東方白望記   作:ジシェ

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ワクチン三回目打って来ます…凄く怖い…二回目丸一日動けなくなったし…うう…


四十話 ~冥府の門と統べる者~

以前は死んだ気分ではなかった。

天使の世界で口論してたら戻っていたから。

しかし今は、このまま死んでしまうのではないかと不安になる程真逆だ。

誰もいない。

音もない。

真っ暗で、感覚もない。

五感の機能が停止している。

これが死ぬということか。

俺は目を閉じた。

それすらも分からない空間だったがおそらく。

 

「……あれ?」

 

いつまで経っても景色が変わらない。

天使達との繋がりも断たれている。

復活に時間がかかるのか、はたまた本当に死んだのか。

このままでは流石に耐えられない。

 

『確かに人間には耐え難いですね。』

「!」

 

人の声。

こんな場所で?

 

『以外ですか?貴方のいるこの空間は黄泉へ続く入り口…管理者の一人いないはずがないでしょう。』

「…お前ら神やら天使やらは…人の心ぽんぽん読みやがって…まいいや。んでここ何処?あんた誰?」

『話が早くて助かりますね。ここは…そうですね…生と死の狭間というものですかね…ここから少し移動すれば、少し禍々しい扉が現れます。その先は冥府…所謂あの世です。』

「…俺不死にしてって言ったよな?」

『ええ。ですので貴方がここに来るはずがないのですが…私が貴方に興味があるのです。』

 

…あれこれそのまま死ぬ?

だとしたら中途半端に、しかもこっちに落ち度のない理不尽の殺害なんだけど…

 

『事情は聞いています…災難ですね。』

「それは煽りか?」

『哀れみです。』

 

やっぱり煽ってる。

 

『……貴方は死にません。私が許すまでは、死ぬことはあり得ないのです。』

「…あんたは冥府の神とかか?」

『はい。貴方の中にいる天使達の上司というところです。死を司る神…それが私です。貴方の不老不死も私のものなのですよ。』

「へぇ~…それで?興味があるから俺は帰れないと?まだ十年程時間潰すとはいえ、こんなところで十年も過ごす程忍耐力強くないぞ?」

『ご安心を。すぐに帰します。疑問は消えました。』

「興味失せたってこと?」

『いえ…興味はあります。そもそも神のミスで死ぬ人間など、そうあるものでもありません。ああ…もう一つ疑問に思ったことがありました。』

「何だ。まだ帰れないのか。」

『お付き合い感謝します。ところで聞いていますか?貴方の力が何故強いのか。』

「?天使の設定だろ?」

『前世で貴方を慕っている人達の数、そして今世で貴方を想っている人の数に比例して、貴方の力は強くなる。私の疑問はそれです。』

「…前世で何したか知らないけど、俺にとっては喜ぶことだな。今世では心当たりが多いけど…」

『貴方は何故人を助けるのですか?これを聞いて、人の心を利用するようなことをしますか?その力で…神へ昇る気はありますか?』

「………人を助ける理由…逆にさ…何で助けないんだ?」

『…ふふっ…本当に聖人のような心…不幸はその心のせいですね。』

「…俺は聖人じゃない。妖怪殺して何も思ってないくらいだ。助けるのだって、自分が見えないから…自分が分からないから、他人を知ろうとしてるに過ぎない。」

『その行動は、貴方を幸福にしてくれる。しかし、その度に貴方を苦しめる。後悔はないのですね?』

「ない。あと何だったか…利用?ないな。そんな器用じゃない。それと…神なんて、俺は興味がない。」

『…貴方は…つくづく私を愉しませてくれる…そんな貴方に二つ。お詫びとお礼です。』

「詫びは分かるけど…礼?」

『ええ…まず一つ。次の課題まで時間を進めましょう。時の神に話は通します。場所は蓬莱の薬のある場所。即ち、後の『かぐや姫』の昔話の舞台へ。』

「……まじ?めっちゃありがたい。」

『ふふっ…二つめは…冥界の管理者、その権限を一部解放します。』

「…え?…え?」

『…驚きは分かりますが…少し面白い行動はやめて下さい。私に付き合って下さった。お礼です。とは言え出来ることは限られます。それに…いつの日か、必要に駆られる時が来るかもしれません。』

「どうゆう…?」

『さて…そろそろ帰します。詳細は天使に。説明はしました。ああ…あとあの天使のことですが…どちらも悪い子ではないのです。あまり攻めてやらないで下さいね。』

「それについては安心しろ。殴るのは一人だ。」

『…では…これからの貴方の人生が、どうか幸福に満ちるよう、陰ながら祈っております。』

「色々ありがとな。」

 

暗い世界が晴れる。

まるで夜明けのように、目の前に光が満ちていく。

気が付いた時には、俺は平野に転がっていた。

 




セリフだらけでしょ?神とか天使だとこれが一番楽なんよ心読めるから。
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