東方白望記   作:ジシェ

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妹紅の口調がミスって混ざってるのに気付いた…粗暴な言葉遣いは幻想郷からです。


六十八話 ~また会う日まで~

この子もきっと分かってる。

今のままじゃ駄目なことも、これからする話も。

分かりながら、俺に聞くんだ。

まるで答え合わせのように。

 

「…思えば色々あったな…」

「……」

「長々旅して散々迷って…海でも陸でも戦って…」

「…もう…大丈夫…」

「…ああ…妹紅…これでさよならだ。」

 

やはり分かっていたのだろう。

涙を隠すために、妹紅は両手で顔を覆う。

紫が現れた時から、この娘は何かを予感していただろう。

 

「…どうして…?きっとそうだと思ってた…けど…!それでも…離れたくない…!」

「…俺だって…別れは辛い…けどな…必要なことなんだ。」

「…また…会えるよね…?」

「ああ。それは約束する。例え何年何十年何百年掛かろうと、絶対に…」

「…そんな待たせないでよ…」

 

涙を拭うこともせず満面の笑みで笑ってみせた妹紅の姿を、俺は一生忘れないだろう。

それに俺と離れることを理解して、すぐに決断したこの娘なら、きっと大丈夫だ。

 

「妹紅。これからお前は、紫に着いて行くんだ。」

「うん…」

「…実を言うと、紫に連れて行かせるのには理由がある。」

「輝夜。」

「…何だ…まあその…つまりは復讐相手と会って…復讐をやめろって暗に言いたいんだけどな…」

「……」

「…まあ好きにするといい。そうだな…いっそ不老不死同士だしな。気の済むまで挑むといい。」

「復讐…止めないの…?」

「止められない。そんな権利はないからな。勿論やめて欲しいが…まあ無理だと思う。だから逆に、気の済むまで戦うといい。全部任せるよ。」

「…うん。…じゃあ望…最後に約束と、お願い聞いて?」

「うん?」

「まず約束。私より先に死なないで。」

「…あー…まあ分かったけど…誰か死ぬってなったら絶対庇うぞ?俺は。」

「……いいよ…死ぬのは許さないけど…それで…お願い。」

「何でも言いな。」

「抱きしめて。」

「……おう。」

 

別れの抱擁とでも言うのか。

正面から堂々とされると大分照れる。

たじろいでも許してくれ。

そう思いながら、手を広げる妹紅を抱きしめる。

…身長的に胸に顔が行くのが欠点だ…決してわざとではない。

 

「今までありがとう…さようなら…望…」

 

頭に水が滴る。

最後の最後で耐えきれなくなったんだろう。

 

「ああ…でもさよならじゃないな…また会おう。次に見るのが、お前の笑顔なのを願ってる。」

「うん…うん…!また…またね…!」

 

雰囲気ぶち壊しだが…痛い。

抱きしめるにしたって力加減が…

 

(我慢だ…雰囲気壊すな…てかいつの間にこんな腕力を…)

 

「はいはーい♪楽しそうな所悪いけど、そろそろ行くわよ~♪」

 

台無しだよ。

 

―――――

 

二人を見送った後、ここで出会った連中にも別れを告げた。

止まる暇はない。

まあ普通ならあるだろうが…迷うことも考えると大分遅れよう。

最悪の場合は紫がどうにかするかもしれないが…自分でどうにかしたいのが本音だ。

ならのんびりしてる余裕はない。

まあ…どうせ道中厄介事もあるだろうし。

 

「本当にありがとう。これからの君の安泰を願う。」

「おう。」

「紫殿から理想郷の話は聞いた。当然ながら私達もいずれ…少なくとも、ノーチェは送ろう。しかし今は…しばしの安寧に身を投じさせてくれ。」

「勿論だ。まあ紫が次現れたら行きたいって言えばいい。」

「そうだな。その時に…また会おう。」

「ああ。ノーチェもまたな。」

「はい…」

 

きっとノーチェも別れは辛いのだろう。

生い立ちからして慣れるものでもない。

 

「…なあノーチェ。妹紅と俺の約束と、同じ約束を俺としよう。」

「同じ約束…ですか?」

「ああ。例え何百年かかろうと、必ず再会する。俺達ならまた会えるさ。」

「……分かりました…!絶対ですから…!」

「ああ。まあそれまでは…あそこのじいさんにでも頼りな。もう一人じゃないしな。」

「はい!」

 

また約束が増えてしまった。

しかし…悪くない。

 

 




望一人旅開始…つまり東方キャラが出ないわけですが…え?オリキャラ書くの?また?
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