東方白望記   作:ジシェ

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今ちょい忙しくて更新出来なかったのが20日。で純粋に忘れてたのが10日ですごめんなさい。


九十七話 ~敵襲~

何故だろう助けたのに警戒が恐ろしい。

男連中からの敵意が半端じゃない。

というか聖の背後からほぼ全員分の槍が向けられている。

気持ちは分かるが…やはり言葉が通じないのか。

 

「あー…ハロー?いやニーハオとか?」

「あ!大丈夫です!分かります!私だけですけど…」

 

いらん恥をかいたようだ。

予想通り聖だけは通じるらしい。

まあ日本名だし通じないならどこ生まれって話だ。

しかしやはりいるのがおかしい。

なにせ槍を向けてるのは全員人じゃない。

 

「…改めて挨拶するか…俺は筑城望だ。訳あってにほ…日ノ本に向かってる。ここへは完全迷子で来た。」

「そうなのですね…私は聖白蓮と申します。修行の身で偶然立ち寄った者です。」

「修行…?」

「はい。…長生きが目標なもので…」

「…そうか。」

 

あからさまに何かを隠した。

そういえば前世の記憶に…聖には弟がいたって話に覚えがある。

関係しているのかもしれない。

まああえて触れることはしない。

触らぬ神になんとやらだ。

 

「長生きはいいことだな。だけど…生き過ぎるのもすすめないがな…」

「はい…?」

「いや気にするな。まあ俺はただのお節介で助けただけだし、…後ろも怖いしな。そろそろおさらばさせて…」

「いけません。」

「……」

「あの戦は向こうから一方的に行われた蹂躙です。それを止めてもらい、お礼の一つもないのでは…無礼にも程がありましょう。」

「…まあなら…何日か留まりたい。こっちも事情があるんでな。」

 

妖怪連中の勧誘と道案内が。

 

「構いません。と言っても私が許可することではありませんね。村落の長に案内します。こちらへ。」

 

―――――

 

「………」

「こちらが長のお宅です。…どうかしましたか?」

「いや…何でもない。」

 

何でもなくはないが…周囲の視線が過去一痛い。

警戒五割嫉妬四割残りは疑いだろう。

歓迎のかの字もない。

 

「?そうですか?では…村長さん!いらっしゃいますか?」

「ええおりますよ。あんた!聖ちゃんがいらしたよ!」

「おおこれはこれは!戦には勝ったのですね!?」

「そのことでお話が…」

「そちらの方は…」

「初めまして。筑城望だ。…あれ?」

 

村長は人間だ。

しかも日本語を話している。

横の婆さんも日本語。

 

「村長さんは言語を理解する異能を持つのですよ。およそ六十年程前に住処を追われ、ここに移住したのです。」

「ええ。当時のことは今でも感謝しております。聖様がおられなければ、無事にたどり着くことも暮らすことも出来なかったでしょう。それに…」

「待った待った。長くなるなら遠慮する。」

「おお…申し訳ない。年寄りは長話が好きなもので…どうぞお入り下さい。」

「では私はこれで…用がありましたら隣の家屋に来て下さい。しばらく部屋には戻りませんが、話が終わる頃にはお礼も用意しておきます。

「お、おう…」

 

多分何か礼の用意で聖は席を外した。

その間に外の連中も落ち着いてくれればいいが。

礼より後者の方が重要だ。

 

―――――

 

「何もない場所ですがごゆっくりしていって下さいな。」

 

そう一言置いて婆さんは部屋を出た。

 

「それでどのようなご用で?」

「この村にしばらく残りたくてな。許可と…出来れば住んでいい空き家とか何もない空き地とか聞きたい。」

「なるほど…でしたら私の許可など必要ありませんな。権力を持つわけでもないのですから。全て自由に行って頂いて構いません。しかし報告は頂きたいですね。」

「そう…なのか。」

「はい。先の聖様のご様子ですし、隣の家屋にお泊まりしてはいかがですかな?定住を希望するわけでもありますまい。」

「まあ…そうだな。とりあえずここに残ってやりたいことを伝えとくか。二つ程頼みがあってな。」

「出来ることならなんなりと。」

「一つは案内だ。日ノ本に向かう途中でな。偶然この島に流れ着いて、偶然村にたどり着いた。案内人が欲しいんだ。生憎方向音痴で一生着ける気がしない。」

「であれば聖様に頼めばよろしいと思いますな。というより案内など彼女以外、出来る者などおりませぬ。」

「…そうか。後で頼む。次に…」

 

話を続ける前に、外で爆音が鳴り響いた。

 

「何だ?」

「外に行きましょう。聞き慣れぬ音です。」

 

―――――

 

「?婆さま?どうなされた?」

「あ…あぁ…爺さまや…聖ちゃんが…聖ちゃんが…」

「!」

 

外に出て驚いた。

隣の…聖の家は鉄球に潰されていた。

そしてその少し横には…家屋の破片が突き刺さった聖が、子供に覆い被さっていた。

 

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