「望さん。色々とありがとうございました。」
「ありがとね!お兄ちゃん!」
「おに…いや…まあ頼まれたしな…」
というかこいしのキャラが全く変わらない。
設定では第三の目が潰れてああなったらしいが…無意識状態にも見えない。
姿が見えないとか無意識にいなくなるとかそんな気配もない。
そもそも能力は変わったのだろうか。
それとも元々違うのだろうか。
さとりも変化は見られないし、そもそも二人共第三の目がないのが原作とは違う。
(まあ能力は別にいいか…)
「そうだ二人共。一つ話があったんだ。」
「元々そのために来たのですか。その話というのは?」
「俺の信頼出来る……うんまあ出来る奴が今、妖怪と人間の共存出来る世界を創ろうとしてるんだ。出来るなら向こうの妖怪連中とかもまとめて連れて行きたいくらいだし、お前達もどうだ?」
「それ…は…無理に…人間や他の妖怪と関わる必要はありませんか?」
「ない。紫…あいつの望みは共存だ。けど俺は、他にも、『逃げ場』にしたいとも思ってる。」
「逃げ場…ですか?」
「同種でさえ信用出来ない奴は存外少なくないってことだよ。」
神同士喧嘩するし花畑荒らす奴絶対殺すのもいるし親に殺されかけた奴もいるし。
「他と馴染めない奴らが時間を掛けて他者に関われる場所…俺はそうもしたいんだ。」
「…成る程…」
「お兄ちゃんも行くの?」
「いつかな。やることあるし、勧誘もまだそんなしてないしな。」
「そっか!じゃお兄ちゃんが行く時に私達も行きたいな!ね?お姉ちゃん!」
「そうね…私達はまだ完全に回復したとはとても言えません。おに…望さんがいないと、結局二人だけで暮らすでしょうね。」
「あの子達もいるよ!」
「そうね。」
元気なこいしを優しく微笑んで撫でるさとり。
この光景は原作通りだ。
「ならしばらく向こうの奴らに慣れるといい。そもそも頼んできたのはあいつらだ。お前らは自身が想像する以上に想われてるんだよ。」
「はい。もう心も読めませんから…」
「これで良かったと思うよ。皆と一緒だもん♪」
「…そうか。まあ…二人がいいならいいや。向こうの奴らにも伝えとくよ。」
「帰っちゃうの…?」
「地上にこっちのこと伝えなきゃだし、何日も留まる予定なかったしなぁ…」
「うー…」
「こいし。無理を言っては駄目よ。」
「だってぇ…」
『無理ではないわよ?』
聞きなれた声が虚空から響く。
こんなことが出来るのは知る限りただ一人。
「さっきぶりね望。」
「……何でいるんだ?」
「話してすぐ起きた騒動無視出来ると思う?」
「そりゃそうか…?待て…まさか今の今まで見て…」
「この方が…」
「そ♪望が!信頼してる奴よ?」
「聞いてたのか…でもお前がいるなら確かに無理じゃないな。」
「ええ。貴方次第で無理じゃないわよ?鈴で私の隙間を開くように、ここに繋げることは可能だもの。」
「いつでも会えるの!?」
「望がそう思うならね。大体、望はどこにいるか分からないもの。空か地下か…そのうち地獄にでもいそうね?」
「……まあそれで俺からしか開けないようにしてるんだろ?そうだな…流石に二人は心配だし、月一くらいなら見に来るか…とりあえず頼めるか?」
「ええ。ああ二人共、望が来ない時間は多いだろうしどうせ……どうせ忘れてるだろうからね。私も通うわ。安心してちょうだい。」
「ありがとうございます。」
「否定はせん。まあとりあえず…ありがとな。」
「ええ。ああそれと、妖怪達の方は話したわ。この大穴そのまま、町並みそのままならどこに移動しようと構わないそうよ。全員に話すのはあの狼がするわ。あとはまとめ役だけれど…」
「二人には無理だ。」
「ええ。これから萃香達のとこへ行くわ。つまりここでまたお別れよ。」
「おう。」
「望さんも行ってしまうんですか…?」
「ええー!?まだ早いよー!」
「…せめて今夜はここに泊まれば?」
「そうだな…あ、そだあの魔法使いは…」
「それなら安心していいわよ?妖怪の酒盛りに叩き込んでおいたから。」
「喰われなくてもえげつねぇな…まあそれならいいや。それじゃ、また色々ありがとな。」
「信頼しきってくれていいのよ?」
「今まで会った中でも、誰より信用はしてるさ。」
「ふふ…それならいいわ。二人共、また近い内に会いましょう。」
そう言って紫は隙間に消えていく。
その去り際、紫のいた場所には鈴が落ちていた。
どうやら元々そのつもりで、鈴を作っていたようだ。
そして俺はそのまま館に泊まることにした。
…余談だが、朝目を覚まして最初に見たのは黒猫の腹だった。
猫に顔に乗られるのリアルである。最近寝る前は猫吸ってから寝ます!