詭弁ですよ!霊夢ちゃん!   作:名は体を表す

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詭弁以外全員Aルート行き!どうなってしまうのか!


そこな月のお姫様、月を返してくださいな。

「姫様っ!なんで奥から出てきちゃったんですか!?」

 

「そりゃあれだけ文明的な爆発音が聞こえたら様子見くらいするでしょ?」

 

「姫様を取り戻しに来た月の使者かも知れないじゃないですか!!」

 

「今時あんなド派手な音を撒き散らす兵器なんて月に存在しないでしょ」

 

 ウドンゲちゃんがようやく俺の上から退き、パンツをしまい、立ち上がった。

 ……大丈夫?俺の服にアンモニア臭のする液体掛かってない?

 

「だから漏らしてないってば!」

 

「ほんとにござるかぁー?」

 

 証拠はバッチリカメラで捉えてるんだからな?

 

「いつの間にそんなもの撮ってたの!?」

 

「因幡、大事な話をするからちょっとどいてなさいね」

 

「待ってください!このままでは、このままではお漏らしウサギって呼ばれ続けぁぁぁ~~~!」

 

 ウドンゲちゃんを襖の向こうに投げ飛ばし、ピシャッと襖を閉めたかぐや姫。見た目は普通の襖だというのに、閉じたとたん()()()()()()()()()()()()()()静寂に包まれた。

 

「……さて、これでゆっくり話が出来るわね」

 

「ふぅん、静かな夜より少し騒がしい夜の方が好きなんだが」

 

「あら奇遇ね、私もよ。少し歩きながら話しましょうか」

 

 長い長い廊下を歩きながら会話をする。

 会話の内容は当たり障りの無い事から、最近起きた異変の事、博麗神社で行った宴会で起きた事や、俺が産まれてから起きた様々な出来事。色んな事を話した。

 かぐや姫も話を聞いているだけじゃない。()()()()に産まれ落ちた事、月から追放されてから地上で見聞きした事、『竹取物語』の()()()()()()の事、様々。

 今日会ったのが二回目だというのに、既にお互いがまるで長い時間を共にした友人のように思えた。

 

 長い……永い話の終わりは、『本物の月』で締め括られる。

 

「詭弁、問題よ?『何故、私はこの地から本物の月を隠したのか』正解したら……そうね、月の珍しい物でもあげましょうか」

 

「ふむ……ヒントは?」

 

「無しよ」

 

「むむむ……そうだなぁー」

 

 『本物の月』を間近で眺めながら考える。

 

「仮説1、月人から追われ続けるかぐや姫は、ひょんな事から『次の満月に月より使者が送られる』事を知った。そこで一計を案じ、本物の月と偽物の月を()()()()()事で月の使者がこの地にたどり着けなくした」

 

「あら、中々に()()()()()仮説ね」

 

「仮説2、永い時を月からの逃走生活に費やしたかぐや姫は、その逃走生活自体に()()()()()()()()()()。『気晴らし』『退屈しのぎ』、そんな何かを探し求めたかぐや姫は目立つ事を厭わず『力有る何者か』を此処に招く事にした。永遠とは不変、そして不変は()()に繋がる。()()()()()する為に、この地に新たな『歴史』を紡ぐ事を選択した。『歴史』とは人、そして変化。その手始めとして『月を盗む』という異変を起こし、異変解決に来る者達をこの屋敷に招くことで()()()()()()()()()()()()()()を無理矢理壊す事を企んだ」

 

「ふぅん?()()()()仮説ね」

 

「仮説3、月見団子を楽しみにしていたかぐや姫はふと見上げた満月を見て()()()()()と思い、満月を盗んだ」

 

「ちょっと、貴方の中の私はどれだけ食い意地張ってるのよ」

 

「ああスマンな。俺の中の『姫』像って割と健啖家なイメージなんだ」

 

 冥界の亡霊姫然り、幻想郷の閻魔様然り。映()様もその気になればよく甘味食べてるイメージ。

 

「……ふふ、でも良いわね。月見団子を見て()()()()を食べようかと考える所なんて斬新だわ」

 

「花より団子、月()()()団子ってな」

 

「それで?貴方の中でどの仮説が本命なの?」

 

「さて、どれも()()と言えばアリだし、()()と言えばナシだなぁ。仮説1は、幻想郷は既に『博麗大結界』という大きな結界に覆われているし、『本物の月』を隠す事で使者を惑わそうにも博麗大結界を超える事が月の使者に出来るかどうかはちょい疑問だ。仮説2は新しい『歴史』を取り入れると言ったが現状ではどうにも()()()()感が否めない。『偽物の月』に入れ替えずとも、そのまま『本物の月』だけ奪ってしまえば誰にでも異変が分かる。それこそ敏感な妖怪以外にだってすぐに異変解決に向かうだろう。何より此処に籠っているより()()()()()()()()方がより新鮮だろう」

 

「……ふふ」

 

「と言う訳で本命はどれかと言われれば、まあ仮説3かなぁ。あってる?」

 

「……残念ね、それは間違いよ」

 

「えー、じゃあなんで本物の月を隠したんだよー」

 

「それはまだ秘密。『かぐや姫の難題』なんだから頑張って答えを探しなさいな。さて……そんな事より()()()を止めているのは貴方かしら?」

 

「ンなぁんか急に話題逸らそうとしてない?」

 

「気のせいよ」

 

「気のせいなら仕方ないな。夜を止めてるのだっけ?それは俺じゃなくて霊夢ちゃん達だな。……多分」

 

「あら、自信無いの?」

 

「この幻想郷には夜くらい止められそうなヤツが多すぎる」

 

「それは……中々に楽しそうな所ね。ああ、もっと早く外に出ておくんだったわ」

 

「そして竹の中に叩き込まれると……」

 

「嫌な事を思い出させないで」

 

「おや、閉所恐怖症?それとも暗所恐怖症かな?まあ光る竹の中がどうなってるのかは知らないけど」

 

「そっちじゃなくて、その後アナタに裸にひん剥かれた事よ」

 

「あー。俺的には良い記憶だから該当しなかったわ」

 

「地上人の考える事は分からないわね」

 

「月人の考える事も分からんな。さて、そろそろ月を返してもらおうか」

 

「良いわよ。でもその前に私の五つの難題―――」

 

 

廻星(かいせい)

 

 

 如意陽輝棒を掲げ、陰気と陽気をそれぞれ増幅し続けていく。陰気と陽気はぐるぐる、ぐるぐると回り続け、巨大化していく。

 日が昇り、月が沈む。月が昇って日が沈む。陰の中にある陽、陽の中にある陰、それぞれが太陽と月の如く昇り沈みを繰り返す。

 天に固定されていた偽物の月が、目の前に鎮座する本物の月が、動き出す。

 

「そして夜が明ける」

 

 朝日が、昇る。

 

 

 

 

 * * * * *

 

 

 

 

 ところ替わって、霊夢、紫、魔理沙、アリス、妖夢、幽々子、咲夜、レミリア、それに萃香全員と戦っている八意永琳。

 

「……ッ!?な、偽の月が()()()()っ!!?」

 

「っ!永夜の術が……破られたですって?」

 

「あ”ー?おい紫!今の言葉はどういう意味だ!?」

 

「夜を止めていたのは貴方だったのね?」

 

「さあ、何のことかしら……って、こんな事するのはやっぱり」

 

「詭弁、よねぇ……」

 

「ああっ!!?そういえば黒幕を倒す事に集中し過ぎて詭弁さんの事すっかり忘れてました!!」

 

「もう、妖夢ったら一つの事に集中し過ぎよ。もっと広い視野を持ち続けなさい」

 

「亡霊、そういうお前は詭弁の事忘れてた訳じゃないだろうな?」

 

「お嬢様、ブーメランが飛んでくるので口を噤んでいた方がよろしいかと」

 

「詭弁……っ!しまった、姫様が!!」

 

「あっ!逃げたぜ!!」

 

「姫?アイツが黒幕じゃなかったの?」

 

「いえ、アイツが犯人の筈……まさか裏で更に糸を引いていた奴が居る?」

 

「それでその()()()()()()()()の所に詭弁が居ると」

 

「くそっ!またアイツに良い所を持ってかれるのか!咲夜急ぐわよ!」

 

「ちょっと萃香、なんでアナタ詭弁の所に居ないのよ!相方でしょ!?」

 

「あ~?何でだろうな?私にも分からん!あっはっは!!」

 

「笑って誤魔化すな!」

 

「あーもー滅茶苦茶よ……。これなら魔理沙じゃなくて詭弁を選べば良かったわ……」

 

「良いのか?私と違ってアイツは大人しくしてるとは思えないぜ?」

 

「……一人で解決に向かえば良かったわ」

 

「と言うかこんな時くらい弾幕張らず足並みそろえましょうよー!!」

 

「そう言うなら貴方から弾幕放つの止めたら?」

 

「ええい異変を解決するのは私!詭弁が解決する直前に横取りだ!」

 

「その前に貴方を倒してあげるわよ子鬼!」

 

「ちょっと!私の通り道に弾幕を張らないでよ!危ないでしょ!!」

 

「あらあら、危ないわねぇ……」

 

「邪魔だ!纏めて吹き飛ばして―――」

 

「あーもう鬱陶しいわね!神霊『夢想封印・瞬』!」

 

「っチィ!!やっぱり脅威は霊夢ね!紅魔『スカーレットデビル』!」

 

「マズっ!?人鬼『未来永劫斬』っ!!」

 

「コッチに!?魔操『リターンイナニメトネス』!」

 

「っ!幻葬『夜霧の幻影殺人鬼』!」

 

「これはっ……死蝶『華胥の永眠』」

 

「ちょっと危ないじゃないの!境界『永夜四重結界』!」

 

「だぁぁ!!纏めて薙ぎ倒す!魔砲『ファイナルスパーク』!!」

 

「うがー!黒幕目の前にして逃がすなんてっ!『百万鬼夜行』!!!」

 

 全くと言って良い程足並みの揃わない人妖達だった。

 

 

 

 

 * * * * *

 

 

 

 

「―――姫様っ!!」

 

 

「どういうつもりよ!私の見せ場を奪うなんて!!」

 

「んぃ、見せるような身体つきしてないだろー?」

 

「はー???私の顔すら見れないで散っていった男が何人いると思ってるのよ!!」

 

「昔々のそのまた昔の苔むした昔話の事を仰ってます?あら嫌ですわーこれだからお年寄りは!!すーぐ『昔は』『昔は』!!昔々言って昔に戻れりゃ世話ねぇなぁ!!大事なのは今と未来だよ!」

 

「昔も今も未来も変わらず超需要のプロポーションよ私は!需要曲線の頂点よ!」

 

「身体に曲線無い癖に()()()()()()だってぇー!?洗濯板の方がまだ曲線あるぜ!」

 

「誰の何処が板ですって!!?あるわよちゃんとなだらかでも立派な丘が!」

 

「はーなるほど!話を()()のがお上手ですこと()()()()ってかぁ!身体締める帯を外したら出てくるんですね()()()()()!」

 

「馬鹿言ってんじゃないわよ!ちゃんと締まるとこ締まった理想のスレンダー体形よ!!」

 

 

「……えっ。何コレ……ど、どうなってるのよ……?」

 

 

「あっ、永琳!えーりん!!この馬鹿に私の身体の美しさを教え込んでやりなさい!」

 

「よっ、珠のような肌!烏の濡れ羽色の髪!まな板!その筋の人には大人気の身体つき!理想のコケシ!」

 

「うわーん馬鹿にしてっ!!!」

 

「? ? ?」

 

 八意永琳は初めて『理解出来ない事』に直面した。

 今まで()()()()()()があっても、その天才の頭脳はすぐに解析し()()()()()()なった。例えすぐに分からない事象でも、理解プロセスの手掛かりは掴む事が出来た。

 だが、今。この瞬間に限っては。脳が()()()()()()()()()のだ。これは永い時間を生きてきた八意永琳にとって初めての事だったのだ。

 そして天才八意永琳が初めて直面した『理解出来ない事』に対する策は……

 

「……邪魔したわね」

 

「えーりーん!?」

 

 『逃避』だった。現状からの逃避。問題を()()()()()()()()()。そうすることで、エラーを吐き熱暴走を起こしかけた自身の脳を守ったのだ。

 

 

 そうして、永かった夜が漸く明ける。

 この永き夜の物語全てを書き記すには、紙が幾らあっても足りない。故に、主に一人の視点からこの話を抄記しよう。日出ずる国に在る楽園の物語。題して―――

 

 

  ―――東方永夜抄

 





抄記――長い文章などの一部を抜き取り書き出すこと。

うん、中々良い感じにまとまった―――はい、最後の奴は思いつきでやりました。特に深い意味はないです。


なんでだろうな。姫様は何故か詭弁に弄り倒されるキャラになってしまった。
ただ詭弁は姫様もちゃんと()()()()相手として見てます。名前呼ぶときは『輝夜ちゃん』なので!

そしてAルート側は皆して()()()()()()なんて行うはずもなく……永琳一人相手に手こずりまくりでした。


ぐーや「詭弁、貴方()()()なのに『本物の月』を間近で見て狂わないのね」
クズ「そりゃ勿論。日頃から陽輝棒使って()()の力使ってるのに、太陽の光を()()してる月見て狂う訳が無いだろ?」
ぐーや「そういうモノかしら……それだけじゃなく貴方永琳の秘術である『偽物の月』を割って夜を動かしたわよね?なんでそんな事出来るのよ」
クズ「それもまた陽輝棒の力だな。陽即ち昼、陰即ち夜。そして陽中陰は太陽で、陰中陽は月だ。太陽を見ようとすると眩しくて目を閉じるだろ?そして月は夜空で輝くモンだ。故に陽輝棒を使って陰と陽を増幅し、ぐるぐる廻し続ける事で空を動かせるようになる。小さな歯車がもの凄い回転すれば大きな歯車を動かせるようにな。まあ勿論、あの時()()()()()()()()から出来たんだがな」
ぐーや「……ちょっと待ちなさい。つまり()()()()()()()()()って事?何故()()が出来ると思ったのよ?」
クズ「それは……あれ?なんでだ?」

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「両方」やらなくっちゃあならないってのが「読者」のつらいところだな
覚悟はいいか?オレはできてる
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