東方白望記   作:ジシェ

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七話 ~少年は今後を考える~

二つ目の課題が表れてから、一週間程が経過した。

実際に二人のところまで行き、親も見てはみたが、武器というのに関係のあることがない。

親は確かに防衛隊(に近いもの)の者ではあるが、危険を知る親が、自分の子供…しかも女の子を戦闘に出すだろうか?

課題を考えたのが俺である以上、将来的には確実なことなのだろう。

本当にそうか?

課題と天使の話しから推察するに、この世界の未来を、過去の俺が知っているのは確実だろう。

記憶で聞いた会話で、ゲームというものが言われていたが、思い出せる限りでは、物語を自分で進めるものに思える。

ゲームに関する記憶、いや一つ目の記憶に関することはなんとなく分かるが、だからこそいくつかの仮説が新たに表れる。

ここは物語の世界、もしくは…ゲームにおける主人公が、自分になった世界なのでは?

その場合、主人公と別の行動を俺がとったら?

物語に関することを無視してしまったら?

もし過去の俺が知るこの世界の未来を、俺が変えてしまったら?

確実とは言えない。

課題を作ったのを自分と決定しても、信じることは出来ない。

 

「早々に詰まったか…?」

 

その可能性を、頭から排除するには、根拠が少な過ぎた。

 

―――――

 

俺は課題は一旦保留(多分十年くらい)し、目下別の目標を立てることにした。

つまりここに来たときから頼まれていた妖怪退治。

まぁそれすら迷っているけど。

というのも、妖怪が危害を加える様子を見たことがない。

それに見たことがないから姿も分からない。

 

(もし妖怪が良い奴だったら、俺は戦えるのか?)

 

実際に襲われたときでも、守るためにしか戦えない。

殺すことなんて、俺には出来ない。

育った環境が違うと、考え方は変わる。

この街の考えは、環境は、俺とは違う。

妖怪と実際に対峙すれば……

 

と考えていると、けたたましい鐘の音がした。

 

『東門襲撃!繰り返す!東門襲撃!』

 

ここから程近い門が襲撃されたらしい。

この鐘は、危険を伝える音であり、防衛隊は門前へ、民間人は避難することの合図である。

つまり今俺がやることは決まった。

 

「行くか。」

 

俺は音のした方へ走った。

 

―――――

 

着いた頃には始まっており、そこには…凄惨な光景が広がっていた。

人妖違わず血を流し、人は肉を抉られて、妖怪は体を貫かれ、尚倒れない両陣営。

初めての戦場に俺が感じるのは、恐怖と後悔だった。

何故来てしまった。

自分も同じように死ぬのか?

 

(あれが…妖怪…)

 

だが止まれない。

止まっちゃいけない。

これもこの世界で生きる限り、必要なことなんだ。

俺は思い切り手を握りしめ、弾幕を撃った。

人を避けるよう上手く制御し、妖怪を殺さないよう加減して、後方からの支援に徹した。

それが功をそうしたのか、妖怪は撤退し始めた。

殺さないよう加減したのは、いつでも殺せるという脅しでやっていた。

実際自分が他者を殺すのは難しいが、それを奴らは知らない。

個人の性格など分かるはずがない。

だからこそ致命傷すら避けて、『支援』に徹した。

同じ手が何度も通じはしないだろう。

俺は勝利を喜び合う人達を見ていた。

怪我人に目を向け、治るよう祈り、家へ帰った。

その後永琳が帰る時間を見て、永琳の元へ向かった。

この頼みが出来る者が、彼女一人だから。

 

―――――

 

「永琳いるか?いるなら開けてくれ。」

 

戸をノックし、声をかけた。

程なくして、永琳が姿を表す。

 

「今日はどうしたの?」

「いきなりで悪いが、頼みがある。」

「頼み?」

「………俺を…殺してくれ。」

「……………え?」

「自分が死ぬ恐怖…死ぬことに対する覚悟…それをどうにかしたい!」

「自害すればいいじゃないの。」

「自分じゃ確実には死ねない。」

「………まったく。それなら何度か殺してあげるわ。」

「え?」

「毒殺刺殺溶解爆殺…他にもあるけどどう死にたい?」

「え?待っえ?」

「ついでに実験台にさせてもらうわ。今回怪我した人の中には、今じゃ治しきれない人もいるからね。」

「………」

 

永琳のマッドさが如実に表れた日だった。

 

 

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