東方白望記   作:ジシェ

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今回凄い分かり辛い。自分で思う。理解は出来る。自分にはどういうことかもはや図解が頭に出来てる。けど文章に出来ないごめんなさい!
追記:10000UA突破ありがとうございます!書き忘れました。


五十九話 ~裏切りは誰が為に~

足跡を辿り、館の中を練り歩く。

その先は明らかに地下であり、主がいるとも思えない。

先にノーチェから連れ出せということだろう。

 

「まあ地下にいるかもしれないけど…な!」

 

紙を捲るように扉を引き裂く。

地下への入り口が頑丈な鉄扉だったためだ。

間違いなく地下へ続く階段。

 

「姫の救出といくか~」

 

階段を下りきると、空けた部屋が一つ。

広さだけなら館の半分程はありそうだ。

残念なのはそこには一切の物がなく、正面に見える扉を護るように、伝承を模したような者達が仁王立ちしていることだ。

影のような姿の数十体の魑魅魍魎。

何故ノーチェをそこまで閉じ込めるのだろうか。

あるいはノーチェ以外を閉じ込めているのか。

何にせよまずはこいつらの片付けからだ。

 

「生物じゃなきゃ加減はいらねぇな?」

 

―――――

 

およそ戦闘とは呼べない虐殺を終え、扉に手をかける。

この扉は木の扉であり、大量の札が張られていた。

ある意味開けるのを躊躇われる…が、別に気にせず解放する。

この程度で警戒する段階はとうの昔に過ぎているのだ。

 

「ノーチェーいるかー?」

「―――」

「…下にいるのか。」

 

扉を開けるとまた階段、しかしその階段で終わりのようだ。

ちゃんといてくれて良かった。

声のする方には更に扉があり、しかし階段ではなく部屋に繋がっていた。

 

「…貴方が…望さん?」

「ああ。しかしこんなに深いとはな。てかあの門番なんだよ…」

「…ありがとうございます。迎えに来てくれて…」

「それより父親だ。お前ならどうにかならないか?」

「……無理です。」

 

自分には不可能だと断言した。

どうやら彼女は父の変化の原因を知っているようだ。

 

「父は…私達のために呪われたんです…私のこの部屋には、過去封じられた霊が存在していたんです。」

「…乗っ取られたと?なら何故お前はここに閉じ込められたんだ?封印を解いたんだ?」

「……私が閉じ込められたのは、私の体を次の依り代にするためです。私の体が成長するまで、病も傷もなくすため…封印を解いたのは……」

「…話辛いか?」

「…いえ…話さなきゃ…封印を解いたのは…母です…」

「そんな危険なの何で解いたんだ。」

「その霊が、この家の…一族の霊だったからです。その中に、私の妹も…」

「複数の人の総合霊か…出来もしないのに救おうとしたのか。」

「はい…母が取り込れる直前、父が前に出て身代わりになったんです。それでも結局母は取り込まれ、巻き込まれた私だけ護られました。」

「しかしそんなに霊が集まったら意識が混濁するはずだ。こんなことは考えつかないだろ?つまり統括している霊がいるはずだ。」

「…私達の祖先…吸血鬼の始祖…その意志が、取り込みながら操っています。」

「成る程?ならその魂を消し去れば、どうにかなるのか?」

「!出来るんですか!?」

「無理。でも宛てはある。力を借りられるかは分からないけど…まあ時間は稼ぐ。」

「それって…」

「そいつと俺は戦う。可能なら拘束する。解放もな。でも魂の消滅や剥離なんて出来るわけない。そこでお前にも手伝ってもらう。」

「何を…?」

「ちょっと待ってろ。」

 

こんなことの頼りなど紫しかいない。

しかし呼ぶことも会うことも難しい。

向こうも俺の居場所など分からないだろうから。

しかしあいつなら、死んだ俺を探しているだろう。

もしかしたらもう見つけているかもしれない。

例え探していなくても、賢い…というか悪どいあいつなら、力を全開で放出すれば、見つけてくれるのでは?

少なくとも、危険がないか確認には来るだろう。

工夫をすれば正確な場所まで分かる。

つまりやり方は簡単。

 

「軽く手紙を書いた。これを先日お前が話した奴に渡せ。それだけだ。」

「わ、分かりました!」

「外まで送る。ちゃんと渡してくれよ?」

「はい!」

 

その工夫のために、妹紅にも動いてもらおう。

 

―――――

 

「任せたぞ。」

「はい!絶対に渡します!」

 

ノーチェを送り出した俺は、振り返って言葉を発した。

 

「…随分と優しいな。」

「感謝しておりますよ。ノーチェ様を送り出してくれて。ですからどうか…死なないよう願います。」

 

彼は無防備に、素直に身を差し出すように、ナイフを落とした。

何故ノーチェもこの執事も、何も話すことがなかったのか。

何故ノーチェは俺が直接話を聞いた時に、話すことが出来たのか。

ノーチェに対する監視の目…館に入ってから見ていた蝙蝠達…

そのせいで、二人はまともに話せなかった。

この執事は、それを破壊して主の元へ戻った。

ノーチェを救うため、自ら犠牲になったのだ。

監視されたノーチェを館から出すため。

その目を全て、自分と俺に向けるため。

主は、裏切りに気付いたことだろう。

同時にしてやられたことにも気付いただろう。

もう彼に生きる道はない。

配下の執事が、吸血鬼との契約をしていないはずがない。

後はもう、殺されるだけ。

 

「…後は任せとけ。老兵はそろそろ退場の時間だ。」

「ありがとうございます。それでは…御武運を。」

 

飲み込むように消し去る。

苦しみは皆無だろう。

 

「…胸糞悪いな…」

 

殴る理由が増えたようだ。

 

 




なんかミカルゲみたいとか考えちゃった。
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