詭弁ですよ!霊夢ちゃん!   作:名は体を表す

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前話はアレでしたが、今話から時間が巻き戻って大体紅魔郷前。


慧音先生のおっぱいはでっけーね!

 時刻は朝。朝食を食べて一日の活力を得た俺は釣り道具一式と斧を担いで里の外に向かう。

 その道中に長くて蒼い髪が見えたので、こっそりと後ろから近づいてその大きな胸にイタズラを……しようとしたところで振り返られたので何事も無かったように普通に挨拶をする。

 

「おはようございます慧音先生」

 

「ああ、おはよう詭弁。……相変わらず里の外に出ているようだな」

 

 慧音先生が顔を顰めながら俺の背中に装備している釣り道具と斧を見る。

 

「まあ俺は戦いの天・才ですから!弱小妖怪程度相手じゃ無いっすよ!」

 

「調子に乗るな」

 

 手刀が俺の頭に落とされる。割と痛い。

 まあ、慧音先生が言いたい事は分かる。幾ら()()()から、()()()()だからと言って、子供が里の外に出る事に賛成したくはないのだろう。里の外に出れば、そこは常に『死』の危険が纏わりつくのだから。

 

 だけど、俺もいい年だ。いつまでも親の元に居ないで、独り立ちする必要がある。そして偶々、俺には外で戦う才能が有った。だから俺は、里の外に様々な物資を取りに行く。それが()()()()だったから。

 ……とは言え、だ。戦う才能があるとはいえ、運が悪ければ、気を抜けば、あっさりとその身を妖怪に食われる。それが怖くないと言えば嘘になる。誰だって死にたくないし、勿論俺も死にたくない。

 

「だから先生!俺とえっちな事を――」

 

「……」

 

 ガッ、と慧音先生の両手が俺の頭を掴み、川のように流麗な蒼き髪が舞い上がる。要するに慧音先生お得意の頭突きが俺の頭に叩き込まれた。

 

「お前は本当に……ほんっとうに変わらないな……!」

 

「んぉぁ……朝なのに星が瞬いて……ッ」

 

 慧音先生の頭突きを食らって立ってられる人間は恐らく俺だけだろう!(キリッ)

 まあ頭に防御魔法と気合いを入れていただけなのだが、ソレらを貫通してダメージを与える慧音先生の頭突きがおかしいと思うなー。

 

「いやぁ先生……冗談抜きにですね、俺ってばいつ死ぬか分からない生活してるじゃないですか」

 

「そうだと分かっているのなら何故里内で働く選択肢を選ばない?」

 

 あーあー聞こえなーい。

 

「ですから俺はなるべく未練の無いように生きてる訳ですよ。俺も男ですからね……子供の一人も残さない内に死にたくはないんです」

 

「ならさっさと嫁でも取ればいいだろう。お前相手なら幾らでも選べるだろうに……」

 

 聞ーこーえーまーせーん。

 

「ですから是非とも先生と一晩」

 

「するか!」

 

 二度目の頭突きが炸裂。俺の頭陥没しそうですわ……。

 

「そんな……だって童貞のまま死にたくないじゃないですか!」

 

「ついに本性表したな……だからお前相手なら幾らでも居るだろう。何故私なんだ!」

 

「そんな事決まってるじゃないですか!俺が慧音先生の事が好きだからです!」

 

「っ!」

 

 俺の頭をがっしり掴んでいた先生の両腕を頭から外し、胸の前で揃えて握りしめる。

 

「初めては好きな人が良いと思う事は……可笑しいですか?」

 

「っ……それは……」

 

「分かっています。慧音先生は半分妖で、俺は人間。生きる時間が違う、なんて事は……。慧音先生の重石にしかならない事は……っ。ですがっ!それでもっ!俺は……俺は……!」

 

「……本気……なのか……?私はお前よりも、遥かに長く生きているんだぞ……?」

 

「はい、俺は―――」

 

「九尾の狐にも同じ事言ってませんでした?」

 

 急に現れた声の方を見れば、凄いニコニコ笑顔の阿求嬢が立っていた。

 え、阿求嬢……貴方いつの間に……。

 

「はてはてー。確かこの前はかの花の妖怪、その前は桃髪の仙人、もっと前は人形遣いにも似たような事を言っていませんでしたかねー?私の記憶違いですかねー?」

 

 ニッコニッコと笑顔で首を傾げながら色々述べる阿求嬢。おい止めろ、稗田の『記憶違い』はちょっとシャレになら―――はっ、殺気っ!!!

 視線を向ければ怒りのオーラを滾らせている慧音先生が……ああ、怒髪天を衝くとはこういう事かぁー。成程ねー。

 

「あの、えっと……違うんすよ慧音先生。阿求嬢はちょっとした熱中症で記憶が曖昧になってるだけっすよ。あーなんか今日は暑いなー。もう夏かー!阿求嬢も水分補給をこまめにネ!」

 

「少しでも」

 

「……あー、センセ?」

 

 

 

「少しでもお前に期待した私が馬鹿だった。それだけだ」

 

 

 

 慧音先生の頭にはご立派な角が二本そびえ立っていた。おかしいな今日は満月じゃないし、ましてや今は朝―――

 

ドゴシャァッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど。要するに里の外に首から下を埋められるような覚えはない、と」

 

「ああ、朝起きてメシ食ったところまでは覚えてるんだけど……なんか気が付けばこうして埋められてるし、鳥妖怪はうるさいしで……」

 

「うーんこれは大事件の香り!『狙われた便利屋!その真相に迫る!』見出しはこんな感じですかねー」

 

「そういう訳で助けてくれ。なんか両手足が縛られてるっぽいから脱出するに出来ん」

 

「え、嫌ですよ。だって記者が事件に直接かかわってしまったらヤラセになるじゃないですか!」

 

「おいテメェ、まさかここで俺を見捨てるって言うつもりじゃねえよな?」

 

「いえいえ見捨てるだなんてそんなそんな。ただ貴方の最期を空から見守ってあげるだけですよ!」

 

「ざけんな天狗ゥ!!?いやぁぁぁ!!誰か救けてェェェ!!!!」

 

 叫び声が遠くまで虚しく響く。哀れ、俺の冒険は此処で終わってしまった。

 

 

 

「……いや、なにしてんのよ」

 

「新手の遊びか?」

 

「たすけてレイマリ!!」

 

「よし、ちょっと針投げる練習でもしましょうか」

 

「私は試作品の魔法薬の実験でも」

 

「ゴメンて霊夢!魔理沙!マジで救けて!」

 

 正午を過ぎ、日が傾き始めた所でようやく二人によって救助されたのであった。

 

 




なお天狗は詭弁が命の危機になったら助けに入るつもりだったもよう。

AQN「詭弁さんはそりゃもう()()()から色んな女の子に声を掛けてるんですよね、ええ。信じられます?妖精にすら手を出すんですよ?」
ブンブン「花の妖怪にも声を掛けたというのは本当ですか?」
AQN「ええ。花の妖怪もまさかナンパしてくる人間が居るとは思わなかったようで、終始タジタジでしたよ」
ブンブン「くっ……それは是非とも写真に収めたかった!」

小鈴「……何で阿求が全部知ってるのとか突っ込んだ方が良いのかな……?」
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