東方白望記   作:ジシェ

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一回消えて焦った…本当は一昨日更新するつもりだったんですけどね。消えて萎えて寝て諦めたんですよね。翌日夜に自動保存思い出して書こうと思ったら眠過ぎて寝たっていうね…はぁ…


四十七話 ~蓬莱の薬~

「本当に行くの?」

「ああ。元々蓬莱の薬が目当てだったからな。」

「…私達のことはどうでもいいっての?あんなに話し合った仲なのに…」

「言い方よ…どうでもよかったら守ったりしねぇよ。でもな、半分は惰性で仕事をこなしてたようなもんだ。例え千年来の友人や絶世の美女と一緒でも、同じ場所に留まるわけにもいかないんだ。」

「…蓬莱の薬が関係するのね?」

「…間接的には。」

「そう…」

 

それからも軽く会話をし、報酬の蓬莱の薬を受け取った。

彼女は育ての親の夫婦に死んでほしくないがために、蓬莱の薬を渡すつもりだった。

しかしそれを二人は拒んだ。

結果、いらなくなった蓬莱の薬を俺は受け取れた。

まあ永琳と通信を取っていた彼女は、蓬莱の薬をいくらでも貰うことは出来たのだが。

とにかく一つ進んだ。

次に向かって歩き始める時だ。

 

「それじゃあな。」

「ええ。」

「またいつか。」

「…あ、そうだ。永琳、一つ頼みがある。」

「頼み?地上で私が出来ることなんてないわよ?」

「うーん…紫なら月にも行けるだろうから、本当は紫に頼みたいんだが…この刀と扇子、依姫と豊姫のものでな。月読から預かってたんだ。」

「……何でさっき渡さなかったのよ…」

「忘れてた。」

「……一応預かっておくわ。」

「頼む。それじゃ…今度こそ…」

「ええ。」

 

そのやり取りを最後に、二人とこの都に別れを告げた。

一期一会とはまさにこのこと。

これが俺の人生だ。

 

―――――

 

「さて…これどう捨てよう?」

 

手に出したるは蓬莱の薬。

破棄の方法に少し悩んでいた。

その辺に放れば何が使うか分からない。

消滅は破棄に当てはまるか微妙。

決められた捨て場所もないから結構悩む。

正直そんな定義なんて知ったこっちゃないが、要は俺の手元から失うことが判定だろう。

となればまずは安全の確保。

記憶を取り戻す時に俺は気を失う。

妖怪も人間もいない場所でなければ、襲われる可能性は十分ある。

 

「山にでも行くか…」

 

都で休むことは出来ない。

救ったのも俺なら、壊したのも俺のようなものだ。

寝てる間に刺される可能性は大いにある。

人間は面倒くさい。

 

―――――

 

火山に来た。

というか意図せず山登ってたら頂上に火口があった。

こんな場所誰も来ないだろう。

そう思っていたのだが…

念のため警戒していたらかなりの数の人が来た。

しかも見るからにかなり高そうな服を着ている。

つまりはお偉いさんって奴だ。

何しにこんな所まで?

 

―――――

 

仰々しく運ばれる小さな箱。

その護衛にやたらと多い人。

上から眺めているが、あれを火口にでも捨てるのか、それともここでしか出来ない儀式か何かか。

とにかく安全とも言えなそうだ。

移動するしかない。

が…何かが起こりそうな気がしてもう少し眺めることにした。

その人々から少し離れた後方、人影が一つ。

 

「子供…?」

 

明らかに小さい人影。

山を昇る大人達と離れ、必死に登る子供の姿。

 

「……」

 

その顔をよくよく見てみると…藤原の顔によく似ていた。

 

「…藤原…?」

 

火口に近づに連れ、子供と大人達の距離は縮まって行く。

山道は子供には辛いかもしれないが、体が軽い分慣れるのは早い。

まして大人達の速度は変わらないのだ。

藤原を追って娘が付いて来た?

違う。

俺はあることに気付いた。

都を守ってから…輝夜達と別れる時から…藤原を一度でも見たか?

 

『んー!』

『がっ…何だこの餓鬼…!?』

 

その子供は、箱に向かっていきなり飛びかかった。

不意のことに反応し切れず、箱はいとも容易く子供に奪われる。

 

『…この…!待てこの餓鬼!』

 

子供の首元を掴む。

握力が強かったのか、子供の走る勢いに耐久が負け、その服はその場所から破れだ。

瞬間反動で前方に滑った子供は、その場から山を転がり落ちた。

幸いなのは道を転がり落ちたことだが…子供が転がって無事な道ではないだろう。

流石の薄情な俺でも、見てみぬ振りが出来る状況ではない。

 

―――――

 

「………」

「…生きてるか?」

「……ぅ…ぁ…」

 

俺の能力は治すことは出来ない。

創り出し、消し去るのみ。

体を作ったところで、少しの不足があれば瓦解する。

人体とは、それほどまでに複雑だ。

助ける方法は一つ。

蓬莱の薬のみ。

 

「……何であんなことしたんだ?山なんて来なければ、こんな目に会わなくて済んだのに…」

 

俺が早く動けば、こんな目に会わなくて済んだのに。

 

「町にいれば、関わらなくて済んだのに。」

 

関わらなければ、知らないで済んだのに。

 

「…生きたいか?」

 

生きてくれ。

 

「……い…き………る……」

 

その言葉を聞いてからは早かった。

彼女の持つ箱の中身は蓬莱の薬。

それをその口から飲ませる。

無理矢理にでも飲み込ませ、吐き出すことも許さない。

冥界の神が俺に力を与えたのはこのためだったのだ。

 




東方の妹紅の設定過去とかないんよね。主人公と一番絡み安いです。ただこの先は他小説と似るかもしれないけどお許し下さい。個人的にこの展開は一番予想通りだけど一番好きなんです。
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