幽香と戦い早数日…街に来て一月も経たなかった。
月からの迎えが来た。
「どー見ても滅ぼすつもりだな…」
大量の銃を構えた兵士。
何らかの能力であろう入り口。
無限に湧く軍勢。
極め付けはオーラを纏う依…ひ…め…?
「ヤバいのいるじゃん!?」
能力は神降ろし。
しかも見たことないから分からないが、今のあの状態こそ能力使用中だろう。
神はいくらか分体を作れる(月読談)らしいが…その分体を降ろす能力らしい。
そして分体はそのまま神の力を使うことが出来る、弱体化などもない。
つまり依姫は、神そのものを使う能力を持つ…人間が敵う相手なはずがない。
「…早々に出ないと全員死ぬな…」
仕方があるまい。
教え子に差を見せつけてやろう。
―――――
どうやら月側も交渉の頭はあったようで、輝夜を渡せばすぐに帰ると言う。
もし匿うなら滅ぶ…選択肢はない。
しかし町の者や帝、当の本人もその要求をこ断った。
それほど輝夜が大事なのだろう。
中には下心丸出しな奴もいるが、大半は輝夜の意思を尊重したのだろう。
攻撃が開始される。
地上の人間の攻撃など槍や剣…しかも木、良くて鉄、銃の相手ではない。
「そろそろ行くか…」
傍観は終わりだ。
―――――
「かーぐや♪」
「!?て…望…?」
凄い引いてる。
多分人間が死ぬの楽しんでると思われてるな…
「誤解してるみたいだけど助ける気で来たんだよ。」
「…本当に?」
「うん。ただし助けるのは町の人だけ…死人には悪いけど、今から助けられるだけは助ける。輝夜には一つ条件がある。」
「……蓬莱の薬ね?」
「ああ。」
「……何度言われても駄目。渡す位なら…私は月に…」
「話してなかったけどさ、俺も不老不死なんだよ。」
「…は?」
「だから飲まない。俺の目的は薬の破棄。」
「何の意味が…」
「俺には必要。それで?月から護る代わりに薬くれる?」
「……都の人を護るのなら…渡すわ…!」
輝夜自身今までの町への恩は覚えているらしい。
後の面倒は…
(戦いがきつそうだ…)
月の武力、数、依姫の存在、一人で相手はきつい。
(まずは数を減らすか…)
白を操る能力は便利だ。
何せこの状況でさえ、ただ包みこむだけでいいのだから。
町への攻撃は銃撃、つまりは遠距離。
月側を包めば、下への被害はあり得ない。
「空間でさえ操る能力なめんなよ…!」
めちゃくちゃ疲れる。
出来ればやりたくない。
でもこうすれば、俺もやりたい放題だ。
味方への被害は気にならない。
とは言え戦うつもりもないがな!
「戦わずに勝ってやる…」
―――――
慌てふためく月の民。
そこに俺が来たら問答無用で攻撃だろう。
「さて…ふぅー……依姫ぇ!!」
『!?』
「……先…生…?」
覚えていた。
何年…千年以上の月日を越えての再会…それでも尚記憶にあった。
見た目は変わらないから俺だとすぐに分かったのだろう。
(お互い様か…)
「久しぶりだな依姫。やっと神を降ろせたのか?」
「何で…どうしてこんな…」
「こっちにも事情があってな。町を…輝夜を連れて行かせるわけには行かないんだ。もし偽物を疑うなら…久しぶりに相手してやる。」
「…皆、武器を降ろせ。」
その命令に、周りは動揺の声を上げる。
一部は俺の存在を知っているのかすぐに武器を降ろす。
片や大半の兵士は、俺に銃を向け続ける。
「降ろさない者、またこれからの私の行動に、異を唱える者、邪魔をする者は…月に戻り次第罰を与える。」
罰が余程怖いのか、全員銃を降ろす。
「久しぶりですね…この感覚…」
「そうだな…」
周りを威圧するために、かなりの殺気を辺りに放つ。
依姫が久しぶりというのは、これを受けたことがあるからだ。
あの時は全力だと失神していた。
「成長は見られるな?」
「当たり前です。先生…行きます!」
「来い!」