「予想より速かったですね。ここから旅となると海を渡るはずですし…」
「三ヶ月さ迷えば大分時間経ったと思うが…」
「そうだよ!月一でって言ってたのに!」
さとりのように地理とかかる時間の予測が出来れば三ヶ月は速く。
こいしのように知る情報が少ないと遅く感じるようだ。
俺は自分を理解してるから速いと思う。
まあこいしの反応が妥当だが。
見る限り二人の様子はあまり変わりない。
狼男も結局まだ来てないようだ。
動物は増えてるが。
何でも子供が産まれたらしい…犬猫、そしてひよこと亀と大分一気に。
その世話のため、町の妖怪もちょくちょく顔を出すようになったらしい。
それもさとり自身が頼みに出たらしい。
ちゃんと回復に向かっているようで安心だ。
「そういえば紫は来てたのか?」
「それなら丁度今日…」
「貴方の後ろよ。」
「……驚くと思うか?」
「あら残念。貴方が来るとはとても思えなくてねぇ…月一で私は来てたわよ?」
「正直すまん。」
「こいしに言いなさいな。何か用だったかしら?」
「いや?確認しただけだ。二人の顔見に来ただけだしな。まあ…今日は泊めてくれ…」
「お兄ちゃん泊まるの!?」
無邪気に喜ぶこいしの姿は俺の知る…前世で見た姿そのものだ。
時間が経って何か変わるかとも心配したが、第三の眼がなかろうと、心は何も変わらない。
こいしは無邪気な子供だし、さとりは冷静沈着なこいしの姉。
(心配いらないな…)
「ああ。霊力少なくてな。三ヶ月飛び続け…まあ休みはしたが、流石に回復しきらん。」
「珍しいわね?貴方の膨大な霊力が尽きるなんて…」
「あー…飛びながら新しい技考えててな…」
「技?」
「私との戦いの時の…あの弾幕を喰らった力のようなものですか?」
「おう。想像は出来るんだがな…細かい調整がな…」
「へぇ…想像出来てるなら、私が協力してあげましょうか?正直気になるわ。貴方の技というものがね?」
「……そうだな…なら一つ勝負といくか。」
「いいわよ。そうと決まれば…」
紫の指が弾かれた瞬間、足元に隙間が開かれる。
「移動しましょう?」
「この野郎…」
―――――
「さあて…やるか。」
「それでどんなものを創ったのかしら?」
七大罪などこの時代では広まっていない。
というか存在しない。
だから説明は難しい。
だから別の言葉に例える。
強欲は模倣、暴食は吸収。
なら他はどうなのか。
嫉妬は他者を妬み、対象を『拒絶』する。
怠惰は堕落を極め、思考を『停止』する。
憤怒は怒りに塗れ、全てを『破壊』する。
傲慢と色欲はまだ思いつかないが、拒絶に停止に破壊と、十分な想像は出来ている。
調整が出来ないのは全てだが。
「拒絶、停止、破壊。創ったのは三つだ。ただ上手く扱うのにまだ慣れない。」
「分かりやすいじゃない。そこまで出来てて扱えないの?」
「拒絶は壁だ。俺は創造はそんなに得意じゃなくてな。耐久と『付加』に苦戦してる。」
「付加?」
「拒絶の壁に力を与える。そこまでしなきゃ技じゃないだろ?停止は正確には座標の固定…分かりやすいけど、速さが足りない。」
「なら破壊は?それこそ簡単に思うけれど?」
「……これが一番難しいよ。何せ破壊のイメージが途切れれば消滅になる。戦闘じゃ過剰過ぎて使えん。」
「へぇ…でもそれなら私との戦闘は適役ね。」
紫の周りに弾幕が現れる。
過去類を見ない程の数。
それこそ…妖力に物を言わせた数と力。
「私ぐらいしか…ここまで出来ないものね?」
「…そうだな。」
無限にも思う数の弾幕は今尚増え続け、その向かう先は全て…当然の如く俺だ。
使いこなせなければ大量の弾幕をその身に受ける。
これこそまさに…
【八雲 紫 lunatic mode start】
色欲は望に合うのが思いつかない。傲慢はまじで想像できない。