詭弁ですよ!霊夢ちゃん! 作:名は体を表す
一か月ぶりの我が家ーと家に戻れば、なんと埃一つ無い綺麗な家が!
「え、妹紅先生が掃除してくれたんですか……?」
「私がそういう事するようなタチに見えるか?」
「いえ全然。自分の部屋すら掃除しなさそ”ぅ”っづいっ!!!」
「正直で結構。ちょっと炙ってやろうははは」
「火気厳禁っ!」
家の中で妹紅先生がタバコを吸っていた。はて、では誰が家を掃除したのかしらん。
「……ま、お前が思っている以上にお前の事を心配してるヤツが多かっただけさ」
「うう、一ヶ月家を空けるだけで誰かが掃除してくれるなんて……ありがたい限りだよ本当に……」
そうして一月ぶりとなる自分の部屋に戻れば、最低限の家具だけ置いてある殺風景な部屋が目についた。
「……ん?」
詭弁はそのまま部屋中をくまなく
「……あれ?」
「ああ、お前の探してる色本は私が焼いといたわ」
「何をしてくれてるのかなぁ妹紅先生っ!!?」
詭弁は、普段から自分の部屋に隠して置いている素敵本が一冊も残ってない事に嘆き、咽び泣いた。
「あ、それとお前の服をしまっておく箪笥なんだがな」
「まだあるの!?」
「いや、何で女物の服が入っていたのか……聞かせてくれないか?」
妹紅先生の超絶良い笑顔。俺の心臓は縮み上がった。
「あ、その……それは……」
「まさか、まさかとは思うが……人様のモノを盗んできた、なんて言わないよな?」
「盗んだんじゃなくてぇ……正当な取引の対価としてぇ……」
「なら燃やして構わないな」
「めっちゃ構うよ!!?止めてくんない!?」
結果として服は燃やされた。あぁ、妖夢ちゃんの残り香付きが……。
* * * * *
「それで……何故閻魔様がわざわざ此方までお越しになったのかしら?」
「私が冥界に来るのはおかしいですか?」
「いえ、ただあまりにも
「ええ。
「……」
「
「鏡が無くても隠し事は出来ないものねぇ」
「此度
「それで、結果はどうだったのかしら?」
「彼は黒であり白であると判断しました。彼自身は黒、但し彼の周りの者達が彼を白に導くでしょう。故に
「あら、そう」
「……何か言いたげですね?」
「別になんでもないわよー?ただ閻魔様も、恋する乙女の顔をするのねって思っただけよ」
「なっ、なっ……」
「残念ねぇ。あの人がちゃんと死んでたら、永く一緒に居られたのに」
「な、なにを言いますか西行寺幽々子!私は別にっ……そんなことは思っていません!」
「あらあら?誰も閻魔様が
「っ……!!」
「ふふふ、顔真っ赤にして、可愛いわねぇ」
「そこになおりなさい西行寺幽々子!あ、貴方は少しおふざけが過ぎる!!」
* * * * *
永い冬が終わり、里全体にようやく春が訪れた。この時を待っていたんだとばかりに春告精が春の到来を伝え回る。
「詭弁さん!春ですよー!春ですよー!」
「分かった、分かった……」
俺の肩に飛び乗り、その存在を主張する。俺は春告妖のリリーホワイトを肩にのせたまま、溜まりに溜まっていた依頼を片っ端からこなし続けた。
そして日が沈んでいき、夜。博麗神社に着けば、人も妖も入り乱れる宴会が行われていた。中には胆の太い里人連中も桜の元でわいわい騒いでいる。
「やべぇ遅れた遅れた」
「春ですよー!」
快晴の星空の元、幻想郷中から花見という名目で集まった妖怪妖精人間達が揃いも揃って花より団子……否、花より酒と言わんばかりに飲めや歌えのどんちゃん騒ぎ。あ、咲夜ちゃんが一人で料理作って運んでる。
「いえーい呑兵衛の諸君、盛り上がってるかァー!!!」
「「 イエーイ!!! 」」
「太陽のごとく甦る詭弁さんが人里から大量の酒を持ってきたぞ!有りがたく全部飲み干せぇー!!」
「「 いやっほぉー!!! 」」
お前らノリ良いな。
里から引っ張ってきた大八車に乗っていた酒を全て下ろすと、顔を赤くした霊夢ちゃんが飛んできて俺の耳を引っ張る。
「詭弁!!遅いわよ!!」
「痛ててて……霊夢ちゃんもう出来上がってるのか?」
「うるさい!良いからこっち来る!」
「春ですよー!」
幽霊楽団の音楽を聞きながら霊夢ちゃんに引っ張られた先には、今回の異変の首謀者達と異変解決に赴いた者とその関係者が集まって酒を飲んでいた。
「博麗神社って意外に人が多いのねぇ……」
「ん?ああ、少し前から詭弁が何かと博麗神社に人を集めてたからな、花見の宴会やるって聞いて駆けつけてきたんだろ。昔はマジで全然人が来なかったらしいけどな」
「神社なのに参拝客も来ないなんて、霊夢も何をしてるのかしらね?」
「アンタ達みたいな妖怪が居なくなればもっと参拝客も増えるわよ」
「さて詭弁。うちの咲夜がお前を助けたようじゃないか?何か礼の一つでも見せてやればどうだ?」
「話を逸らすな!」
「お礼か……今度一緒にデートしようか。勿論全部俺のおごりで」
「あら良さそうね。近い内、咲夜に休暇を取らせましょう」
「良くないっ!!」
「あら、そんなことを言ったら今詭弁が生きてるのは、私や妖夢が魂の抜けた詭弁の身体の
「お世話とな!?くっ!妖夢ちゃんや幽々子ちゃんと一緒にお風呂に入る記憶が何故思い起こせない俺っ!」
「お風呂には入れてないわよ……」
「えっ?あっ……もしかして『スメルスキー』の方でしたか……?」
「すめるすきー?」
「ああ結構、俺もそういった
「性癖……体臭……すめる、好きー……!?ちょ、違うわよ!?そういう意味じゃ無いわよ!!」
「あ、大丈夫ですよ西行寺さん。人には人の好みというものがあります。まあ、ただ俺は仕事柄ちょっとキツい匂いをさせるわけにはいきませんが、これから西行寺幽々子さんに会う予定があれば多少お風呂に入ることを控えさせていただきますので」
「だから違うってば!!なんで急に凄い他人行儀な呼び方になるのよ!幽々子ちゃんって呼びなさいよ!」
「必死に否定する様が逆に怪しいわね」
「違うもん!」
「……あの幽々子様があんなにはしゃぐなんて……詭弁さん、恐るべし……」
酒の魔力か、話の魔力か。人間と人間以外の境界が限りなく薄くなり、互いに感情をむき出しにして笑い合う。
少し時間が経てば、既に旧友であったかのように肩を組み歌い出す。
「桜桜舞い踊れ~♪」
「いいぞー詭弁!」
「ほら妖夢も」
「えっ、ええっ!?そんな急に言われても!?」
何処までも騒がしく、明るい夜は更けていく。
「……あぁ、この空気。本当に良いもんだねぇ……」
◆
「ギャハハハハ!咲夜ぁー!貴方も何か芸見せなさい!白玉楼の半人前なんかに負けるんじゃないわよー!」
「お嬢様飲み過ぎですよ……」
「あー良いこと考えたわ!咲夜、貴方脱ぎなさい!」
「…………飲み過ぎですよ……はぁ……」
「これがわがやにぃ伝わる
「わははは!」
「んなぁ幽々子ちゃん、ちょっと裏でシケこもうやぁ」
「うふふ~良いわよ~」
「詭弁さん!私もイきます!」
「おーいいぞ~」
「アリス~一緒に歌うぜぇ~」
「なんなのこの酔っぱらいは……」
「あふふ♥️パチュリー様?ナニをしているんですかぁ?」
「べ、別に詭弁なんか気にしてないわよ」
「春ですよー!」
「いえーいヴォーカルは俺に任せろー!!」
「詭弁家秘伝の隠し芸とは、俺自身が独楽になることだ!」
「「「な、ナンダッテー!」」」
「というか詭弁さん増えてるし!」
「でも詭弁だしな」
「詭弁だから増えるわよ」
「『増える詭弁さん』販売中!」
「買った!」
「私も!」
「いや、なんだこれ」
宴はまだまだ終わりを見せない。
風に吹かれ、桜吹雪が舞うのであった。
KA!N!SO!
KA!N!SO!
エキストラストーリーをこなしつつ萃夢想編に行くぞおらァ!
妖々夢編永すぎたんじゃおらァ!
書きたいだけ書いてるから仕方ないな。
今日の詭弁さん
増えた
内訳
・詭弁(本体)
・詭弁(霊体《陽》)
・詭弁(霊体《陰》)