東方白望記   作:ジシェ

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やっとダンカグexpert全クリした…いや投稿しない理由はワクチンと成人したからなんだけど…サボりじゃないよ?よしんばサボりだとしても三日だけ…はい。


四十一話 ~目的地へ一直線~

冥界の神様の話じゃここはかぐや姫の舞台。

眼前に見える都がその場だろう。

はてさてここで別の問題が発覚する。

 

「…血まみれだぁ…」

 

服は戦闘の後のままだった。

さすがにこれで都に近付こうものなら、問答無用で攻撃か、はたまた医者に連れてかれるか。

何にしろまずい。

替えの服などないし、血だけを消す器用さは俺にはない。

 

「……忍び込むか。」

 

割りと最終手段だが、もうこれしかないだろう。

入るなら夜がいい。

つまりは夜まで…暇だ…

 

―――――

 

夜だ。

待ち望んでいた夜だ。

さあ行こう。

 

「……見張りいないな…」

 

都は外周に囲いをされていて、入り口以外から入る場合、音もなく入るのは難しい。

まぁ…飛べれば別だが。

 

「…と。入れたな。…てか入っても意味なくね?」

 

そういえばかぐや姫に会わなければならないのだ。

こそこそして蓬莱の薬が現れるまで都に隠れるなどめんど…不可能だろう。

 

「服屋でパクるか。」

 

勿論金は置く。

すぐにバレるだろうから別の服屋で別の服を買う。

それなら問題もないだろう。

 

「そんなこと許されないわよ?」

「!?」

 

背後を取られ…微妙に遠いな。

てか適当に飛んで入ったからよく見てなかった。

割りとでかい屋敷の敷地だった。

大体壁に面している場所には建物があるが、中でも大きい方かもしれない。

貴族の屋敷に侵入とか…逃げるか。

 

「その服…誰か殺してきたのかしら?」

「…いや…うん…?うーん…?殺したっちゃ殺したか…?」

「随分と曖昧ね。」

「何せ大分前だしな…人間は殺してないぞ?」

「……そう。服、あげるわ。男物もいくつかならあるから。」

「おおー…凄ぇ助かる。ありがとう。」

「いいわ。でも…代わりに…また来てくれるかしら?」

「?まあいいけど…」

「暇過ぎて死にそうなのよ。貴方みたいなお客さんの方が、表の求婚ばかりしてくる貴族連中よりも歓迎するわ。」

「求婚?」

「ええ。上っ面の顔しか知らない連中の、意味もない博付けよ…私は…もっと自由でいたいのに…」

「……そうか。」

「…私は蓬莱山 輝夜。よろしくね。」

「…かぐや?」

「?ええ。」

「…かぐや姫?」

「ええ。」

「……目的地に瞬で付いたわ。」

「?」

「……なあ…輝夜。」

「いきなり名前…何かしら?」

「蓬莱の薬を譲ってくれ。」

「……は?」

 

―――――

 

ど直球の質問は、ノーの言葉で返された。

流石に不老不死の妙薬を無償で渡す程、無用心ではないらしい。

これはどうするか…

 

「ギャルゲーで言う好感度上げでもすれば貰えるか?」

 

惚れられてもくれないだろうな。

そもそもギャルゲーなんてやったことないからそんな選択肢分からないし。

月の話は…駄目だ。

いくら月の姫と言っても、生まれは地球だ…ったと思う。

そもそも蓬莱の薬を本当に持っているのか?

 

「……交換条件とか出来ないかな…」

 

何かと交換するとかならあるいは…

 

―――――

 

「本当に来てくれたのね。」

「まあまだ俺は無職だしな。こっちもこっちで暇なんだよ。」

「暇潰しに私の所へ来る人は貴方以外にいないわね。」

「かもな…蓬莱の薬は…譲ってもらえないか…?」

「…何度言われても、それだけは駄目よ。譲る人は、もう決めてるの。例え同じ罪を背負っても…」

(罪?)

 

生まれてこの方屋敷暮らしの彼女に罪などあるのだろうか。

そもそもあの薬は永琳の作ったものだろう?

彼女が持っているのはあり得るのか?

考えられるのは、輝夜が元々月で暮らしていて、何らかの理由でここに来たか。

 

(その場合…罪ってのは…蓬莱の薬を飲んだのか?)

 

揺さぶってみよう。

 

「故郷へ帰りたいか?」

「……いきなり何かしら?故郷はここよ。私は、おじいさんとおばあちゃんに育てられたのよ?」

「…そうか。…じゃあ別の質問でもしようか…薬は未来でも犯罪だぞ?」

「……!……そうね。気を付けるわ。」

 

明らかな反応しながら惚けやがった。

もう確定だろこれ。

やはり世界が違えばストーリーも違うようだ。

恐らくこの世界のかぐや姫は、月で普通に暮らしていたのだ。

竹から生まれたというのも何かの能力か。

それとも科学か。

蓬莱の薬が禁忌扱いであり、飲んだかぐや姫が追放されたか。

それからは物語同様、この都で暮らしている。

 

(でも俺の課題は全て東方というものを元にしている…輝夜は幻想郷で暮らしているんだ…)

 

この先は物語と違い、月への帰還はないのだろう。

なら…それを手伝う代わりなら、蓬莱の薬を得ることが出来るかもしれない。

なら今はその話を出すべきじゃない。

その時になってから、断る選択肢を与えない。

 

「悪いな。もう蓬莱の薬は聞かないよ。」

「…そう。」

「そうだな…これでも旅は長くしてきたし…旅の話でもしてやるよ…」

「へぇ…若いのに、そんなに物語があるのかしら?」

「まあ精々楽しめよ。これでも結構物語はあるんだぞ?年もお前より上だしな。」

 

不老不死だから年取らないけど。

しかもすっ飛ばすことが多いからそれでも五十年くらいだけど。

考えると色々あったな。

…これからも自重は出来そうにない。

 

『―――♪』

『――!』

 

 

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