東方白望記   作:ジシェ

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バイト連チャンで流石に疲れた…まああまり時間がなくて更新途絶えて…また自分のことだから更新して休みをやるんだろうなぁ…すみません。


五十五話 ~深海の決戦~

日を跨いで翌日早朝…全快だ。

今なら海ごと消し飛ばせる。

クラーケンを倒す方法もいくつかある上、どれも可能となった。

 

「…烏賊か……食えるのか…?」

 

その思い付き一つで、半分近くの方法が消滅した。

 

―――――

 

「……」

「我々全員を集めて…作戦の一つも指示はないのか?」

 

人魚の一人が痺れを切らして聞いてきた。

今の状況は、人魚の戦闘可能人員全員を召集、待機させ、遠くからクラーケンの様子見中。

それも既に三十分程…そろそろだ。

クラーケンの真下、町並みの中から、深海とは思えない光が辺りを照らした。

太陽と見紛う程の輝き、その光はクラーケンを包み込む。

クラーケンは深海生物…つまり光を知らない。

照らして時間が経てば寧ろ寄るが、この時点では光を警戒して後退する。

その時間が重要だ。

 

「全員町へ!今なら問題なく潜入出来る!足の一本も家屋に絡ませるな!」

「成る程…!」

 

全員が府に落ちたようだ。

この待機時間は能力の発生のため、深海の底に光を配置するための時間だった。

空間自体を扱う俺の能力なら、離れた所でもある程度の操作は出来る。

奴の視認範囲外のために距離が遠く、五感も使えないために時間はかかったが、これで町からクラーケンを離すことが出来る。

足を絡めることが出来なければ、いくらクラーケンでも漂うことになろう。

町への被害、人魚への被害を気にせず、戦うことが出来る。

人魚が町に入った後、光を消した俺はクラーケンの前に出た。

当然の如く襲い来るが、既に奴の優位は崩れている。

極めつけは…

 

「これだ!」

 

水の指定と空間の固定、伸びる足を除く奴の体を、水を消滅した空間に引きずり込む。

空間を固定したために最早奴は身動きすら出来ない。

こうなればなぶり殺しに変わりない。

長過ぎた足は入れることは出来なかったが、そのために彼らを配置したのだ。

自分達の町は自分達に守ってもらおう。

とは言え…奴も諦めてはいなかった。

信じられないことに手足を落とした。

蜥蜴の尻尾切りのように、分断した手足は再び生え、外の手足は溶けて溶解液のように、なっていた。

「まじかよ…」

 

つまりクラーケンの巨体全てが結界に収まり、俺と一対一の状態ということ。

しかも結界内ほとんどが触手で覆われ、更には切り落とすことが危険を増やす行為だということが明らかに。

本来なら絶体絶命の表現が正しい。

奴も人魚達もそうなのかそれぞれの表情は分かりやすい。

 

「でも忘れてないか?ここは俺の能力内…俺の世界だ。」

 

触手が高速で突き刺しに来る。

あの巨体とこの速度なら、山に穴を開けることさえ出来そうだ。

しかし…場所が悪い。

触手は溶解液が出ることもなく消えていく。

空間の消滅は俺が最も得意とするものだ。

被害や食うことを考えなければ、始めから消滅させればそれで終わりだったが…初見はその力も残ってなかったのだ。

だが全快の今、烏賊風情が勝てる勝負ではない。

 

「まあとどめは…妹紅に任せようかな?」

「焼き烏賊って美味しいの?」

「上手い。少なくとも俺は好き。」

「…私を連れ込んだのそれが目的?」

「……」

「…『沈黙は是なり』って教えてくれたのは望だよ…」

 

呆れられてしまった。

まあそのつもりだったのだから仕方ない。

烏賊料理と言えば寿司やらスルメやら色々あるが、作る道具も材料も場所もない。

なら焼き烏賊が楽だろう。

 

「でも望がやればいいんじゃ…」

「手の内は簡単に晒すな。恩を仇で返されるかもしれないからな…」

 

実際過去立ち寄った村でもあったからな、裏切り。

 

「それじゃ…海鮮料理でも楽しむとするか!」

 

クラーケンは焼け焦げていく。

妹紅の精一杯の火力でさえ、耐えるこいつは正しく強敵だった。

 

―――――

 

勝利の宴…というには質素な料理を、俺達は振る舞ってもらっていた。

都市の食糧はクラーケンの腹の中…巨大化の原因はこれだった。

代わりに町の損壊はあまりなく、食糧以外の被害は少なかった。

 

「一族を代表して、貴方方に感謝する。あの時声を掛けたこと…最早誇りに思う。」

「いいさ。こうして報酬ももらってることだしな。」

「いや…このような質素なもので寧ろ謝罪したい。何か他に要望があればその通りに…」

「…なら道案内してくれないか?実は俺達、目的地もなく海を渡っててな。そうだな…」

「二人が来た方向とは違う場所を教えればいいか?」

「え、分かるのか?」

「陸の者達の分かる道と、我々の分かる道は、丸っきり逆なんだ。陸の者は原の道を。我々海の者は水の道を。つまり海であれば、我々なら案内が可能だ。」

「でも島の場所なんて知ってるのか?」

「ああ。少し赤みがかった土の島を見つけたことがある。大陸とは言わないが、島周りを回るのに二十日はかかった。」

「赤み…確かに俺は知らないな。」

 

オーストラリア辺りかと思うが、時代が時代だけに断言出来ない。

まあ探索すれば分かるだろう。

 

「よし。そこに向かおう。」

「ではこれを渡そう。」

 

小さな玉のような物。

中には霊力が燻っていた。

 

「これは?」

「先の空間、その核となっていた霊石だ。これさえあれば、あの空間をそのまま動かすようなもの。」

「…でもそしたらあそこは…」

「クラーケンのせいで閉じ込められ、あの場所を嫌う者が増えてしまった。あそこのおかげで二人の助けも得られたが、閉じ込められるのは、予想より辛いものだ。」

「そうか…分かった。有難く貰うよ。」

 

その石は霊石というだけあり、霊力が原動力。

発動したいなら、ただ霊力を込めるだけ。

俺達三人は、それを利用して島へ向かった。

たどり着くまでは呑気に魚を捕ったり、人魚を鍛えたり、ハプニングというハプニングも起きなかった。

平和に、そして退屈に思えたその航海は、島を見付けて終了した。

 

 

 




海の上で何起きると?てことでカット。流石に海で引っ張るのも…
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