東方白望記   作:ジシェ

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風邪で寝込んだり積みゲーやったりポケモン図鑑完成させたり、遅れましたごめんなさい。アプデいつ来るかな~?


三十九話 ~妖怪の怒り~

「……」

 

私は伊吹萃香…鬼だ。

立場はそこそこ高いくらいのもの。

しかし…私は弱い。

強くなったと勘違いしていただけの、井の中の蛙に過ぎなかった。

強大過ぎる存在に、ただの気迫で恐怖した。

強くならなければならない。

仲間を護るために。

鬼の頂点の一人として、もう敗けないように。

 

「……」

「へぇ…貴女が萃香ね…」

「!?」

 

私は咄嗟に飛び退いた。

今は少し考え事をして休んでいたため、油断もあっただろうが…いきなり真横に現れるなど部活では。

そう驚いていると、飛び込んでくる影が一つ。

 

「萃姉ぇ!」

「おおぅ!?…?えっと…?」

「…成長してて分からないのね。その子は凡そ二十年前、望が貴女達を蹂躙した日辺りから消えた鬼の子よ。」

「!それじゃあ…!」

「ただいま!」

「……」

「ふゃ!」

「おかえり…!ずっと心配してたんだ…!」

「……うん…」

「(…まるで本当の親と子ね…)」

 

私とこの子は、見られてることも気にせず、お互いに泣きながら抱き合った。

 

―――――

 

「そういえば貴女…何でこの子に名前を付けなかったの?」

「?ああ…あの時の人間が付けてくれたんだったね……あの子は人間の頃のことで、いくつか問題があったんだよ。」

「問題?」

「人間の時から、あの子に名前は無かったんだよ。だから…自分の名前を知らないどころか、名前の概念も知らなかった。」

「どう呼んでたのよ?」

「…色々。とにかく、呼ぶのに不便なこともなかったし、なあなあとしてる内にいなくなってね…凄く心配してたんだよ。」

「……その姿で親っぽいのちょっと面白いわね…」

「…それで、何でここに?再会のためってんじゃないんだろ?」

「そうね…本題に入りましょうか…」

 

―――――

 

「なるほどね…鬼の縄張りで下級妖怪共が好き放題ねぇ?」

「下手したら全滅しかねないし、少し事情があってね。出来れば止めてほしいのだけれど…」

「当然。私や勇義がいない中、そんな勝手は許さないよ。神さえいなきゃ問題ない。」

「そっちはどうにかするわ。」

「なら任せるよ。行こうか。」

 

下級の妖怪がどうなろうと別に構わない。

しかしそれなら何故ここまで積極的に止めようとしているのか。

一重にあの人間のためだ。

怒りの矛先が私達に来たら、躊躇いの欠片もなかったら、鬼が束になって勝てないんだ。

妖怪の絶滅は免れない。

つまり私に、選択肢はなかった。

 

(まぁ……)

「~~♪」

「…ふふっ…」

(この子の悲しむ顔は見たくないからね…)

 

あの時の人間…望が助けてくれた。

ならこれは、鬼の恩返しと言ったところか。

 

(勇義も連れて来ればよかったかな?)

 

―――――

 

「これは…!?」

「酷い有り様だねー…」

 

眼前に広がるは、死屍累々の妖怪達。

中には死んでいる者もいるようだ。

 

「…望…?」

「あ?紫か…その二本角の鬼が萃香か…」

「望兄ぃ…?あれ…?」

「………夢花。」

「?」

「お別れだ。」

「え…?」

「紫。お前の理想のために、俺は神妖(お前達)の敵になった。」

「私のせいで…?…望…それじゃあ…貴方は…」

「お前のせいじゃないさ。時間があれば争いはなくなったかもしれないんだ。ただ俺は、早くお前の世界を創りたかった。」

「神も妖怪も人間も、争うことのない世界…そのために、妖怪を殺したんだねぇ…?」

「ああ。…恨むか?そりゃそうか。鬼子母神のおかげで…いや、俺のせいで人間を喰わなかったお前達を、嘲笑うかのように殺したんだ。」

「そうだね…夢花、紫。離れてな。」

「萃姉ぇ…?」

「一発殴らせろ。それでいい。」

「分かった。能力も防御もしない。」

「ちょっと!?鬼の拳を生身で受けたら…!」

「覚悟の上だ。」

「…四天王奥義…『三歩壊廃』!」

 

鬼子母神にも届きうる一撃。

間違いなく死ぬことだろう。

 

「安いもんだ。」

 

辺りに衝撃が轟く。

土煙が晴れる頃には、望の体は…人の体を成していなかった。

 

 




望死ぬの何気二回目?
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