椅子から殴り飛んだ奴は、とうとうその身自ら武器を手にした。
おそらく能力の略奪が奴の能力…その能力で…
「しっ…!」
武器を操る能力だけ除外されるわけがない。
棍を後ろにやり、回すように振り回す。
更には周囲から剣が飛んで来て、更に地面は針の山…
前は棍、下は針、四方八方剣の弾、正しく四面楚歌だ。
「だから何だ。」
棍を除く全ての攻撃を消滅させ、迫る棍に拳を合わせる。
棍は砕け、そのまま奴の顔面に拳が…届くことはなかった。
砕けた棍がそのまま、捕らえるように腕に突き刺さる。
「消し飛べ。」
「断る。」
圧縮した弾幕を、ビームのように発射する。
腕を消滅させ、それを回避する。
すかさずビームの軌道を変えようとする奴は、そのまま後方へ吹き飛んだ。
回避した直後に踏み込み、残った手で殴り飛ばしたのだ。
「これで二発。後一発だ。殴った後で捕まえる。」
「この程度…不死と呼ばれしこの我が、傷や痛を負うとでも?」
「いいや?ただのストレス発散さ。…本命はこっちだしな。」
「何を…」
奴の上から巨大な針が降り注ぐ。
「少し前から置いておいた。避け切れるか?」
「造作もない。」
まるで回避場所が分かってるかのように、奴は最低限の動きで完璧に回避した。
予知か予測か、遅い攻撃では着弾点も把握されている。
針の間にいる奴は、その場からこちらに攻撃を仕掛ける。
仕返しだと言わんばかりの針山が、地面から発生する。
不意の攻撃のため、避け切れず腕や足に刺さる。
「ふ…そちらは避け切れんようだな?」
「避ける必要がないだけさ。それに…お前も油断したな?」
「こちらの台詞だ。」
お互いの針山が爆発する。
俺の針には内部に時限爆弾が。
おそらく奴の針はそのものが爆弾だ。
普通であればここで決着することだろう。
何せ相手は不死身の吸血鬼…いかに頑丈な人間でも、この大爆発では無事ではいられない。
「普通ならな!」
「何!?」
互いに煙の中、しかし俺は奴の顔面を確実に捕らえ、殴り飛ばすことに成功する。
せっかくの豪邸を台無しにしながらの奴の自爆特攻は、自らが殴られる結果を生んだ。
「……何故無事なのだ…?人間ごときが…」
「生憎こっちも普通じゃないんでね。それよりも…あと一発だ。」
「…ふん。まさか人間がこれ程とは思わなかったぞ…」
「そりゃそうだよな?お前も俺を殺せないんだから。」
「!」
「お前の能力の奪い方…その相手を喰うことだろ?それも面倒な手順がありそうだ。そうでなくとも形ある死体でなきゃ無理みたいだな?」
「…それがどうした。もう貴様に加減はしない。」
「へぇ?」
「貴様を我が好敵手と認めよう…能力を手にすることを諦め、全力で消し去る…」
ここからが奴の本気…ここからは死に物狂いで殺しにかかることだろう。
対してこちらは殺さないよう加減しながら防ぎ切る。
過去類を見ないクソゲーだ。
「ここからがラストラウンドだな…!」
次回決着。予定通りだし構成あったのに更新時間掛かる程モチベ低下中。はっきり言ってペルソナの次にマナケミアやるつもりでした…