詭弁ですよ!霊夢ちゃん!   作:名は体を表す

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明けましておめでとうごじゃいます。
さむぅい!


そして最後は晴天の霹靂!

 異変は解決しめでたしめでたし、宴会で締める……とはならなかった。何故なら幻想郷は大地震の影響によって東西南北何処もかしこも大惨事。結果的に人死にが無かったとは言え、人死にが無い以外は壊滅的なダメージを与えたのだ。そう、それは当然―――

 

「さ、酒が無いだとォォォ!!!?」

 

「そりゃあの大地震で里の酒蔵がぜェんぶ()()()()になっちまったからなァ」

 

「何とかならねえのかよ!」

 

「無茶()ゥな詭弁。テメェも知っての通り、酒造りにゃ時間が掛かるモンだ」

 

 ―――と、肝心要の酒が調達出来なくなってしまった。酒の無い宴会なんて、脇丸出しじゃない霊夢ちゃんの様なモノだ。

 里の酒蔵は全滅。ならば妖怪の山はどうかと行ってみれば

 

「あー……すみませんね詭弁さん。天狗(ウチ)の酒造所も全滅してるんですよ……」

 

河童(私達)の所も……というか流石に何を置いても酒を守るって程に天狗も河童もお酒狂いじゃないからね?」

 

「んにぃ……」

 

 と、妖怪の山も芳しくない。これでは……これでは宴会が出来ない……!

 

「そ、そこまで絶望する事ですか……」

 

「射命丸には分からんだろう……俺がどれだけ宴会で女の子達にセクハラするのを楽しみにしてるのか……」

 

「すみませんちょっと分かりたくないです」

 

 這いつくばりながら地面に拳を叩きつける。だって……だってここの所シリアスが濃いんだもん……!

 

「せや、地底なら鬼がクソほど居るし酒もあるやろ。強奪してこ」

 

「ちょ、詭弁!?そんな急にキャラ変わる程ォ!?」

 

「というか気軽に地底に向かわないでください!少し前に凄い勢いで地底の妖怪達が侵攻してきた事を忘れたんですか!?」

 

「知らんな、とにかく酒は有る所から持ってくればいいんだ。酒ぇ……えんかいぃ……

 

「どんだけセクハラしたいんだコイツ……」

 

「(にとり、もう貴方がパンツでも見せてやればいいじゃない)」

 

「(ひゅい!?バカ言うなよそういうのは発案者がやれ!)」

 

「(私は宗教上の理由でちょっと)」

 

「(何の宗教だよ!)」

 

 急にイチャつきだした妖怪二人を後目に、地底の鬼達がぶち抜いたと言う旧地獄直通の大穴とやらに向かう。ああ、地底に行ったついでにお空ちゃんのおっぱいやお燐ちゃんの太もも、ヤマメちゃんのケツやパルスィちゃんの鎖骨とかを堪能してくるのも良いのかもしれない。

 

「いやいやいや、思い立ったらすぐ行動するところとか大変好ましく思うけど地底だけは駄目だよ詭弁!!!」

 

「そうですよ!詭弁さんが地底に行ったら今度こそ地上の人妖達が黙ってないですし、仮に無事戻って来れても興奮した鬼達がまた地上に侵攻してくるかも……」

 

「大スクープだよ、喜べよ文ちゃん」

 

「 心 労 で 死 ぬ ! 」

 

 背中側から首に腰にと抱きつかれ引き止められるが何のその。文ちゃんのフワモチとりむね肉が背中に当たるが、そんなことお構い無しに地底行きの大穴に向かう。だからもっと押し付けてきても良いのよ!

 にとり?あぁ……うん、理論は知ってる。

 

「ま、不味い……!詭弁さんが鬼の悪いところに似てきてる……!」

 

「大丈夫大丈夫!地底からちょっと(宴会で飲む程度の量)酒を取りに行ってくるだけだから!」

 

「貴方普段の宴会でどれ程の量の酒を大八車に載せて来てると思ってるんです!?絶対()()()()で済まないですよね!!?」

 

「というか詭弁が地底に言って()()()()で帰ってこれるわけ無いだろ!山の責任問題になるんだからな!?」

 

「ぐぬぬ……人外パワァ全開で止めに来やがって……」

 

 全身ににとりの『のびーるアーム』が巻き付き、更に強い逆風が俺に襲い掛かる。おのれ……俺の邪魔をしてタダで済むと思うなよ……。

 

「貴方のその欲望最優先の所、人としてどうかと思うけど妖怪的には好感が持てるわね」

 

「八雲……紫……!」

 

「はぁい」

 

 空間が裂けた隙間から、ぬっと現れた八雲紫。風の噂では幻想郷がこんなんなってブチギレ発狂したと聞いていたが……。

 

「発狂はしてないわよ……というか誰よそんなこと言ってた奴は」

 

「匿名のモフモフ九尾さんだ」

 

「一瞬で正体が分かるハンドルネームありがとう(藍……)」

 

「それで何の用だ?冬眠してた所に地震で落ちてきた電灯が顔面に直撃してマジおこ起床して式神に八つ当たりしまくった危機感ゼロの八雲紫」

 

「私も堪忍袋の緒が切れる時もあるんですわ?お?」

 

「(あの胡散臭いで有名な八雲紫が凄い顔してる……)」

 

「……コホン。詭弁、私が宴会に必要な酒を調達してくる、と言っーーー」

 

「そういう事は早く言ってくださいよ紫さま靴でも磨きましょうかぐへへ」

 

「おそろしく速い変わり身。私じゃなきゃ見逃しちゃうわね」

 

 後ろで文ちゃんがなんか言ってるが今は気にしない。そんなことより今は酒だよ酒!宴会!

 

「……まぁ、良いわ。それでは宴会のためにお酒を用意します。そのかわり……詭弁、貴方にはやってもらいたい事があります。それは―――」

 

 

 

 

「……えっ、そんな簡単なことで良いの?」

 

「いや詭弁、簡単って……簡単って言うけど、わりと難しい事だと思うんだけど……」

 

「ふふん、俺の手に掛かれば不可能は無いと断言させてもらおうか」

 

「それでは頼みましたわ。勿論、宴会の際には件の天人崩れを連れてくること」

 

「当たり前だ。これは異変解決の宴会なんだから」

 

 そういうことになった。

 そうと決まれば、こんなところで油を売ってる場合ではない。俺は颯爽と自宅に帰った。

 

「……文、どう思う?」

 

「あやや……どうもこうも、詭弁さんはともかくあの妖怪の賢者が何を考えているかまでは流石に。案外何としてでも詭弁さんを地底に向かわせないようにしたかっただけでは?」

 

「そうかなぁ……?」

 

 

 

 

 * * * * *

 

 

 

 

 あれからまた暫く。博麗神社が伊吹萃香の手によって建て直され、人里も同じようにほぼ再建が終わり、霊夢の怪我も完治した事を切っ掛けとして大宴会が開催される事が決まった。

 主催は八雲紫。なんと『外の世界』から持ってきたという()()()()を目当てに、幻想郷の各地から人妖が博麗神社に集まってきた。

 

「よぉ霊夢。怪我が治って何よりだな」

 

「ええ、永琳の薬のおかげでね」

 

「こんにちは霊夢さん魔理沙さん。神社が元に戻って良かったですね」

 

「ん、おう早苗か。そういう早苗ん所は大丈夫だったのか?」

 

「はい。あの大地震が起きた際に、諏訪子様が咄嗟に神社周辺だけ地震を相殺させたんです」

 

「なによ、そんな事出来るんだったらウチもこうなる前に何とかしてほしかったわ」

 

「あはは……『全盛期ならともかく、今は神社周りだけで手一杯』だそうで……」

 

 女三人寄れば姦しいとは言ったもので、さきの大地震での被害を想起させない程度の明るさで会話する巫女、魔女、風祝。更に其処に半人半霊とメイドも後から加わった。

 

「しかし、あれだけ『宴会、宴会』と騒いでいた張本人は何処に行ったんですかね?」

 

「初めてマトモに()()()()して舞い上がってただけでしょ?」

 

「あー……永い夜の異変は……まあ実質ノーカンみたいなものね」

 

「あっ、知ってます!『永夜異変』って奴ですね!里の歴史書で見ました!」

 

「あん時はアイツだけちゃっかり黒幕の黒幕ン所に行きやがって……」

 

 

 

「あー……んで、だ。さっきからすこぉーしだけ気になってるんだが…………あー、なんだ?お前ら全員ちょっと太ったか?」

 

「「「「 ―――ッ!? 」」」」

 

「何を言ってるのかしら魔理沙。紅魔館の瀟洒なメイド長の私が太る訳無いでしょう?」

 

「そ、そうですよ!普段からヨガとか色々運動してる私が太る訳無いじゃないですか霊夢さんじゃあるまいし!」

 

「それどういう意味よ早苗!普段から質素な食生活を意識してる私が太る理由が無いでしょ!?」

 

「わ、私だって重い刀振り回したり大量の食糧を里から冥界まで運んだりで重労働してますし太る理由がありません!!」

 

「ほんとかぁ~?」

 

 そう言ってペタペタと少女達の腹回りを触る魔理沙。

 

「うーん、これは白か黒かで言ったら全員黒だぜ」

 

「白黒なのはアンタでしょ魔理沙!!ペタペタ触るな!」

 

「こ、これはアレです……最近寒いからちょっと越冬の準備をしてるだけで……」

 

「わ、私は幽々子様のお食事量が最近増えてきたので……それに釣られて……」

 

「私はまだ普通よ……ええ……普通……」

 

 少し場面を変えて、境内の端。其処には紅魔館勢が大きなパラソルを広げ、優雅にブランデーを嗜むフランドール・スカーレット。本を読みながら洋菓子を齧るパチュリー・ノーレッジ。焼いた肉を飲むように食べる紅美鈴。魔法を駆使して給仕に回る小悪魔()

 死んだ魚の様な目をしている異様な姿のレミリア・スカーレットの視線の先には、自身の配下と友が居た。

 

「どうしたのよお姉様、そんな蛆が湧いたような腐った魚みたいな目をして」

 

「フラン貴方もうちょっと言葉を選びなさい。貴方に理解できる?信頼している配下と友達がある日急にムクムクと肉を付け始めた時の私の気持ちが」

 

「そうねぇ……好きな人にもっと好かれたいって気持ちなら理解できるかな」

 

「最近(フラン)の成長が早過ぎる件について!!!」

 

 恋は人を変えると言うが、それは吸血鬼にも当てはまるらしい。妙に大人びた表情をする事の多い妹を見て謎の焦燥感に駆られる姉の威厳は何処へ向かうのか。

 

「モグ……モグ……ぅ、吐き気が……でも、もっと食べないと……」

 

「もっと……もっと肉をつけなければ……うぅ、お腹いっぱい食べるのは好きですが限界以上に食べるのは……」

 

 そして食べれば食べる程()()肉が付いていく、ある意味特異体質の配下と友を見て更に目の色を褪せさせる吸血鬼。その手は自身の虚しい胸元を彷徨っている。

 

「私だって……後百年でもすればあれくらい……あれの半分くらい……やっぱ四分の一くらいは……成長するもん……」

 

「ねえお姉様。『人の夢と書いて儚い』ってお兄様も言っていたわよ」

 

「私吸血鬼だし!アイツが言ったら本当にシャレにならないわ!!!あと貴方も私と同じ血を受け継いでるんだから刺さるわよブーメランが!」

 

「別に良いわよ。身体が大きくならなくても、()()()()で詭弁お兄様をメロメロにすればいいもんね~」

 

同じ大きさ(ミニマムサイズ)な筈なのにこの心の大きさの差は一体何処から生まれたって言うのよぉ!!!」

 

 フランドールの言葉はそれほど大きい声で言い放ったわけではないが、何故か離れた位置に居る筈の人妖達の心にダメージを与えた。

 『む、胸だけではダメなの……?』と大ダメージを受ける門番の妖怪と七曜の魔女。そして更に離れた位置にいる蓬莱人にも同じようにダメージを与えた。

 

「くっ……や、やっぱり無理矢理大きくするだけじゃ詭弁は落とせないのね……」

 

「ですから言ったでしょう姫様。外見を整えるだけでなく内面も磨かねば良い男性は早々寄って来ないと」

 

「うぐっ。う、うるさいわね永琳。私は妹紅とは違って高貴なのよ。でもちょぉっとばかし肉付きが現在(いま)の美的感覚にそぐわないようだから、そっちに合わせてるだけよ……!」

 

「いや、私は貴族の生まれなんだけど」

 

「黙ってなさい妹紅。それに研究一筋~みたいな堅物永琳が、かぐや姫()を差し置いて男心を語るなんて―――」

 

「あら、私も人並みに恋をした時期くらいあるわよ?」

 

「……へっ?」

 

「『月人』がまだ地上にいた頃にね。あの時の記憶は、何時迄経っても褪せる事はないわ……」

 

「うわっ、お師匠が似合わない乙女の顔をしてるウサプギュッ」

 

「口には気を付けなさいてゐ。何が最期の言葉になるのか分からないわよ」

 

「お、お師匠様の恋のお相手の話聞きたいなー!」

 

「あらイナバ。普段はそういうことに興味ないみたいな顔して、実は内心興味津々?」

 

「そうね……彼に出会ったのは、私がまだ産まれて間もない頃。思えば一目惚れだったわね……きっと、彼も」

 

「えっ、産まれて間もないお師匠様に一目惚れ?それってペドフィプギュッ」

 

 八意永琳と八意永琳の薬によって少し()()()()()()蓬莱山輝夜、藤原妹紅、今は顔が凄いことになってるイナバ二匹。彼女らは大地震によって住処を失ってはいないものの、多くの者が負った怪我の治療薬の材料を取り、薬を作り、各地に運び、と連携してこの災害に当たっていた。そして地震が発生してからつい先程まで働き詰めだった為、肉体的ストレスはともかく精神的なストレス解消の為にこうして宴会に参加することにしたようだ。

 

「……永琳が赤ちゃんの頃とか全く想像出来ないわね。やっぱり産まれた時から天才だったのかしら?」

 

「ええ。母親のお腹の中にいた時から外の声はよく届いてたし、目がちゃんと見えるようになった時から書物の内容を理解できる程度には」

 

「うわ、マジで意味分からんくらいの天才なんだな……」

 

「それで色々な書物を読み進め……私は父親に対して恋心を抱いている事に気がついたの」

 

「待って」

 

「どうしたのよ」

 

「えっ……今『父親に恋してる』って言った?」

 

「それがどうしたのよ?」

 

「近親婚くらい良くあることよ?」

 

「くそっ!このカオス日本神話登場人物共が!」

 

 妹紅が頭を抱えて叫ぶ。

 そうして騒がしく酒をかっ込む永遠亭勢から、少し離れた場所で呑んでいた山の妖怪・神達。

 

「やれやれ……これで完全に元通りー、とまでは行かないけど、山の皆も里の人間達も一応元の生活に戻ったかねぇ」

 

「そうだねー。天災に見舞われた時に信仰心が試される……って言っても、やっぱり人が平和に生きててこその私達だからね」

 

「おいおい、一応私は『戦神』でもあるんだけど?」

 

「五穀豊穣に風関連のあれやそれや、あと()()()()()()()等等。それに加えて『戦神』?属性盛り過ぎじゃない神奈子?」

 

「後半は詭弁が勝手に言ってるだけだろいい加減にしろ!最近更に胸回りが大きくなって色々大変なんだぞ!」

 

「あーハイハイ大変だねー。んで、ブン屋。天狗達の里も一応復旧出来たの?」

 

「ええ、まあ一応主要な施設だけは完全に復旧してますね。ある程度余裕が出来てきたせいか、『異変の犯人を八つ裂きにしろ』と主張する奴らが一定数増えてきて困ったものです」

 

「あはは、当の犯人は大妖怪や博麗の巫女相手にタイマンで勝つ程度に強い上に、()()()()が直撃しても五体満足で生きてる程度に身体が丈夫だってのにどうやって()()()()にする気なのかね」

 

「私も嘘偽り無く記事にしたはずなんですが、どうにも奴らには()()が見えないようで」

 

「……あー、しかしアレは本当なのか?その……あんな……アレに霊夢達が負けたってのは」

 

「写真で見た限り『ものすごいデブ』だったよね!!!」

 

「こら諏訪子!ド直球に言うんじゃない!」

 

 ゲラゲラと笑う洩矢諏訪子。それを嗜める八坂神奈子。彼女達の()()において、過剰なまでに太っているという事と強いという事は決して等号では繋がらなかった。彼女達の知るフィクションでも同じように、太っているという事と優しいという事が等号で繋がりはするが強いという事とは等号では繋がらなかった。(無論強い巨漢キャラは沢山居るが、彼女達の知識は偏っているようだ)

 

「やっぱ詭弁も『柔破斬』したのかな」

 

「諏訪子、お前詭弁を何だと思ってる……」

 

「現に博麗の巫女も大怪我を負いましたし、紅魔館の皆様もかなりの痛手を負ったようです(じゅうはざん……?)。詭弁さんが件の天人をどのようにして打ち倒したのかは気になる所ですが……あっ」

 

「うん?どうしたブン屋」

 

「ああいえ、何でも……(そういえば何故妖怪の賢者は詭弁さんにあのような事を言ったのか)」

 

 射命丸文は一升瓶を呷りながら考える。かの異変の犯人の影響か、幻想郷の一部の少女達の間で()()()()()ブームとでも言えるモノが訪れていた。そこそこ長く生きている身からすれば、この頃妙な事柄が変に流行しているようにも思える。少し前の()()ブームや()()ブーム等。そして今、新しい年が明けて早々にこの()()()()()ブームだ。たぶんここ数日だけで幻想郷全体の平均体重は2~3キロは上昇してる。

 

「(……まぁ、原因は分かりきっているのですが)」

 

 このデブエットブームの先導者と言うべきか火付け役と言うべきか。それは間違いなく先の異変の犯人である『比那名居天子』だろう。聞けば、詭弁に初めて出会った際は()()の体形らしいが、その後何を切っ掛けとしたのか()()()()()()()姿で詭弁と再会したらしい。詳しい事情までは聞き出せなかったが、|信頼できる情報である《天狗特有のゴシップ作成能力をふんだんに用いた》文々。新聞によって幻想郷中に拡散され、『詭弁はデブ専』という認識が広がった。

 

「(まあ私は()()とはハッキリ書いてないですが)」

 

 文々。新聞はあくまでも()()()()を扱う新聞である。だが事実という()()に対して読者がどう受け取るかは知った事ではない。そう、新聞が()()()()()売れやすくなる言葉を用いているだけである。

 

「(紅魔館の門番に、メイド長、動かない大図書館、他にも半人半霊や七色の魔女や蓬莱人、更には本命の巫女まで。ふふふ、()()()()は少なければ少ない程良いですからね……!)」

 

 最後に笑うのはこの射命丸だァァァァ!!!!と背景に独特な効果音が鳴り響きそうな顔をしながら一升瓶を空にした射命丸。その、視線の先には……この宴会の、ひいてはこの異変の『主役』が博麗神社の階段を登りきった所が見えた。

 

「待たせたなァ!!!って先に始めてんじゃねえよ!」

 

「遅刻してきた奴がなんか言ってるぜ」

 

 かの者の名は詭弁答弁。邪魔する者を打ち倒し、異変解決のスペシャリストである博麗の巫女さえ退けた異変の首謀者を退治した張本人。その力は間違いなく幻想郷のパワーバランスの一角を担っている程に()()()()()()()()。その顔は美男子という言葉が誰よりも似合う程に整っており、歩けば10人中9人が振り返るイケメンだ。残りの一人は目が見えていないに違いない。

 

「ったく……異変解決の宴会って名目なんだから、そこは俺達を待てよ。少しぐらいは待てよ」

 

()()()()()は待ったぜ。乾杯の音頭の前に二三言挟んでから乾杯したんだ。待った方だろ」

 

「もうちょっと『我慢』って言葉を覚えようぜ」

 

「『我慢』って言葉くらい知ってるぜ。何だったら漢字で書いて見せようか?」

 

「そういう意味じゃねえよ。ほれ、俺達にも酒を寄越せ」

 

「おう。……で、いい加減お前の後ろに居る奴を紹介してくれてもいいんじゃないか?」

 

「何?もう喋っても良い訳?」

 

 その()に反応したのは数人。その数人全員が声のした方向を見て、目を擦って再度見て、頬を抓っている。

 

「……あの、私は耳がおかしくなった様です。今ちょっと有り得ない人の声が聞こえた様な気がするんですけど」

 

「奇遇ね妖夢。私も耳か……もしくは目でもおかしくなったのかしらね。後で永遠亭に目薬を貰いに行かなきゃだわ」

 

「何よあんた達。まさかあんた達を()()()()()()()の声を忘れたとでも言うのかしら?」

 

 詭弁に付き従うように歩いていたその少女。腰まで届く様な長く美しい青髪に深紅の瞳、頭には桃の実と葉が付いた特徴的な帽子を被っており、着ているロングスカートは遥か大空をそのまま映しているかのように移ろう模様が描かれていた。

 

 

 そして何より、その少女は肥満ではなく()()であった。

 

 

 

ボンッ

 

キュッ

 

ボンッ

 

 

 

 というアメリカンドリームを体現したかのような豹変具合に、彼女のとんでもねぇ姿を知る者は皆夢を見ているかのような*1気持ちになっていた。

 

「自己紹介がまだだったかしら?まあ、ある意味丁度良いわね、一応神社の前なんだし。私は天界に住まう天人『比那名居天子』―――改め、詭弁のの『詭弁天子』よ」

 

 夢なら覚めてくれ。という少女達の願いは届かないようだった。

*1
言うまでも無く悪夢である




恋は盲目だって?当然じゃないか。だって相手を()()()()んだから。
恋から覚めて、ようやく愛に至るのさ。

イクサン「あの、私もお二人の後ろに居るんですけど……」


 詭弁 答弁
幻想郷全域を襲った大地震の異変を突き止めるために動き出す。
天候は流星(りゅうせい)

《陰》
天候は幻日(げんじつ)

《陽》
天候は白虹(はっこう)


緋想天風に天候効果

・流星(気を抜いたら死ぬ程度の天気)
 上空から流れ星が降ってくる。当たるとスゲェ痛い。

・幻日(コンボしない程度の天気)
 全ての攻撃が相手を吹き飛ばす。

・白虹(射撃し放題な程度の天気)
 霊力ゲージが0でも射撃及び飛翔が使える。ガードクラッシュはする。

こんなん考えるのたのすぃ……って人は一定数居ると思うの。
居るでしょ?ねえ。分かって(必死)


感想とか評価とか色々……それらが私の力になるから。だからお願い、力を貸して!!
勿論借りた力は死ぬまで返さないけど。
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