのは自身の腕力。

見せる方法は、まあ…

 

「降ろしてくれ望!」

「あいつも辛いだろうなぁ…」

 

門衛を持ちあげていた。

ついでにその同僚も。

成人男性二人を軽々と抱えて笑っていた。

 

「夢花?あんまり軽率に男に近づくなよ?俺や門衛なら構わないけど、襲われることもあるからな?」

「ん~…しょっと…大丈夫だよ!だって私鬼だもん♪」

「いや…そうゆう変態は無駄に知恵が回ってな…薬嗅がされたり飲み物に媚薬混ぜたりヤバイのが多いんだ。」

「びやく?へんたい?」

 

まあこの時代にはまだ効果の薄いものしか出回ってない。

そもそも変態の概念もなければ、人が少ないこの村で、村八分になるような真似する馬鹿はいないだろう。

それでも見てて気分がいいわけでもないから忠告するのだ。

 

「とにかく気を付けて行動しろ。危ないことはするなよ?」

「はーい!」

 

元気のよい返事をしながら、村の子供衆に混ざりに行く。

ちゃんと見ててくれる人が必ずいるから、安心して子供は遊び回れる。

夢花が怪我させないように、そして子供だけで村の外に行かないように監視している人がいる。

日替わりで必ず一人は見ている。

だから俺も安心出来る。

 

「……そろそろか…」

 

次の目的地が決まった時だった。

 

―――――

 

「え…?」

 

疑問は当然。

今俺が言ったのは、鬼の…同じ種族の森…山?に帰りたいか。

やっと村に慣れて来たというのに、何故今なのか。

追い出された場所に戻りたいはずがないのに。

 

「…本当は、もっと早く聞きたかったんだ。」

「……」

「でも、俺も一度、昔馴染みの所に行かなければ…多分後悔する…だからこの村からしばらく離れる。その間に、お前がまた追い出されたら、もう居場所なんてなくなる。」

「……私…邪魔…?」

 

泣きそうな声でそう言う。

そもそも何故一度帰るのか。

それは数日前のこと…

 

―――――

 

「!?これは…紫の?」

「久しぶりね。」

「そうだな。十年くらいか?……背伸びた?」

「ん~どうだったかしらね?背は伸びたけれど…」

「まあいいや。それより何の用だ?」

「貴方、鬼と関わりがあるでしょう?」

「……何で知ってる。」

「多少覗くわよ。それで一つ話すことがあるわ。」

「早く言え。」

「ええ。鬼の集落が神々と争いを始めているわよ?」

「……はぁ!?」

 

いくら鬼でも、神相手では敗北濃厚だろう。

夢花にとって唯一と言っていいほど世話になった萃香。

知り合い程度でも数瞬良くしてくれた鬼達。

そしてなにより…鬼子母神が護った命。

 

「…流石に…放っとけないよなぁ…」

「貴方ならそうでしょうね。私にとっても、理想実現の前にこうゆうことされるのは困るのよ…特別に移動させてあげる。準備が出来たら言って。」

「便利な能力持ってんな~。」

「そうね。」

 

―――――

 

ということで戦いを止めるのに向かわなければならない。

ここでこう思ったのではないか。

『特別に移動させてあげる。』

そう紫は言ったのだ。

なら村から離れる必要ないではないか。

すぐに戻れるのではないか。

残念だが帰りは徒歩…飛行だ。

紫の能力、本体のスペックが並みの妖怪程度。

つまり妖力が少ないのだ。

そして身体スペックも低いせいで、鬼という上位の妖怪と、神々の戦争に、近づけても十キロは離れる。

要は環境と比べて弱過ぎるということだ。

更に別件に能力を継続して使っている(詳しくは知らない)らしく余計能力が使えない。

結局止めたとして帰る頃にはガス欠、紫は能力が使えなくなるのだ。

 

「安心しな。夢花が邪魔なわけないだろ?妹のように可愛いお前と、簡単に離れることなんて出来ないよ。」

「ほんと…?」

「ああ。でも鬼達が気になるだろう?萃香とやらもいるんだし…」

「……」

「だから聞いただけだよ。お前が邪魔なんて…まして追い出すなんてするわけないだろ?」

「…………気に…なります…萃姉ぇや勇姉ぇにも、会いたい…」

「だろ?」

「でも…望兄ぃともいたいよぉ……」

「夢花…」

 

『話はまとまったようね。』

『!』

 

突然聞こえる女性の声。

そんな神出鬼没な奴は間違いなく…

 

「紫か。」

「四日ぶりね。向こうはまだやってるわよ?流石妖怪の主とも呼べる奴らと、神々の戦いね。名付けるなら…『神妖大戦』…てところかしら?」

「…まじの戦争なら、早く止めないと…か…」

「全くね。そういえば、何でその子を連れて行くことにしたの?」

「ん?いや単にお前が連れてく以外に連れてく方法ないからな。こうゆう時でもなきゃお前と連絡付かんし、今じゃなきゃ…最悪…会えなくなるかもしれないだろ?」

「……そうね。」

 

紫に驚いた夢花があたふたと慌てている間に、俺と紫の話しもまとまった。

 

「さてと…それじゃぁ…行きますか!」

「ええ。」

『え?』

「二名様ご案内~♪」

 

次会ったら殴るそう決めながら落下していく俺と夢花だった。

 




今回白亜が出なかった?既に神妖大戦行ったんですよ。だから次回は白亜側ストーリーで。
そういえばクリスマスでしたね。ap◯xやってたら過ぎてましたw
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