東方白望記   作:ジシェ

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週五百円分のティッシュがなくなるのは懐的に辛い。寒暖差アレルギー辛い。ファッキンホット!!…思考能力低下中でこれ以外の2つも更新遅くなってて…夏中はもう更新出来ないかも…すみません。出来たらします。


六十四話 ~蜘蛛の糸~

「本当に…久しぶりね…」

「何年ぶりだろうな…」

「妖怪に時間を聞くのかしら?」

「はは…違いない。」

 

旧友との再開を喜ぶ暇はない。

今はやらなければならないことがある。

 

「事情は聞いたってことでいいんだよな?」

「ええ。でも一つ酷なことも言わせてもらうわ。」

「酷…?」

「私はこの数十年の間…夢の為に努力した。それこそ…血反吐吐いても自分を鍛えるのを止めなかった。それが必要だと知っていたから…」

「……まさか…」

「ええ…完全な魂の分離は…今の私には荷が重い。たとえ出来たとしても、必ずどこか異常が出る。ましてやいくつの魂が集まっているの?その中から、あの身体の魂だけを分離するのは…不可能よ。」

「…そうか…方法はないのか…?」

「……一つ…可能性のある方法はあるわ。」

「!あるのか!?」

「分離は出来ない。複雑怪奇な魂の絡み付きから、一つの魂を見つけることは出来ない。なら…『絡み付き』を無くせばいい。孤立した魂を引き上げるのは難しくない。」

「…魂と身体の境界…お前がそれを弄れるなら、俺をその魂の塊に送ることも出来るんだな?」

「ええ。しかしそれはとても危険。魂の世界は、現実とは違う虚構。故に貴方の今の力は使えないかもしれない。そうなれば、丸腰の非力な人間が鬼に挑むも同然よ。」

「……やれ。」

「!?聞いてなかったの!?確かに貴方は他人の為に命を掛けられることは知ってる。けど貴方のその行動は、『死なない身体』を徹底的に利用しているもの。魂が朽ちれば、身体は関係ない。貴方でも死ぬのよ!?」

「…それが…俺が止まる理由にはならないよ。いつだって俺は…やりたいことをやってるだけだ!」

「……忠告…したから…」

「ああ。」

 

身体から何かが引き抜かれる。

その感覚の後、俺がいたのは宙だった。

自分と、紫を上から眺めるようだった。

しかし数瞬の後、力に呑まれた吸血鬼の下へ…

 

「この糸は…」

『さしずめ…蜘蛛の糸ってとこかしら?』

「お前らはいるのか…」

『私達がいるのは魂の世界のようなものだしね。それより本気?あれに入るの。』

 

あれ…既に見えている塊…人の姿と分かるものの、手や足が絡み合い、糸で巻かれたようなその塊。

あの中から、ノーチェの親を見つけ出す。

残りは…肉体がない以上、紐解いて解放することが出来ても、助けは出来ない。

 

「すまない…俺が助けられるのは一人だけだ…」

 

その言葉に反応した亡者達は…道を開けた。

 

「……は?」

 

肉体のない亡者は、肉体を得るためなら、俺の邪魔をすると思ってた。

しかしどうだ。

ノーチェの瞳、ノーチェの髪色、性別は違えど、ノーチェの生き写しのような見た目の青年の下へ、彼らは道を開けている。

 

「どういう…」

 

【助けて】

 

「!」

 

確かに聞こえた。

まるで合唱のような大音量で、確かに聞こえた。

『助けて』と…

彼らは、奪って生きるよりも、解放されて死ぬことを選んでいるのだ。

 

(……っ!)

 

俺は青年に近寄り、糸を見た。

元の身体の持ち主が故か、他の人に絡む糸は、全て彼に繋がっていた。

一つちぎる度に、彼らは解放されていく。

そしてそれが最後の一つとなった時、初めて彼は口を開いた。

 

「…殺してくれ。」

 

切実な願い。

しかし叶わせるつもりはない。

 

「…ノーチェを一人にする気か。お前は助かる。俺が助ける。天下の妖怪の王が、しばらく苦しんだからって死を選んでんじゃねえよ。」

「…厳しいな…」

 

最後の一つをちぎった時、彼らは全て解放された。

そこに残されたのは、俺と青年だけだった。

 

―――――

 

「……!来た!」

 

魂が孤立した今なら身体に定着させられる。

望を呼び戻して、両方助けられる。

 

「やってくれたわね…!」

 

後は私の仕事だ。

身体に今定着してるあの魂を引き抜いて、彼の魂を定着させる。

望はすぐにでも…

 

「戻りなさい!」

 

―――――

 

俺についた糸が引かれ、魂が身体に引き付けられる。

すぐさま身体に魂を重ねられ、身体に定着された。

 

「……この感覚は二度と味わいたくないな…」

「私は味わうことのない感覚ね。」

「ちっ…今どうなってる?」

「上々。後の懸念は…奴の存在よ。」

 

身体から定着した魂を追い出した時に気づいたらしい。

あの身体をさっきまで使ってた奴は…既にそこに境界がない。

魂だけで、肉体を作り出している。

故に奴は、魂で現実に現れている。

 

「まじか…」

「既に彼女の父親の魂は戻ったわ。時期に意識も戻るでしょう。それと…流石に消耗が激しくて…あれと戦う体力はないわ。」

「…俺も…あの放出が痛かった。もう空っぽだ…」

 

折角ここまで来たのに、初めてのガス欠がこんなタイミング…勝ち目がないとは笑えない。

見るにもう奴に自我はない。

しかしその為に力を限界まで使ってくるだろう。

放っておけば自壊する。

しかし逃げる力はない。

 

「まじでどうしよ…」

「お手上げね…」

「あー…巻き込んで悪い。」

「そうね…でも…悪くはないわ。」

「くく…そうか。」

「でも諦めはしないでしょう?」

「当然。全力で逃げる。」

「覚悟はいいわね?」

「ああ。」

 

もはや力むことも辛い身体に鞭打って、俺達はそれぞれ離れた。

的を分散して時間を稼ぐ。

その結果…

 

【――――!】

 

全体への力の放出。

俺と同じ行動。

そして…今最も絶望的攻撃。

紫は言わずもがな、不老不死の身体でも、魂が喰われれば俺も死ぬ。

この攻撃…喰らえば死ぬ。

しかし回避は不可能。

 

(嘘だろ…?)

 

二人共死を覚悟した。

その時だ。

俺達は妹紅とノーチェの前にいた。

ノーチェの父親も一緒に、三人全員無事に。

 

「どうにか…なりましたかな?」

「お前…執事!」

 

そこには、俺が呑み込んだはずの執事がいた。

 

 




さて…二ヶ月前あった構想では終わらせるつもりだったっけ…まあその構想と被ってるとこ一つもないけどね!端的に言うと主犯消して終わってバイバイだったから執事生かすつもりなかったし、魂下り考えてなかったし…計画性皆無ですね…遅い時点で計画性もくそもねえや…
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