「そういえばあの二人はどうなった?」
「向こうで…えと…」
「?」
何を言い淀んでいるかは分からないが、向こうに妖精が集まっているようだ。
実際見に行けばいいだけだ。
そう思い見に行くと、この場にいるほぼ全ての妖精が踊っていた。
勿論沼と水の妖精も。
その足場は花々が散り、既に夕暮れ時の空は素晴らしい情景を生み出していた。
「これは…フェアリーサークル?」
生えているのは茸ではないが、妖精が踊るようと呼ばれる円状の空間はそう呼ぶにふさわしい。
「私達は自由の象徴です。そんな私達でも…決めてることはあります。喜ばしいこと…楽しいこと…ただ暇でも踊りますけど、これは私達の祝福です。正に今やるべきでしょう?」
「…そうだな。働いた当人達無視じゃなければ。」
「うぅ…」
言い淀んだ理由はこれか。
「まあ回復したならよしとしよう。村についてもあの二人とあいつが原因だろうし、村には悪いがこれで解決…」
「あ!そうです!そのことなんですけど…」
とてとてとどこかへ駆けて行く。
戻って来た腕には何かが抱えられていた。
「……狐?」
「そうなんですよ!村の大きめの廃屋地下に、しかも檻に入れられて!」
「うわぁ…あの村そんなことも…」
「原因は尻尾だと思いますけど…やっぱり可哀想ですよね…」
「尻尾?」
「はい。えっと…ほら…」
普通の狐の尾は一つ。
だがその狐は三本の尾を持っていた。
既に妖怪化しているのだろう。
「まあ無事なら良かったじゃんか。野に放つかいっそお前らで育てたら?」
「……私達…この子は育てられないんです…」
「?なら森にでも住まわせて…」
「出来ません。私達妖精は…謂わば神に近い存在。望さんも知ってると思いますけど…神と妖怪は相容れない存在です。ましてここまで弱い妖怪だと…私達の霊力に充てられて死んでしまいます。」
「…成る程。となると森に住まわせるのも…」
「……」
困ったことにこの狐の行き先はないようだ。
捕らえられた挙げ句放置されて自由もない。
ここまで不幸なのも珍しい。
「…あの…この子…望さんに連れていってもらえませんか?」
「…まあいいけど…可哀想とはいえ流石にな…」
人なら連れ歩くのも出来なくはないが、狐…というか獣は問題が多い。
まして妖怪だと村や街にも入れないし、なつかれないと居なくなったりして探す手段もない。
旅中だと餌の収穫も難しい時はある。
「やっぱり難しいですよね…」
「むう……仕方ないか…」
「?何か案が?」
「頼りたくないけど…」
俺は懐から出した鈴を鳴らした。
紫の鈴だ。
頼りたくないのは当然だろう。
「……」
「…その鈴は…?」
鳴らした瞬間紫の隙間が現れる。
…と同時に背後から悪寒が走る。
まあ分かっていた。
三年間音沙汰なしで急に開いた隙間など俺以外あり得ないからな。
目の前の隙間とは別に開いた背後の隙間から、女性の手が俺の頭を掴む。
「……あの…とりあえず出てきて…」
「こうならないと思ってなかったとは言わせないわよ?」
「……謝罪の機会を―」
言いきる前に引き摺り込まれた。
そこで俺は悟った。
(ああ…死んだわ…)
そういえばダンカグswitch買いました。愛しき夜道DLCが悲しい…コンビニ行って来る♪…多分全部買うけど