詭弁ですよ!霊夢ちゃん!   作:名は体を表す

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夢で、神様?から「両親の御不浄を清めれば中吉。その為にあらゆる縁を一旦繋げ直した」みたいなお告げが下り、実家に帰ってトイレ掃除したら昼飯と夕飯がそこそこ豪華でした。なるほど、中吉。


詭弁君は男ですから『弾幕ごっこ』は苦手な上に積極的に行いません。
具体的には大体2~3面ボス程度の実力。


異変解決ですよ!霊夢ちゃん!

 最近凄い気絶している気がしている今日この頃なんですけども。

 

「さっき見た天井だ」

 

「あっ、目覚めましたか!」

 

 目が覚めれば紅魔館の客室に寝かされていた。

 寝ながら辺りを見回すと、門番のメイちゃんが椅子から立ち上がって俺に向かってくる。

 

「メイちゃん、俺はどれくらい寝てた?一時(2時間)くらい?」

 

「え、はい。確かに大体それくらいですね」

 

 気絶することに慣れすぎて、時間の進みが気絶していても大体察せるようになってしまったのは喜ばしいことか……?

 そしてふと、幻想郷を覆っていた紅い霧の気配が消えている事に気が付いた。

 

「メイちゃん、紅い霧の異変はどうなった?」

 

「……はい、お嬢様が博麗の巫女に敗北し、霧を収めました」

 

「そうか、やっぱりなぁ」

 

「やっぱり……とは?」

 

「んぅ……俺は吸血鬼の『本気』は知らないけど、霊夢ちゃんの『本気』は知ってるんだ。逆立ちしたってあの吸血鬼じゃ霊夢ちゃんに勝てないって思ってた」

 

「そ、そこまでですか……」

 

「ん…………んん?」

 

 少し離れた場所に巨大な妖力を感じた。この妖力はあの吸血鬼のもので間違いない……あれぇ?

 

「えっ、レミリア・スカーレットってまだ生きてるの?」

 

「えっ……そ、それはもうピンピンしてますけど……」

 

 霊夢ちゃんがあの吸血鬼を()()()()?倒し損ねた……にしてはメイちゃんも『ピンピンしてる』って言ってるし……少し待て。俺は何か勘違いしている気がする……。

 

「んにぃ……なあメイちゃん。そういえば魔理沙と『弾幕ごっこ』で勝負してたな?」

 

「え、はい。侵入者相手にはソレで勝負をつけろ、とお嬢様から命令を受けてました」

 

 そういえば、昼にあの吸血鬼に会った時に『スペルカード』を見せた時、あの吸血鬼は()()()()と言ってた。弾幕ごっこ自体、少し前に霊夢ちゃんがルールを創ったばかりだ。珍しく霊夢ちゃんが俺にプレゼントしたと思ったらタダの紙でがっかりしたのは記憶に新しい……じゃなくて。

 幻想郷全体に影響を及ぼす吸血鬼の異変に、一枚噛んでいる妖怪の賢者……はっ!その時俺の灰色の脳細胞に電撃が走るッ!!

 

「あばばばば!!!」

 

「ひっ、詭弁さん!?急にどうしたんですか!!?」

 

 脳細胞に電撃が走るというか、完全に全身に電撃が走ってる!!

 思考回路が割とショートした所で洋室の空間が()()、そこから八雲紫がぬるぅと降りて来た。

 

「ふふ……()()()()男は早死にするわよ?」

 

「っ!妖怪の賢者……何の用ですか」

 

「ば な な」

 

「忠告に来ただけよ……()()()()()に辿りついてしまった不幸を恨むことね」

 

「……貴方が詭弁さんを……っ!」

 

「ウェ~~イ」bb

 

「……『弾幕決闘』或いは『スペルカードルール』。コレが広まることで、より人と妖の間が縮まるわ。詭弁、貴方のような()()()はいずれ無用になるわ」

 

「詭弁さんが……必要悪?どういう事ですか……?」

 

「貴女は知らなくて良い事よ。『異変がスペルカードルールによって解決された』という前例は、妖怪達が簡単に人々を脅かし、人は妖怪を打倒する。畏れ退治する、昔のような妖と人との在り方に戻るの……()()()()()としてね」

 

「 エビフライー 」

 

「…………今までは選ばれた僅かな人間が妖怪達に『畏れ』を与え、その他の人間達は安全圏で恐怖を忘れた生活を送っていたわ。だけど、それももう限界だった。忘れられ、畏れを失った妖怪は消える定め。だけど無暗に妖怪が人間を襲っては、あっという間に幻想郷から人間が居なくなってしまう。……それを防ぐために、詭弁のように『里の外で活動する凡人』が必要だったわ……」

 

「モヤシ(裏声)」

 

「あの、そんな(シリアス)より詭弁さんはコレ元に戻るんですか……?」

 

「そ、そんな強い電撃流したつもりじゃないのよ……?」

 

 アホになった俺の頭に気を流して治療を図るメイちゃんと、両手を俺の頭に添えて何かをしている八雲紫。

 そして隙だらけになった八雲紫のドレスを捲り上げ、中身を確認するアホのフリをした(賢者を出し抜く)俺。

 

「こちら詭弁!中身確認しました、黒です!」

 

「えい」

 

 俺の頭に添えられてた両手は、妖怪特有の怪力によってそのまま締め上げられた。あー頭からミシミシいってます!あー!

 

「意地でも離すかコノヤロォ……!!!」

 

「そこは離しなさいよ!!謎の意地を張るなっ!あっちょ、止めなさいっ!」

 

 頭を締め上げられながらも更に紫のドレスを捲り上げ、下着を完全に露出。そして更にヘソの穴まで見えた。

 

「いいかぁ……っ!人間には、死ぬと分かっていても先に進まなきゃいけない時があるッ!!『Plus Ultra(プルスウルトラ)』ァ!!!!」

 

「それは絶対今じゃないわっ!キャーっ!離しなさいッ!離せッ!!」

 

 頭が割れる音がするが、ついさっきまでメイちゃんから気を流して貰ってた為か割とまだイケそう。

 更にグッと捲り上げる手に力を入れ、遂にゆかりっぱい(下乳)が見えた。

 

「やはり貴様ッその恰好ならしてないと思ったぜッ!ブラっ!!!」

 

「言ってる事やってる事何一つカッコよくないわよこのスケベ男ッ!!!!はーなーしーなーさーい!!!」

 

 刹那、俺の頭の中の悪魔(レミリア)が囁く。『YOU、()も確認しちゃいなYO!』と。

 同時に俺の頭の中の天使(霊夢ちゃん)が囁く。『ついでに胸もイっちゃいなさい!』と。

 

了解(わか)ったァ!!!」

 

「いや何がよぉ!!!?」

 

 ドレスを右手で捲り上げながら左手を八雲紫(黒)に伸ばす。抵抗するように八雲紫が左手を押さえるが、頭を締め付けてた手が離れたために俺の身体の自由が復活。そのまま押し倒すように全身を使って八雲紫を攻める。

 

「い、けぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!」

 

 僅かな隙を突いて俺は遂に八雲紫の栄光(右胸)を掴み、八雲紫(黒)を引き下げる事に成功したっ!確認しましたッ金です!!!

 俺の、勝ちだァァァ!!!!

 

ガチャッ

 

「詭弁、さっさと帰るわ―――よ……」

 

 扉から現れた霊夢ちゃん(本物)と目が合う。

 刹那、俺の頭の中の悪魔(レミリア)と天使(霊夢ちゃん)が親指を立てながら消えていった。

 

 

『夢想天生(拳)』

 

 

 紅魔館から一人の人間が飛び出し、霧の湖を越え、妖怪の山を越え、幻想郷の端の端、魔界の入り口の扉に突き刺さったが、ついさっきまで広がっていた紅い霧を不気味がって、人妖神誰もが塒に隠れていた為に誰も確認していなかった。

 つまり誰も詭弁の死を確認していないから量子論(シュレーディンガーの猫)的に詭弁はまだ生きていたのである!!(暴論)

 

 

 

 

* * * * *

 

 

 

 

 人里では紅い霧の異変、『紅霧異変』の解決を祝って宴会を行っていたようだが俺は参加してない。出来なかったと言おう。

 ……俺も酒呑みたかったなぁ。

 

「全身粉々で何言ってんだお前は」

 

「先生、知ってます?酒は百薬の長って言うらしいですよ?」

 

「そうか、じゃあ私じゃなくて酒に看病してもらうといい」

 

「待って先生ごめんなさい!!!」

 

 全身の骨という骨が粉々になり、立つ事もままならない俺は今自宅で慧音先生に看病してもらっていた。

 

「なんでお前そこまで全身粉々で死んでないんだ?」

 

「うーん、何でも俺は蓬莱人より不死身なんだそうで」

 

「んな訳ないだろ」

 

 人の家でタバコ吸っている白髪の少女は藤原妹紅。永遠を生きる蓬莱人なんだとか。まあ俺にとっては生まれた時から変わらないご近所さんなのだが。それと里の外での『生き方』を教えてくれた先生でもある。

 

「御免下さい」

 

「ん?誰だろう、私が出てくるよ」

 

「あ、お願いします慧音先生」

 

「また女か。詭弁お前外出るたび女引っ掛けてないか?」

 

「やー、女の子の姿をした妖怪だらけなのが悪いと思います」

 

「そう思ってんなら誰彼構わずセクハラかますの止めろ」

 

 ……入口から慧音先生の怒り声が聞こえる?

 

「どうしたんですかね」

 

「ふぅー……寝てろお前は、私が見てくる……っ!?」

 

 妹紅先生が吸っていたタバコを置いて腰をあげた瞬間、気が付けば俺を見下ろすようにメイド服を着た銀髪の少女が立っていた。

 

「やっぱり居たわね。お嬢様がお呼びよ」

 

「んぅ?お嬢様ってレミリア・スカーレットだよな……遊ぶ約束したっけ?」

 

「ただの人間相手に()()なんてしないわよ。契約ならともかく」

 

「……お嬢様」

 

 これまたいつの間にか件の吸血鬼がメイド少女の後ろに立っていた。流行ってんの?その登場の仕方。

 

「異変の終わりには宴会をするんでしょ?なのに霊夢のヤツ『詭弁が来なきゃダメ』って言うもんだから」

 

「お、宴会すんのか!行く行く」

 

「詭弁!お前自分がどういう状態か分かっているのか!というか勝手に上がりこむなんて無礼な奴等だな!!」

 

 慧音先生が大股でドカドカ駆けながら部屋に戻ってきた。

 

「勝手に上がってる訳じゃないわ?ちゃんと家主の許可は得てるもの。ねえ詭弁?」

 

「んぉ?女の子ならいつでもウェルカムだぞ?」

 

「ほら」

 

「詭弁お前!遂に子供にまで手を出したか!!見損なったぞ!!」

 

「この私を子ども扱いするなんて、お前の方が無礼だな」

 

 慧音先生とレミリア・スカーレットが睨みあう。俺の家の中で暴れんなよ。

 

「……まあいい。私は寛大だからな、多少の無礼は許してあげるわ。それよりさっさと博麗神社に行くわよ、咲夜」

 

「はい」

 

 パッ、と。いつの間にか俺はメイド少女の背中に背負われていた。いつの間に。

 

「待て、そいつは重傷人だ。勝手なマネはよして貰おうか」

 

「誰の許可を得て詭弁を連れていくつもりだ?」

 

 妹紅先生がもんぺに手を突っ込みながらメイド少女の前に立ちふさがり、慧音先生が部屋の出入口に仁王立ちする。互いの眉間に皺が寄って、臨戦態勢に入っていた。

 

「このレミリア・スカーレットがそうしたいと思えば、誰の許可なんて要らないわ」

 

「霊夢ちゃんから許可貰えなければ宴会出来ない癖に……」

 

 そう呟けばものすっごい目で睨まれた。ぴゅーぴゅぴゅ~♪

 

「慧音先生、妹紅先生。俺は大丈夫だ。むしろ博麗神社なら霊脈ど真ん中だから回復術も使える。怪我の治りも早くなるさ」

 

「く……」

 

「……俺は早々死なないよ、大丈夫」

 

 慧音先生と妹紅先生は、本当に渋々と道を開けた。

 

「最初からそうしておけばいいのよ。さあ飛んで行くわよ咲夜、詭弁」

 

「おい、俺を従者みたいな扱いで呼ぶな。あと里の中で飛ぶと霊夢が本気出してシバきに来るぞ」

 

「……里の外までは歩いて行くわよ」

 

 そうして博麗神社まで運ばれる。その道中にメイド少女……十六夜咲夜と言葉を交わす。

 

「ところで咲夜ちゃん。時々見せる瞬間移動なんだけど、なんかタネでもあるのか?」

 

「さて、どうでしょう。手品のタネをすぐに見せてはつまらないと思わない?」

 

「なるほど一理ある。だけどそれはタネを隠せる上手な手品師が言うべき言葉じゃないかな?」

 

「私は違うと?」

 

「懐中時計」

 

 ボソっと呟けば、ピクリと心臓の跳ねる感覚がした。

 

「……何故そう思ったの?」

 

「さて、どうでしょう」

 

 おどけて言えば、癪に障ったのか俺を背負ったままアクロバット飛行をしだす。

 

「ちょっと!?落ちる!落ちる!俺全身怪我してるんだからもっと優しくしてよ!?」

 

「少し回りたい気分でしたので」

 

 振り落とされないために必死で咲夜ちゃんの身体に抱き着く。あ、意外と……あれ?この感覚は―――あ”あ”あ”あ”

 

「急降下しますわ」

 

「酔うぅ!酒飲む前に色んなもん出るぅ!!」

 

 そうして博麗神社に到着した時には息絶え絶えとなっていた。

 

「(さっきの楽しそうだったわね……私も咲夜にお願いしてみようかしら?)」

 

「きべ……うわ。スゲー顔色だぜ。毒キノコでも食ったのか?」

 

「本当に連れてきたのね……まあいいわ。丁度良い感じに食材あるし、宴会始めましょ」

 




 現在の詭弁は主に肉弾戦特化ですが、小道具や武器等も多用するために咲夜が持っている懐中時計にタネがあると察せました。ただ流石に時間を止めてるとまでは思い至らなかったようです。
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