東方白望記   作:ジシェ

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予約出来てねーじゃねぇか!


七十一話 ~自然の体現~

「あ?」

 

手元の空間を消滅して声の方を向く。

透明な羽の生えた少女が一人。

所謂妖精とやらだ。

 

「お前か?俺閉じ込めてんの。」

「は、はい…」

「説明してもらおうか?」

「はい…」

 

―――――

 

「成る程…悪戯ねぇ?」

 

まとめると最初は余所者を警戒して観察のために閉じたらしい。

それからの俺の行動(いくつかの奇行)を面白がって接触を延期してたらしい。

要は悪戯だ。

 

「い、一応最初は真面目だったんですよ…でも…毬みたいな跳ね方したり範囲狭めても気付かなかったり聞き慣れない歌歌ったり見てて飽きなかったんですもん!」

「反省の色なしかぁ…」

 

わざとらしく指から音を鳴らしたらかなりの怯え方をした。

どうやら仲間もいるようだ。

怯えて草が揺れたのを見逃さなかったぞ。

 

「そこか?」

 

少し大きい蜘蛛の糸を創り草の揺れた場所に放つ。

蜘蛛の糸の粘着性はかなり強い。

ましてこの大きさなら触れたら中々取れまい。

まあそもそも抵抗の間もなく引っ張ったが。

 

『ひいぃいいぃ!』

「今にも喰われそうな悲鳴を上げるな…怒っちゃいるけどそんなでもないからそう怯えるなよ。」

「……怒ってない?」

「おう。まあ最初警戒したってことは何か事情あるんだろ?その説明してくれるなら怒らない。」

『……』

 

互いに顔を見合わせて考える。

最初の奴が代表して話すようで、その輪から一人抜けて来た。

 

「…この森の外から少し離れたところに、集落みたいなところがあるんです。」

「…え?それがどうした?」

「その集落が問題で…妖精を敵対視してまして…捕まえたら生活を豊かに出来るから捕まえろって考えで…抵抗されたら殺すことも厭わないくらいで…」

「割りととんでもないことだったな…だから森に入る奴を警戒したのか。」

「はい…妖精に直接危害を加えたら餓死させるために閉鎖空間に閉じ込めます。迷い込んだだけなら回れ右です。でも貴方は見たことない装いで…」

「…成る程。」

 

今俺は着物を着てる。

特に理由はない。

ただ少なくとも集落に着物はないということか。

それなら国みたいなのと関わりもなさそうだ。

独立した村落が独自のルールを作って周りを威嚇してる…あまりに厄介だ。

 

「ん?捕まったり殺されたりしたのか?」

「はい。捕まった仲間は今は分かりません。妖精に死の概念はないので、自然が滅びない限りこの姿を殺されても問題はないですが…」

「…そうか…まだ捕まってるのが…」

「はい…だから…森は助けて欲しいんです…私達はどうしてもいいから…!」

「……はぁ…」

 

森が滅びりゃ全滅する。

こんな時、自分の性格が憎い。

なにせ…

 

「やること変わんねぇからな…」

「はい?」

「ちょっとその集落行ってくる。」

「え?あ、あの…それは…」

「助けてやる。生憎そんなのを見てみぬふりは出来ないんでな。」

「あ…ありがとうございます!」

 

どうでもいいが妖精にしては大分他人思いだな。

 

―――――

 

「ここか…」

 

能力解除されてからはもはや瞬だった。

一ヶ月迷ったわりに森の大きさは区一つ分程度だった。

 

「しかしこれは…」

 

壊れた家、血塗れの死体、荒れた畑や門も柵ももはやなし。

明らか滅びたというか…破壊目的に何かが暴れたような荒れ方だ。

 

「これは…捕らえた妖精が暴れでもしたか?」

 

経験上どれほど時間が経っているかは何となく調べられるが、おそらくここ数日程度。

血が乾き切ってないとこを見るに、何なら昨日や一昨日程度の時間しか経ってない。

つまり…

 

「暴れたのは…お前らか?」

 

『捕らえられたのは水と沼の妖精です。二人共戦闘経験は皆無ですが…温厚な性格でなければ殺傷能力は圧倒的です。何もなければいいんですが…』

 

「こいつは…温厚とは口が裂けても言えないなぁ…」

 

水の刃に泥の触手、問答無用に殺しに来てる。

何故どこ行っても戦うんだろうなぁ…

 

「倒せば森に帰るか?」

 




望は三年以内に海を渡って日本語圏にいます。ただしこの森は過去出てなければ原作にもありません。
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