詭弁ですよ!霊夢ちゃん!   作:名は体を表す

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ダークネスとはまた違った性癖詰め込んでたら遅くなりました。


幻想郷の天候は晴れのちレーザー

 正月気分が抜けきらない冬の日、ふとしたタイミングで天候の変化が凄いことになっている事に気がついた。

 ある日は晴れかと思ったら、直後に雪が降ってきたり。

 ある日は雨が強いなぁと思ったら濃霧に包まれたり。

 暴風雨かと思いきや天気雨だったり。雹が降ってきたと思いきや竜巻が巻き起こったり。もう無茶苦茶だ。

 

 また新しい異変なのだろうか……と考えていたその時の事だった。

 

 

 ()()()()()()()()()()の大地震が発生した。

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

 幸い……と言うべきか、先の大地震及び二次災害によって死んだ人間は誰も居なかった。だがその災害の爪痕は非常に大きく、人里においては倒壊、焼失してない家屋の方が少なかった。

 俺は無事だった里の大工を率いて、荒れ狂う天気の中でも最低限風雨を凌げる掘っ立て小屋を作り続けては怪我で弱った子供や年寄りを放り込んでいく。

 《陰》は妹紅先生の案内で重傷人を永遠亭に運び、《陽》は逃げ遅れた人や倒壊した建物の下敷きになっている人が居ないかを探る。

 

「詭弁さん!」

 

「阿求嬢、無事だったか!」

 

「ええ、運が良かったです。……しかし、コレは……」

 

 阿求嬢の視線の先には、荒れ果てた等と言う言葉では表現し尽くせない程に破壊された人里が広がっていた。

 

「……たった、一日で……私達の住む里が崩壊するなんて……」

 

「……家はまた建てれば良い。ほら、天候が変わる前に避難所に行きな。家はすぐ直せるが、身体はそうはいかないんだから」

 

「……いえ、私は『阿礼乙女』として、この……惨状を、記録する役目があります」

 

「……んぃ。なら、俺の上着を貸す。勘だが、もうじき雪が降りそうだからな。身体壊さん程度にしておきな」

 

「詭弁さん……ありがとうございます」

 

「おぉーい詭弁!」

 

 ふと空から聞き覚えのある声がした……と思った次の瞬間に猛スピードで流星が降ってきた。

 

「無事か詭弁!」

 

「……魔理沙、阿求嬢が着地の勢いですっ転び掛けてるから気を付けろ……」

 

 飛んできた魔理沙の勢いに押され、尻餅をつきかけた阿求嬢の腰を支える。

 

「ぅぁ……ち、近っ……」

 

「……んぅ?どうした阿求嬢、身体が熱いぞ?風邪か?」

 

「い、いえなんでも!!」

 

「詭弁お前……いや、今はそんなことどうでも良い!霊夢がヤバいんだ!手を貸せ!」

 

「なっ、霊夢ちゃんが!?ッ……だけどまだ里を空ける訳には……」

 

 

「詭弁ッッッ!!!」

 

 

 突如響く怒鳴り声に、思わず声のする方向に顔を向けた。其処には俺の竹馬の友こと五福が走ってきた。

 

「人間舐めんなパァンチ!!!」

 

「どゴフッ!!?」

 

 唐突にぶん殴られる。

 

「いッッッてェなボゲェ!!!」

 

「うるせえボケェ!いいか、例えオレ達人間を守る壁や家が無くなろうとも、例え空がブッ壊れてとんでもねえ大荒れ模様だとしてもォ!!テメェなんぞに守られなくても化け物だらけのクソッタレな世界で、両脚使って立ってられるんだよォ!!!思い上がるんじゃねえェ!!!

 

「ッッッ!!ふざけんな!弱小妖怪相手でも真正面から勝てないような奴が、身を隠す家も、侵入を防ぐ壁も、ましてや戦う術も無しにッ!誰かに守られてなきゃ生き残れないヤツが何をほざく!!

 

「だからって『ヒーロー気取り』かァ!!?人間はッ!テメェ()()に全てを押し付けなきゃ生き残れねえほどに弱くねえッ!!!」

 

 気が付けば五福の後ろから多くの人が走ってきていた。

 

「詭弁!テメェが居なくても家の一軒や二軒……いや、十軒や百軒だろうがあっという間に立ててやる!」

 

「最近は妖怪共との小競り合いすら無くて暇してた所だ。里の壁なんて無くても妖怪なんぞに里の人間達に指一本触れさせやしねえさ」

 

「豪雪だろうが大嵐だろうが、人間は天気なんかに負けないよッ!このワタシが直々に炊き出ししてやるさね!」

 

詭弁ッ!テメェなんぞお呼びじゃねえんだ!テメェが()()()()()へ、さっさと行け!!」

 

 里の人々は、未曽有の大異変を前に一致団結した。きっと、この混乱に乗じて襲い掛かってくる様な程度の低い妖怪達相手なら、それこそ()()()()()のだろう……。

 

「詭弁さん……」

 

「……けっ、つまんねぇ小芝居しやがって。ンなら俺は好きにさせてもらうぜ!」

 

「おうさっさと行け行け!」

 

 んまぁそれはそれとして―――――くたばりやがれ五福!!!

 

「ぶげばらァァァッ!!!!?」

 

「五福が飛んだッ!!?」

 

「馬鹿!どう見ても殴り飛ばされたんだろうが!」

 

 世界一のイケメンたる俺の顔をぶん殴るなんて大罪を拳一つで済ませてやったんだ、ありがたく思え。

 

「えぇ……」

 

「阿求嬢、そういう訳で俺は里を空ける。慧音先生が戻ってきたら……まあ上手い感じに誤魔化してくれ」

 

「えっ、あ、ちょっと!?」

 

「上着は貸したままにしとくよ!行くぞ魔理沙!!」

 

「えっ、お、おう!!」

 

 そうして俺達は崩壊した人里を後にして、博麗神社へと向かった。

 

 

 

 

 * * * * *

 

 

 

 

 魔理沙の箒でタンデム飛行し、あっと言う間に博麗神社まで飛んできた……が。

 

「こりゃ酷いな……完全に倒壊してやがる。それで霊夢ちゃんは!?」

 

「倒壊した神社に巻き込まれて―――」

 

「そういうことは早く言えバカ!『博麗式二重結界輸送術(アポート)』!!」

 

 二重結界で押し潰すように、倒壊した神社を片っ端から境内の隅に退ける。生き物は通さないという仕様を逆手にとり、霊夢ちゃんを掘り出した。

 

「霊夢ちゃん!無事か!?」

 

「ッ……ぅ……き、べん……?」

 

 うつ伏せに倒れていた霊夢ちゃんを抱き起こすと、頭を打ったのか意識が朦朧としている上に額から血を流していた。

 すぐさま回復魔法と回復術の合わせ技で治療に当たる。

 

「霊夢!大丈夫か!?」

 

「魔、理沙……詭弁を呼んできてくれたのね……」

 

「喋るな霊夢ちゃん、傷に響くぞ」

 

 霊夢ちゃんの衣服を手早く脱がし、他に怪我してる部分がないか探る。青アザや擦り傷、切り傷、霊夢ちゃんの身体は傷だらけだった。……だが、倒壊に巻き込まれたとしてもこんな細かい傷だらけになるか?まるで少し前まで激しい弾幕決闘を繰り広げたかのような……。

 

「詭弁……ごめん、なさい…………約束っ、守れ……なかっ……た……」

 

「っ……約束なんてどうでも良いだろ!霊夢ちゃんの身体が優先だ!喋らず寝とけ!」

 

「どうでも、良くなんて……ないわ……よ……っ。だって……詭弁の……っ」

 

「霊夢、これでも飲んでろ」

 

 そう言って魔理沙は霊夢に小さな瓶に詰められたポーションを強引に飲ませた。すると霊夢ちゃんの意識があっという間に沈んでいった。

 

「何を飲ませた?」

 

「私特製の回復ポーションだぜ。副作用として凄く眠くなる上にクソ不味いけどな。……で、だ。詭弁、約束って何のことだ?」

 

「……何のことはねぇ、子供の時からの約束事だ。そうか……霊夢ちゃんは負けたのか……

 

「……詭弁?」

 

「なんでもねえよ。とりあえず霊夢ちゃんを安全な場所に寝かせよう。魔理沙、八卦炉使って火を焚いててくれ」

 

「ああ」

 

 魔理沙が霊夢ちゃんの傍で火を焚いているのを後目に、俺は倒壊した神社の廃材を使って小さな家を作った。霊夢ちゃん一人が寝るだけで精一杯の広さだが、それこそ寝るだけなら十二分に快適になるように魔法を使って隙間風一つとて通さず、断熱性の高い家が完成した。

 霊夢ちゃんをその小さな家に運び終えた直後、大雪が降り注いでくる。

 

「くそっ……新年早々とんでもない大異変だぜ」

 

「……魔理沙、悪いが霊夢ちゃんを看てて貰ってもいいか」

 

「あー?それは私に『異変解決に行くな』って言ってんのか?」

 

「……んぃ、そうだ」

 

「へっ、ヤなこった。霊夢が心配ならお前が看てればいいだろ?」

 

「……そうか、んなら―――」

 

「―――()()だ」

 

 俺と魔理沙は弾かれるように互いに距離を取り合い、一枚の()()()()()()を掲げる。

 

「邪恋『実りやすいマスタースパーク』!」

 

「陰符『博麗式幻影陣』」

 

 魔理沙の八卦炉から槍の様に細いレーザーが放たれるが、それを紙一重で避ける。その後超極太のレーザーが放たれて俺を焼き飛ばす……と見せ掛ける。残念それは俺の幻影だ。

 四人に増えた内の一体がレーザーで掻き消えるが、まだ三人居る。各々が弾幕を展開し、魔理沙を撃ち抜いた。

 

「ガァッ……!?くっ……そぉ……」

 

「怪我人をこんなクソ寒い中放置するわけにもいかないからな。霊夢ちゃんを頼むぞ。……さぁ、異変解決の時間だ」

 

 蹲る魔理沙を後目に、天候の異変と大地震の異変の犯人を捕まえる為に動き出した。

 

 震える程の激情に、そっと蓋をして。

 




 詭弁 答弁

幻想郷全域を襲った大地震の異変を突き止めるために動き出す。
天候は??(まだ不明)


まさかの博麗の巫女脱落。異変はどうなる?
さて、そんな訳で一つの山場を迎えようとしています。書きたい事が大詰めだZE☆
べ、別にダークネスの更新にハマってた訳じゃ……ないんだからねっ!

てなわけでぇ~い・つ・も・の♥よろしくねぇ~ん♥












1.
「どんなに美しく咲く花もいずれは枯れ散る。そんな事は分かっているわ。でもね、長く……長く、大事に育て続けた花が、最も美しく咲き誇るその瞬間に……つい、手折ってしまいたくなる。その美しさがいずれ枯れ、散ってしまう前に……その美しさを、()()()()()()()()()()()()()()()()

 そう言って彼女はその手に持っている日傘を投げ捨てた。


2.
「……本当は、貴方が此処まで長く生き残るとは思ってもなかったし、()()()()()()()()()()()()()()()()()。でも今こうして立っているように、貴方は常に私の想定を超えてきた。……それは、貴方にとって不幸な事かもしれないわね。貴方は何も知らないまま、()()()()()()()()()()()妖怪に襲われ、死んでしまった方が幸せだったかもしれない。でも、もう遅い。『幻想郷』が、貴方を求めているの」

 そう言って彼女は虚空からふわりと降り、虚無の空に浮かび上がった。


3.
「……こうして思い返せば、『私』の旅路はとても永かった。あらゆる国々を渡り歩きながら、闘争の世界で生きてきました。今、この場所で立って居るのは……お嬢様風に言えば()()だったのでしょう。この館に来てからというもの、非常に充実した生活を送ってきました。ですが、それももう終わり。やっぱり、『私』は闘争の世界でしか生きられないようです」

 そう言って彼女は立ち上がり、その身を光が包んだ。


4.
「私はこんなんでも、『博麗の巫女』である事に誇りを持っているの。お母さんが死ぬ気で私に教え込んだ『博麗の意思』が此処に残っている限り、私はずっと『博麗の巫女』なのよ。私が『博麗』を辞める時は()()()()()を紫が連れてきた時か、死ぬ時だけよ!」

 そう言って彼女は宙に浮き、陰陽玉を展開した。


5.
「思えば、不思議な縁だったなぁ。()()()の筈なのに、何処か違う。趣味嗜好も違えば、考えも違う。お前達との生活は、まあまあ楽しいモンだったぜ。……だが、俺が目指す先にお前が立ち塞がるってンなら……俺は(お前ら)をぶっ飛ばす!!!」

 そう言って俺達は武器を振り下ろした。

選べ(選択肢によってはBADEND)

  • 1 「だから、私の中で永遠になりなさい」
  • 2 「幻想郷の為に死んでもらうわ」
  • 3 「貴方の手で終わらせてください」
  • 4 「だから本気で、殺す気で来なさい!」
  • 5 「俺の全てを懸けてお前らを超える!」
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