私、転生は銀魂の世界がいいって言ったよね?   作:マリユリ

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うーん、連投なり。(´•ω•`)

ハハッ!月曜も考査だぜーい!!
↑高校最初の考査で赤点とる気満々な人。




序章《二》

 

 

『まず初めに、俺は神様だ』

 

目の前に仁王立ちして、自慢げに話す自称神様。私は正座をしたまま、ポカンと見つめる。

頭、大丈夫ですか?

 

「や、やっぱりイチイチキューしないと──」

 

──スパァン──

 

『これ以上ボケさせねぇからな』

 

私の頭を上から平手打ち。話を進めるために、実力行使に移ったようだ。クソっ暴力反対だ!!

 

『お前、何で死んだか覚えてるか?』

 

腕を組みなおし、覚えてなさそうだなという雰囲気を醸し出す自称神様。おい貴様、失礼だろ、決めつけるのは。

頭をグルグルと回転させるが、心当たりなどない。

 

「・・・覚えてないんだけど・・・赤信号で飛び出した子供を見て飛び出したのくらいしか・・・」

 

『それだそれだ!!しっかりくっきり覚えてんじゃねぇか!!』

 

「え?そうなの?」

 

ふざけただけなんだけど。え、私そんなことしたの?マヂで?そんなヒーローみたいなことしたの?

私の頭は???で満杯である。

 

『当てずっぽかい!!』

 

「はい!そうです先生!」

 

『返事すんなや!』

 

まあ、何はともあれ、私は子供を庇って死んだらしい。へぇーそうなんだ。へぇー。

 

『それを踏まえた上で聞け。神が集う会議の中で、あることが発覚した』

 

「え、何?神様って会議とかあんの?うわダル!よくそんなんやれるね」

 

『・・・それは、死神がとある間違いをしてしまったことでな』

 

神様や神様や、スルーは酷くないかい?私の心は傷ついたぞよ?

 

 

 

 

 

 

 

 

『大変申し訳ないんだが・・・お前が死んだのは死神の手違いだった』

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・手違い?」

 

『ああ』

 

「何が?」

 

『お前が死んだのが』

 

「誰の?」

 

『死神の』

 

「手違い?」

 

『そうだ』

 

へぇー、神様の手違いで私は死んだのか。そーかそーか。私の命は()()()で終了したのか。

 

 

 

「つーかどんな手違い!!??」

 

 

 

なくね!?そんな重い手違い!は!?

 

そんな

「ごっめーん!三ツ矢頼まれたけど、コーラ買ってきちゃった✩」

的な感じで!?

「ごめんね○○、ジャンプじゃなくてコレ、赤丸だったわ」

みたいなやつ!?

 

『本っ当に申し訳ない!!謝って済むことじゃないが・・・この通りだ!!』

 

膝と手をつき、額を擦り付けて頭を下げられる。コレ、私が一番苦手なヤツだ。

 

「・・・具体的に、どういった間違いだったのか説明してくれるんだよね?」

 

これで断られたらミンチじゃ済まさんぞ。細胞をグズグズにしてやるからな。

とりあえず頭をあげようか。

 

『ああ、もちろん。もともとは赤信号になったのが間違いだった』

 

「信号が変わったのが、間違い?」

 

『ああ。死神は体と魂を切り離すために、常に大鎌を持ち歩いている』

 

私の脳裏には、黒いフードの骸骨で鎌を持った典型的な死神が連想された。うん、想像を裏切らないね。

 

『本来ではあそこで事故が起こるはずだったんだ。その魂の回収のため、死神は現場で待機をしてた』

 

私の頭では、行き交う車を空の上で無慈悲に見下ろす死神が出来上がる。なんか、カッコよくね?

 

『・・・信号機の上で』

 

「信号機の上で!?」

 

私の頭の絵は塗り替えられた。カッコ良さげな死神は消え、信号機の上で座って待機する、なんかカッコ悪い死神に。

 

『少し早く着きすぎたらしく、愛用の鎌を投げて遊んでいたら──』

 

「鎌で遊んでいた!?」

 

死神さん!?どうしたの!?え!?鎌を投げて遊んだの!?体と魂を切り離す鎌を投げて遊んだの!?

再び頭の絵が切り替わる。カッコ良さなどもはや無く、大きな鎌を中に投げて遊ぶ、お茶目な死神。うん、想像を裏切りすぎじゃね?

 

『手が滑って、信号機に当たってしまったらしい。それで信号が狂って・・・』

 

「・・・・・・」

 

つまり、事故現場に早く着いてしまった死神さんが、鎌で遊んでたら信号機に当たって、不思議な鎌のせいで信号機が狂って、周りが対応できないでいるうちに子供が道路へ飛び出して私がその子を庇って死んだ、と。

 

「それ手違いって言わねーよ!!完全完璧に不注意だよ!!」

 

『ツッコムとこそこかよ!』

 

神様曰く、死神は大変反省しているらしい。反省しすぎて、死のうとしたらしい。死神が。死神が、死のうとしたらしい。やめて、重い。

 

「で?私が庇ったっていう子は?生きてんの?」

 

『あ、ああ。軽傷で済んだ』

 

「ふーん。なら、あと私は言うこと無いよ」

 

『は?』

 

私、死んだ記憶なんてないし。思い出したくもない。死ぬ間際に私がどれだけ痛く苦しい思いをしたのだとしても、私はそれを覚えていない。覚えてすらいないのに、誰かを責めるなど酷。私、重いのは嫌いだ。

 

「んー・・・なんて言うかな・・・人間、いつかは死ぬじゃん。歳をとって死ぬか、病気で死ぬか、事故で死ぬか、殺されるか。そんなの誰にも分かんない。でもさ、嫌だったんだよね、私、歳とって死ぬの。体が動かなくなったり、腰が痛くなったり。長生きは良いことって言うけどさ、私は嫌だった。何もせずにタラタラ長く生きて、そんだけで死ぬのが・・・嫌だった」

 

世間じゃ長生きは良いことって言っているけど、私はそうは思わない。

だって、何もせずに長く生きて何が楽しいの?

働いて働いて。長く生きるために、老後のために働いて、何が楽しいの?

そりゃあ誰かと笑いあったり、何かをして遊んだり、楽しいこともあるだろう。でも、長く生きて、動かない体に鞭打って、そんなの楽しいのだろうか。そこまでして生きる必要はあるのだろうか。

今の日本では、自殺は駄目な行いの一つとして見られている。でも、私はそうは思わなかった。

 

生きるのが嫌なら、死んだって良いんじゃないだろうか。

 

何故、本人の生死の価値を他人が決める?

本人が死にたいと言っているんだ。死なせてあげればいいじゃないか。

生きるのが苦しいのなら、生きるのをやめればいい。

単純なことだろうに。

走るのが苦しいなら歩く。

これと同じではないか。

まったくもって、不思議な国だ。

 

このように、私はそこまで生死にこだわりを持っていない。

強いて言うなら──

 

 

 

「私は意味のある死に方が良かったの」

 

 

 

意味の無い虚無の長い時間を過ごすよりも、意味のある充実した長い時間を駆け抜けたい。

 

「だから私は、意味のある死に方ができたんなら満足だよ。これで死神さんも同じ間違いはしないでしょ」

 

生きたい子供を助けて、二度と失敗させない意識をつけられた。私の死には充分に意味があった。私としては、それで満足だ。

 

『・・・後悔してないんだな・・・・・』

 

「助けたことなら、してないよ。未練はあるけどね」

 

私、死に方には満足してるけど、未練が無いわけじゃない。そう、私の未練とは──

 

「銀魂・・・映画とアニメ・・・」

 

『結局それかい!!』

 

仕方ないだろ!!私の生きがいだったんだぞ!!大学受験の時だって支えてもらったんだからな!!

今思い出しても最悪だった家庭環境。楽しい学校とは裏腹の家。お兄ちゃんが死んだときだって。

傾きかけていた私を支えてくれた。それが実在しない人達でも、私を支えてくれていた。

笑顔をくれた。心をくれた。知識をくれた。友達をくれた。強さをくれた。優しさをくれた。

私が今持つ感情のほとんどは、銀魂のキャラ達(かれら)から貰ったものだ。

結局、何が言いたいのかというと──

 

「銀魂尊い!」

 

『それでいいのか!?』

 

「え、何が?」

 

『いやだって。何か複雑そうじゃん!私の暗い過去に光をくれた的なアレだろ!』

 

「そうだけど?」

 

『それで尊い!?』

 

「うん」

 

『・・・・・・そうか・・・うん・・本人がいいって言ってんだ・・・・いいんだよ・・・気にするな・・・俺・・・・・』

 

突如、頭を抱えてブツブツ呟き出した。怖っ!えっ何?怖っ!やっぱりイチイチキュー・・痛い痛い痛い!!アイアンクローはなしだって!!アンタ好きだねアイアンクロー!

 

『で、話を戻すと、会議の結果、お前を好きな世界に転生させることになった』

 

やっと解放され頭をさすっていたら、とんでも爆弾が投下された。私、硬直。

 

『とりあえず、そんなに好きならそこに転生させてやるよ』

 

「いいの!?本当に!?ドッキリだったら殺すからね!?ひき肉にするからね!?」

 

『怖ぇよ!安心しろ。本当だ。その役目を俺が担わされた』

 

担わ()()()・・・・。さっきから、ちょいちょいイラつくんですが!うぬ〜・・・銀魂に行けるんなら我慢我慢。

 

『お前、確か今十九歳だろ?』

 

「そうだけど?」

 

はい。バリバリ大学生ライフ送ってますけど?それがどうかしましたか?

 

『いや、あくまで"転生"だからな。赤ん坊からスタートだぞ』

 

「・・・・・・」

 

そ、そうか。あぁ〜でも、うん、大丈夫大丈夫。銀魂に行けるんでしょ?うん、軽い軽い。

 

「そんなん平気だよ!早く早く!転生したいしたいしたいしたいしたいしたい!!!」

 

『だから怖ぇよ!!銀魂で豹変すんの止めろ!!』

 

えー、そんなこと言ったってぇ。あんなに好きだった銀魂ですしぃ?そりゃあ早く行きたくなるでしょお。

つーわけで早くしろ紙。・・・違った神。

 

『ハイハイ。じゃ、頑張れよ』

 

神様がパチンと指を鳴らした。音の直後、足元に黒い穴があいた。どこまでも黒く暗い穴。

 

「誰に言ってんのさ!」

 

私は神様の顔を見る。もう二度と会うことはないだろう。この顔だけはいい神様ともおさらばだ。

 

『お前だろ』

 

「そーゆー事じゃないのだよ」

 

『ふんっ。さっさと行け!災厄娘』

 

「もちろん!早く行きます・・・よっ!」

 

言葉と違って優しい声音に背中を押された。私は思いっきり穴に飛び込む。

ただ、最後に一つだけ──

 

「私を出し抜こうなんて一億年早いよ、()()()()()!」

 

『っ!!』

 

──最後にお兄ちゃん(あなた)に会えて良かったです。私を愛してくれてありがとう。私のお兄ちゃんでいてくれてありがとう。

私を助けてくれて、ありがとう。

 

あなたのおかげで、私は新しい世界へ行けます。私の背中を押してくれたのはあなた。少し強ばってた体の緊張をほぐしてくれた。だから、ありがとう。

 

私も、お兄ちゃんが大好きです。

 

 

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