詭弁ですよ!霊夢ちゃん!   作:名は体を表す

44 / 71
暑い……泳ぎながら水着美女のおっぱいも見たいしおっぱい揉みたい……


炎天下ですよ!

 満開の春は漸く終わりを告げ、妖精や幽霊は落ち着きを見せた。

 そして噎せるような蒸し暑さの梅雨も通り過ぎ、太陽の季節、真夏が訪れる。そして今年の夏はまた一段と……

 

「暑い……っ!」

 

 例年に比べ非常に暑い夏がやってきた。まるで地面のすぐ下で火が焚かれてるんじゃないかと言うほどに暑い。暑すぎて死者が出るぞー……なんて、洒落にならん。

 この暑さで干からびて死ぬジジババ達が居ないとも限らないので、里中を回って回診染みた事を行っている。

 

「というわけで、この暑い時期は朝起きた時、昼飯と夕飯の食間、夜寝る前にこの薬を飲む事。飲む時は必ず水一杯と一緒に飲むように」

 

「うむ、いつもすまんなぁ詭弁や」

 

「大したことじゃないさ。精々長生きして、俺に金を落とし続けてくれ」

 

「はっはっは。お前なんぞに金を落とすのも今日限りじゃい」

 

 そうして爺さんに丸薬を渡し、代金を受けとる。くくく、ボロい商売だぜ医者ってのはよぉ……!適量の塩と小麦粉を水で混ぜて焼き固めただけの丸薬が金に変わるんだからなぁ!

 精々熱中症にならないように長生きしやがれってんだ爺さん!だから必ず毎日水飲めよ!水の代わりに酒は絶対に駄目だからな!!!

 

 その後里中に丸薬を売りつけ回ってめっちゃ稼いだ。材料費引いて……えーっと、黒……かな……?回る時間を含めると普通に働いた方が……はぁ。

 

 

 

 ◆

 

 

 

 酷暑は続くよどこまでも。氷のエレメンタルを使った冷房器具は一部の金持ち達が大金を払い買い占めた事で、俺の懐具合は非常に豊かとなった。具体的には暫くの間働かなくても良いくらいには。

 そうと決まれば早速夏期休暇を取ることにする。暫くの間便利屋は店仕舞いだ。折角だし、普段から俺の中に居る《陰》と《陽》にも休暇を出して自由行動にさせた。

 

「と言うわけで避暑地にやって参りました」

 

「神社を避暑地扱いするな」

 

 だって実際涼しいんだもん。……幻想郷の中では比較的に、だけど。

 さて、そんな博麗神社だが、俺と同じような考えに至った妖怪達が既に中でダラダラしていた。

 

「んぅぉ~う……詭弁じゃないかー……」

 

「暑……」

 

 神社の日陰には鬼、吸血鬼、妖獣、魔女、その他妖怪達がゴロゴロしていた。

 

「というか鬼なら地獄にも居るんだから熱に強そうなモンだけど……」

 

「暑さと熱さは違うの!」

 

 あーつーいー!と騒ぐ伊吹萃香。

 

「はぁぁー……冥界にでも行こうかしら?」

 

「あー良いねー。幽霊の周りは涼しくなるって言うし、何匹か拐ってきちゃう?」

 

「止めなさいよ。そんなことしたら私が暑い中働かないといけないじゃない」

 

 頭がゆだって来た妖怪達が冥界襲撃作戦を練りはじめ、それを霊夢ちゃんが止める。折角涼みに来たのにこれじゃぁ……あ、そうだ。

 神社の境内の一部を魔法でくり貫き、中を水で満たす。即席プールの完成―――

 

「神社の敷地で勝手なことするな!」

 

「痛いっ!!?ち、ちょっとした水着回の下準備じゃないか!」

 

「また詭弁が訳の分からんこと言ってるぜ」

 

「ちゃんと終わったら元に戻すからさぁ……」

 

「当たり前でしょ!!」

 

 霊夢ちゃんのおおぬさでバシバシ叩かれる。それは鈍器ではないってば。

 

「あら、プールね。久しぶりに泳いでみようかな……」

 

「そうそう!避暑と言ったら()()()でしょ!さ、さ、広く作ったから泳ごうぜ!」

 

 こんなこともあろうかと香霖堂で水着を買っていたのさ!

 

「霊夢ちゃんの分もあるからね!」

 

「なんであんたが私の水着まで買ってるのよ!?着ないわよ!」

 

「用意周到ね……」

 

「お嬢様用の水着を準備しました」

 

「あら咲夜、準備が良いわね」

 

「おい詭弁!私の分はあるんだろうな!?」

 

「ンで俺が魔理沙の分の水着まで準備せなならんのだ!ねえよ!」

 

「一番もーらい!」

 

「あ、ちょ、てゐ!待ちなさい!」

 

 因幡てゐが普通の衣服のままプールに飛び込む。バシャァと跳ねた水が橙に掛かった。

 

「うにゃ~っ!!?」

 

「あははー涼しー!」

 

「くっ……こんなことなら水着を作る魔法でも覚えとくんだったぜ……」

 

「そんな限定的な魔法なんて何時使うのよ……」

 

「ひゃっほー!」

 

 瞬時に水着に着替えた俺もプールに飛び込む。水が冷たくて気持ち良いぜ!やっぱ夏と言ったらコレだよな!

 

「くっ……霊夢さん!その水着使わないのなら私に下さい!」

 

「はあ?嫌よ!だいたいあんたら宇宙人は日の当たらない竹林の奥に篭ってればいいでしょ?」

 

「今の竹林でじっとしてたら蒸し焼きになりますよぅ!お師匠様と姫様は私達に内緒で何処かに行っちゃうし!」

 

「さあ咲夜!プールに向かって突撃よ!」

 

「お嬢様、まだ浮き輪の準備が出来ておりませんよ」

 

「な、無くても泳げるわよ!」

 

「ああ焦れったい!水着なんか無くても鬼は泳げるんだよ!」

 

「おいバカ幼女の全裸に需要は無いから止めろ!」

 

 伊吹萃香が全裸になって飛び掛かってくる。

 いや、待てよ?幼女だが前例(全裸)があれば他の女の子もいっそ全裸で、全裸じゃなくても下着姿で泳ぐ可能性が出てくるんじゃないか……!?よぉし!でかした伊吹ぃ!!

 

「ひゃー冷たぁー!」

 

「パチェも来なさい!そんな物陰で本ばっか読んでると魔女の干物になっちゃうわよ!」

 

「遠慮しておくわ……はぁ、図書館の空調魔法が急に調子悪くなるなんて……小悪魔め、日が暮れるまでに直ってなかったらオシオキよ……」

 

「『遊符 スプラッシュウォータートゥーン』」

 

「ひにぁぁぁぁ!!?」

 

 パチュリーちゃんに向かって手遊びの水鉄砲を放つ。手遊びとは言え、魔力を水に込めた全力だ。凄い勢いで放たれた水が、蛇のようにクニャリと曲がった軌道でパチュリーちゃんの胸をビチャビチャにした。おっふ、ピンクの下着が透けてすけべ!

 

「詭弁っ!!!」

 

「へぇーいパチュリーちゃん!勝負ならプールの中(ココ)で受けるぜ!」

 

「上等よ!待ってなさい!!」

 

「うへぇ、パチュリーの奴が熱暴走を起こしたぜ」

 

 パチュリーちゃんがプンスカ怒りながらプールに飛び込んできた。ひゅー!

 

 俺達の夏はこれからだ!!!

 

 

 

 ◆

 

 

 

 暑い夏のある日、突如本体から休暇を言い渡された。何処の世界に自身の()()()に休暇を出す奴が居るのだろうか。

 

「まー良いんじゃね?普段からわりと自由にしてる気もするけど、今日からしばらくは伸び伸びと自由行動なんだろ?こんな機会もそうそう無いんじゃない?」

 

「まぁ、そうだけども」

 

 《陽》の奴は折角だ、と歌を歌いながら空を飛び回るようだ。何が折角なんだろうか。

 しかし休暇、か。困った事に何もしなくて良い時間というのは苦手だ。……何処かで怪談でも語ろうか。

 そう思いながらふらふら宛ても無く彷徨っていると、魔法の森の入り口に立っている香霖堂の前に着いた。そういえば此処にあるものはどれもこれもが訳のわからない物で、見ている分には良い暇つぶしにでもなるかもしれない。更に店主の蘊蓄も加われば更に時間は過ごせるだろう……まあ、その蘊蓄が役に立つ事は早々無いのだが。なんて贅沢な時間の使い方だ。

 ジィジィと鳴く蝉の声を他所に、香霖堂の扉を開けた。

 

「いらっしゃい、詭弁……じゃなくて《陰》の方か。君一人とは珍しい」

 

「ああ。本体から休暇を出されてな」

 

「……自分の分身にかい?」

 

「そうだ」

 

 これには店主の森近霖之助も呆れ顔である。まあ分からんでもない。

 

「それで君一人で買い物かい?」

 

「何か珍しい物でも有ればと思ってな」

 

 方便である。まあ『ウインドウショッピングに来ました』と言うよりかマシ程度だが。

 

「ふむ……珍しいもの、ねぇ。……あぁ、そう言えば良いものがあるよ」

 

「良いもの?」

 

「少し待っててくれ」

 

 そう言って霖之助は店の奥に向かって行った。ふむ?

 少し待っていると苦しそうな声を漏らしながら、布に包まれている長物を持ってきた。

 

「ぐっ……よ、い……しょっ!はぁ、はぁ……」

 

「どうしたんだそんな重そうなもの」

 

「実際重いからね……これは『方天画戟』と呼ばれる形状の武器に非常に似ているが、用途的には魔法使いの杖に近い」

 

 そう言いながら霖之助は長物に巻かれている布を剥ぎ取る。中身は重厚そうに光を反射する、槍とも斧ともとれるようななんとも言いがたい物が鎮座していた。

 

「コレの名は『気天魔戟』と言い、気とは心、すなわち精神と生命を意味し、天は神の住む世界の事であり、魔は魔法、及び混沌を指す字だ。意味を繋げて読めば『神の世界を人の意思を持って掻き回す』と言ったところだろうか。元となった『戟』と呼ばれる形状の武器の用途も、馬上に居る敵を引きずり落とすところからあながち間違いではないだろう」

 

 単に製作者がカッコいいと思う字面を並べただけのように感じるが……まあ、言わないでおこう。

 

「そして驚くべき事にこの『気天魔戟』には()()()()()()()が使われているんだ。緋々色金はその希少性から、神珍鉄も希少性と重量から加工できる職人が非常に限られているんだが、この『気天魔戟』の芯材に神珍鉄が仕込まれていて、見た目以上に重いんだ。緋々色金は月牙と呼ばれるこの横刃と、持ち手の細工部分に使われている。何が驚きかと言うと、方天画戟は実は以外と最近生まれた武器の形状なんだ。『戟』と呼ばれる形状の武器の改良型の改良型のそのまた改良型の様なもので、当然そこに至るまで長い時間が掛かり、『方天画戟』の形状が出来たのは10世紀くらいだそうだ。三国志で有名な呂布が使っていた武器が方天画戟だという書物もあるがそれは後世の創作で、実際にはもっとシンプルな武器を使っていたそうだ。……おっと、話が逸れたね。要するに()()は方天画戟の『援』『胡』『内』『搪』の四種の用法に、離れた相手にも戦えるように『術』の用法を加えた武具なんだ。大陸では遥か昔から『五』に強い関心が向けられていて、五行思想なんかは特に有名だね。『気天魔戟』は『援』『胡』『内』『搪』『術』の五種の用法によってあらゆる敵を打ち砕く事が出来るように物理的な面と霊的な面から働きかけていて―――」

 

 何処からそんな蘊蓄が出てくるのか。もはや妄想としか思えないような角度から道具を語る霖之助に、意識が遠のきかける。蘊蓄を聞きに来たのが目的なのに、話半分にしか聞いてないというのもどうなのか。

 

「―――そういう訳でこの『気天魔戟』が作られたのは数百年程度前ぐらいだと思うんだが、それでもいくつか理解できない点もあるんだ。まず、何故これの製作者は神珍鉄と緋々色金の両方を加工する技術を持っているのか、そして『気天魔戟』を作って何を成そうとしたのか、の二つだ。遥か昔ならともかく、神珍鉄も緋々色金も今となっては希少すぎる金属だ。それを加工して作り上げたのが、扱う者を選ぶような使()()()()()()()()()を必要とする方天画戟。しかも更に()()()()()()()()()程に重いときた。そんな扱いにくい物を何故態々、しかも希少すぎる金属を使ってでも作り上げたのだろうか」

 

「『試しに作ってみた』程度じゃないのか?」

 

「試しに作るにしても、基本的には金属は再利用可能な資源であり、また希少なモノである神珍鉄と緋々色金をそのまま放っておくかい?ましてやそんな貴重なものが易々と『幻想入り』するとはあまり思えないんだ」

 

「なら試しに作ってみて、そしてそのまま放置する事が出来る程度にその神珍鉄と緋々色金がありふれているような場所で作られたんじゃないか?忘れられた者達が集まる世界(幻想郷)があるんだ。遥か昔に存在していた幻想の金属が集まる世界があったって不思議じゃないだろう」

 

「……ふむ」

 

 そう言った後、霖之助は目を閉じて腕を組んだ。俺が適当に言った説を考慮して、自身の考察を纏めているのだろう。

 霖之助は一度考えはじめると長いんだ。少しの間放っておく事にしよう。

 

 思考の海に沈んでいる霖之助を尻目に、『気天魔戟』と呼ばれた武器を持ち上げてみる。成る程、確かに見た目以上に遥かに重い。長さは約五尺(250cm程)、だが重さは成人男性の3倍以上と言ったところか。非常に重い……が、気力を使えば振り回せない事もない。

 ……まぁ、狭い店内で振り回す事はしないが。持ち上げた気天魔戟をゆっくり戻す。

 ふむ、霖之助はまだ思考の海に浸っているようだ。店内を軽く見回してみる。やはり雑多というか、ガラクタの山というか……。

 ふと、視界の端に大きな鉄塊が映った。いや、鉄塊というよりか、コレは……剣?長さは俺の身長並、幅は俺の肩幅程もあり、厚みも拳一つ分ととんでもないデカさの直剣だ。形状だけ見れば普通のロングソードのようだが、端が余りに厚すぎて切れ味なんて物は無さそうだ。

 

「……ん?おや、それに興味があるのかい?」

 

 思考の世界から戻ってきた霖之助が声を掛ける。興味があるというか、何でこんなモノを仕入れたんだ。というかそもそもこんな無骨な武器類を仕入れてくる事すら珍しいと思う。

 

「それは『巨人の短剣』という名前で、持ちあげられた者に巨人の如き怪力を授けるという呪われた代物だよ」

 

「へぇ……いや、そんな呪われたモンをポンと置いとくなよ」

 

「まあ、そうなんだが……無縁塚からそれを担いで持って帰って来たんだが、そこに置いた直後に全身とんでもない程の筋肉痛が襲ってきてね……下手に動かせなくなったんだ」

 

「それ()()とかじゃなくて単に日頃の運動不足が一気に来ただけでは?」

 

「いいや、求めていない祝福なんて呪いと一緒さ」

 

 しかし、怪力を授ける……ねえ?そんなモンよくまあ無縁塚に落ちてるモンだな。

 

「マジックアイテムの材料に使えるかと思ったんだが、それを溶かそうにもまず持ち上げられなくて……そうだ、それを引き取ってくれるのなら『気天魔戟』を安く売ってあげよう」

 

「体よく不用品押し付けてきやがる。つーか『気天魔戟』も買うなんて一言も言ってないぞ」

 

「おや、じゃあ要らないのかな?」

 

 要らない……なんて事は無い。方天画戟とかめっちゃカッコいいやん……。しかも魔法の杖代わりにも使えるだって?めっちゃ便利やん……。だが、こんな飾り一つ無い無骨な大剣なんて俺には……

 

「今なら『巨人の短剣』を君好みに細工し直してあげよう」

 

「そこまで言うのなら仕方ない。引き取ろう」

 

「まいどあり」

 

 そうしてまずは『巨人の短剣』を持ち上げる。すると『巨人の短剣』から多量の魔力が流れ込み、俺の中で『身体強化の魔法』が発動した。……なるほど、巨人の如き怪力のタネはこれか。非常に重いであろう大剣は、まるで木の棒かのように軽い。

 ふと思いついて『気天魔戟』も持つ。片手には人の身体のように大きい大剣、もう片手には大剣よりも更に長い方天画戟。……これはカッコいい。

 

「うむむ……元の肉体が強い程強化率も高くなるのか。まさか気天魔戟を片手で持つなんてね」

 

「外で素振りしてみていいか?」

 

「ああ、良いよ」

 

 両手が塞がっている為に魔法で香霖堂の扉を開ける。魔力の流れがかなりスムーズだ、良いぞ。

 両手に巨大な武器を持って、軽く振り回す。その武器の重量によって、振る度に空間が唸る音が響く。だというのに、自身に感じる重量はそれほどでもない。うーんこれは破壊力に期待できますね。

 巨人の短剣を立てて、思いっきり振る。すると空間をぶっ叩く様な手ごたえと共に暴風が産まれ、真正面の空間を薙ぎ払って行く。強い。

 気天魔戟を構え、ひたすら高速で突き出す。真空波が伸び放題だった雑草を刈り取っていく。強い。

 

「……弾幕ごっこどころか普通の戦闘じゃ使えないな。相手が死ぬという意味で」

 

 いや、無論手加減なんて不要な程に強い相手(風見幽香とか)ならむしろ積極的に使っていきたい所存。……だが、魔力の消費が思った以上にデカいな。

 

「うん。傍から見ただけの意見だけど、気天魔戟の魔力伝導率が《陰》自身の身体よりも遥かに高いせいで普段以上の魔力を消費しているみたいだね」

 

「魔力伝導率?」

 

「要するに、いつも以上に強力な魔法を無意識で使っているという事さ。本来の『魔法の杖』の役割ってのは、自身の力量以上の強力な魔法を安定して使えるようにするための制御装置であり、ブースターでもあるんだ。腕の良い魔法使いにとって無くても良いモノだが、それは単に自分の肉体以上に魔力伝導率の良い素材が早々あるものじゃないからだね」

 

「分かったようで分からん」

 

「君の身体を水の入った樽で例えると、魔法を使う時は魔力……樽の中の水を外に排出するようなモノだ。樽に穴を開ければ、当然中の水が出てくる。個人の才覚によってこの穴の大きさは変わる訳だが、良い『魔法の杖』を使うとこの穴が広がる。穴が広がれば、当然中の水が排出される勢いが増えるだろう?排出される水の勢いがそのまま魔法の威力になる」

 

「なるほど。そして水の勢いが増えたとしても、樽の中身の総量は変わらないから結果的にすぐ中身が空になる……と言う事か」

 

 その例えで言えば、穴を広げたり絞ったりする事は訓練によってある程度操作は出来るが、元々の穴の大きさが広がれば絞る感覚も少し変わってくると言う事。慣れないうちは余計な魔力を消費する、と。

 まあ、非常時のブースターが出来たと思うか。

 

「うん、良い物だ。ありがとう霖之助」

 

「いやいや、ちゃんと代金を払ってくれるんならこういったモノを幾らでも見繕ってきてあげよう」

 

「……ちなみに気天魔戟は幾らぐらいになる?」

 

「希少な神珍鉄と緋々色金が使われた高価な逸品だ。そうだな、巨人の短剣の引き取り費を差し引いて……こんなものかな?」

 

「……っ」

 

 霖之助が提示した金額に絶句した。その金額は、本体が金持ち達に売りつけて稼いだ大金とほぼ同額だった。お、俺の一存で決められる金額では……だが、気天魔戟は間違いなく良いモノだ……巨人の短剣と共に俺の新しい装備として申し分ない……くっ!

 

 

 

 

 俺達の夏季休暇は僅か一日で終了した。

 

「お前マジ覚えておけよ《陰》テメェ自分ばっか良いモン買いやがって!俺にも何か買いやがれください本体っ!」

 

「タダ同然の物しか買えないのでNG。くっ……結局着てくれなかった霊夢ちゃん用の水着なんて買わなきゃ良かった……だけど万が一着てくれるという未来が訪れた時に悔いが残るし……ええい!なんでこんなクソ熱い日に働かなきゃいかんのだ!」

 

「すまん……」

 

 本体は猛暑で暴れまわる妖怪の退治に、《陽》は山菜取りに、《()》は大量の木材を担いで里の大工に納品に。

 正に三倍力となって必死で働いた。暑さ寒さとは無縁だと思っていたのだが、この猛暑の中で働いたせいか幽霊だというのに汗が止まらなかった。

 

 

 太陽は今日も燦々と強く幻想郷を照り付けていた。




唐突な強化フラグ。
だって両手武器を両手に担ぐってめっちゃカッコいいんだもん(脳溶)

どうして過剰なまでに武装を強化するんですか?(電話猫)


・気天魔戟
元ネタはあると言えばあるし無いと言えば無い。どこぞの魔王専用理力の杖は関係ないと言えば無いしあると言えばある。
神珍鉄が心材に使われている為非常に重く、普通の人間では持ち上げるだけで精一杯である。霖之助は半妖だから何とか持ち上げられた。
武器としての性能は高く、魔法の杖としての機能を持っている事から武器の届かない様な遠距離であっても高火力を発揮できるだろう。十全に扱えるだけの筋力と技量があればの話だが。

・巨人の短剣
元ネタはあると言えば(ry
持ち上げると高レベルの身体強化魔法が自動で発動する。ただし筋肉痛には注意。
剣と名が付いているが切れ味は皆無。ほぼ打撃武器。ただし重量が見た目相応なので、思いっきり振り回せば相手を叩き切る事も出来なくはない。

どちらも詭弁じゃなく《陰》の所持武器ですので、陽輝棒並の出番はないかも。

どうして出番の無い武器を出したんですか?(電話猫)

詭弁には消費が超激しい超人モードが搭載されました。
《陰》には消費が激しい魔人モードが搭載されました。
《陽》には……何が良いんだろうか?

もう8月も終わるというのに夏は続きますね。気温もなかなか下がりませんが皆さま熱中症にお気を付けください。
感想ください。
熱帯夜も続き、エアコンをつけっぱなしにする事も多々あるとは思いますがエアコン風邪をひかないようお気を付けください。
評価ください。
水を飲みすぎてトイレが近くなり、間に合わず社会的に死ぬ事もあるかと思いますが生物的に死ぬよりかマシなので水をガンガン飲んでください。
ここすきボタン押してください。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。