詭弁ですよ!霊夢ちゃん! 作:名は体を表す
待ちに待ったあの娘が満を持してようやく登場?
冬、雪がしんしんと降り積もる日の事。俺は人里のど真ん中で人間暖房機になっていた。
「おーい詭弁!もっと暖かくならねぇのかぁ?」
「ざけんなコラ!!お前らもっと有り難がれ!!」
何をしているのかと言うと、前に買った『如意陽輝棒』を使って、厚い雲に隠れているお日様の代わりをしているのだ。
気、霊力、魔力を込めまくって煌々と輝く姿はまさに神々しいの一言だが、端から見ている以上に実際には消耗しているのだ。つらい。
今は真昼を少しだけ過ぎた辺りなのだが、朝イチからずっと立ちっぱなしの力使いっぱなしだ。足はガクガクである。
更に言えば辺りはぽかぽか陽気な気温だが、棒を持っている俺は真夏の太陽直下にいるように暑い。これで『妖精手甲』を着けて熱をある程度防いでいなかったら丸焼けだった。
あ、もうムリ。
プツッ、と電球が切れるように陽輝棒の輝きが消え、俺は地面に這いつくばった。し、死ぬぅ……。
「おーい、もう終わりなのか?」
「ふ、ふざけんなボケぇ……!朝イチからずっと光らせっぱなしなんだよこちとら……!」
なんだよー、と口々に文句を言いながら去っていく里の住人達。この野郎共……。
で、こんな事を依頼してきた奴は何をしているのかと言うと。
「……あら、もう限界かしら?次の演目の準備途中なのに」
「少しは休ませてくれませんかねぇアリスちゃん……!」
モコモコの耐寒素材で身を包んで、人形劇の準備をしていた。
彼女の名前はアリス・マーガトロイド。七色の魔法使いと呼ばれ、俺に魔法糸を教えてくれた先生でもある。
ちなみにアリスちゃんは暑さ寒さを感じにくいらしく、それでなんでモコモコの服を着ているかと言うと『人里で人形劇するのはいいけど、見てるコッチが寒くなるような服装は止めた方がいいぞ』という忠告を真に受けて俺と一緒に服を買いに行ったからだ。
「別に服くらい作れるわよ」
「たまには人が作ったものを見ないと感性が鈍くなるぞ。それにいつも世話になってるし、服の1着くらい奢らせろ」
「……まあ、そういうことなら良いわよ」
「ちなみにこれってデートだよね!」
「張り倒すわよ?」
「またまた~そんなこと言って顔が赤くなってるのは分かって……痛い痛い痛いっ!!!指っ!?指はソッチに曲がりませんことよっ!?」
「……馬鹿ね」
といった事があって今に至る。
……しかし、それにしても暑い。今は真冬だというのに、俺だけ身体の芯から熱を放つように汗が止まらない。
「はい、お茶よ」
「んにぃ、ありがとうアリスちゃん……」
アリスちゃんから熱々の紅茶を渡される。これは何のイジメでしょう……まあ、
「というか、何でアリスちゃんはこんな依頼をしたん……?」
「貴方のその武具に興味があるからよ」
「えっ?俺の身体に興味がある?」
「その耳引っこ抜くわよ?……妖精の力を使えるようになる手甲、太陽の力を持つ棒、どっちも興味深いわ」
「やだアリスちゃんったら、女の子が手や棒がどうのだなんてハレンチ……痛たたたたたっ!!!耳取れるっ!!」
「やると言ったらやる女よ私は」
ちょっとした冗談じゃないかぁ。ぴえん。
「ちょっと、止めなさい。……ふーん、やっぱり魔力だけじゃ反応しないのね」
「そうそう、魔力じゃなくて気功や気合いの
俺の
「次はちょん切るわよ」
ぴえん。
ちなみに当然のように気や魔力、霊力を使い分けているが、気とは生命活動(主に呼吸)を行う上で勝手に作られ、消費されていく力。魔力は、主に体外の環境から生まれる混沌とした力。霊力は霊魂、魂から放たれる力をそれぞれ総称して言っている。生産する場所が違うからこそ、其々が得意とする事柄も違うそうだ。そしてそれら全てを扱える俺って実は天才説。
「貴方が天才なら世界中に天才が溢れかえってるわね」
「ぴえん」
冗談きついぜアリスちゃん……。
まあそれはともかくとして……俺はまだ陽輝棒を光らせなきゃダメなのだろうか。
「……少し休んでても良いわよ」
「やったぜ」
霊力、魔力、気力全てが底をついてヘロヘロに疲労しきっている身体を引きずり、すぐそばの茶店の外席に座る。お腹が空いた。
「お汁粉一つ」
「あいよ」
ぴう、と冷たい風が吹けば、汗を流した身体が冷めていく感覚が心地よい。
出てきたお汁粉を啜りながら、人形劇の準備が整ったらしいアリスちゃんを見る。アリスちゃんは操っている人形に鳴子を持たせ、カランカラン渇いた音を響かせる。それが人形劇が始まる合図だ。少し待てば、わらわらと暇を持て余した子供達が集まってくる。
アリスちゃんが俺に目線を送ると、俺は一つ頷き、手に持った陽輝棒を光らせる。朝からやったような全力の光ではなく、辺りをほんのり照らす程度の光。しんしん降る雪が離れていく気配がした。
「これより始まる話は、誰にも知られることなく街を救った小さな騎士の物語です……」
アリスちゃんが朗々と語り出し、演劇内の人形たちが動き出す。
俺は手の陽輝棒を光らせたまま、その光景をぼんやり眺めていた……。
◆
「……たった一人で悪魔を討伐した帰り道、彼の知人はボロボロの姿の彼を見て驚きました。『おい、一体どうしたんだその姿は!?』彼は応えました。『ああ、ちょっと妖精のイタズラに巻き込まれてな』『なんてこった!かの騎士サマが妖精相手にボロボロになるとは!明日は槍が降るぞ!』知人は笑いながら去っていきました。彼もまた笑って家に帰りました。明日から再び平和な日常が戻る事を確信したからです。めでたしめでたし」
うぉぉぉ……めっちゃいい話やぁ……!涙が止まらねえ……!
誰にも知られず、そして誇らず、街を救って……なんて良い奴だ騎士テメェこの野郎っ(号泣)
涙を拭きながらアリスちゃんの人形劇を振り返る。やばいまた涙が。
「うう、凄い良い話でしたぁ……!」
「お前さんもそう思うか……あの騎士めっちゃ良い奴だよなぁ……!」(語彙力消失)
「はいっ……!凄い……健気で……凄い……あぁぁ……」
涙と鼻水でドロドロになっている少女の顔にハンカチを差し出す。
「うう……ありがとうございます……」
ぶびぃぃぃっ!と鼻をかんで突き返されるハンカチ。おい。
「くっ……同じ剣を扱う者としてあの騎士に負けてられません!」
「『
「私は
「庭師か、庭木の手入れなら何度かやったことあったなぁ」
「貴方も庭師なのですか?」
「いや、俺はただの便利屋だ。頼まれれば何でもやるだけ」
「何でもですか」
「勿論選り好みはするよ。人間の時間は有限だからな」
「そういえばそんな噂を聞いたような……」
茶店の外席でお茶を啜っていると、人形劇の片づけを終えたアリスちゃんがコッチに歩いてきた。……何かご機嫌斜めかしら?
「もう回復したでしょ?次は日没まで休み無しよ」
「にちぼっ……!?死ぬわァっ!!!」
「早くしなさい。依頼受けたんでしょ?」
「ぐぬぬっ……いいだろう!巌窟王と呼ばれた俺の超常スタミナ見せてやらぁよ!!!見てろよ赤パンアリスちゃん!」
「今赤パン関係ないでしょっ!!」
右ストレートで真っすぐいってぶっ飛ばされる。流石人形遣いだ、腕の鍛え方が違う。
「……あっ、『
その後、本当に日没まで陽輝棒を光らされ続け、汗だくのままぶっ倒れてそのまま放置された。
当然汗かいたまま雪が降り積もる外で寝ていたものだから、普通に凍死しかけた。凍死しかけた上に風邪をひいた。
「お前は本当に……ほんっとうに頭悪いよな……」
「うぅ……妹紅先生、裸で暖めて……」
「火鉢に焼かれてろ」
「アツゥイ!!」
「馬鹿が風邪をひいたと聞きまして!」
「帰れ馬鹿天狗」
「詭弁さん、大丈夫ですか?大陸に伝わる風邪治しの薬草を煎じてきました」
「メイちゃんだけが俺の救いだよ……ささ、同衾しようか」
「ふぇっ!?」
「……詭弁、火鉢と言わず不死鳥の炎で燃やされたいようだな」
「もこたんが率先して布団に入って来ないからじゃないですかーやだー!!」
「遺言はそれでいいな?『フェニックス再誕』」
「家の中でそれはアカンと思います!!!!」
詭弁の二つ名どうしようかな。複数あっても別に良いか。
里の人達は真冬のソーラー暖房を手に入れた!
本当はこんな事を書きたくはないんです。本当は書きたくないんですけどぉ……感想薄いよっ!何やってんの!?
と言うわけで感想下さい。もっともっと下さい。良いじゃないの減るもんじゃあるまいし。
読者のために書いていきたい。感想書いてくれるならー。
ここで一首
感想を
書いてとしつこく
言ったから
皆が感想
書いてくれたからこれからもしつこく感想書いてくれとおねだりしたいと思います。
感想、書いてください。名は体を表す