詭弁ですよ!霊夢ちゃん!   作:名は体を表す

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前回の投稿後、スマホの充電部がお亡くなりになってしまった為に執筆速度低下のデバフを受けました。悲しい。
直置きタイプのワイヤレス充電器買いました。安かったです。
使ってみまし……充電出来ねぇぞオラァン!!?


結婚には多くの困難が立ちはだかるとは言え限度ってモンがあるだろ!!

 試合開始の鐘が会場に響き渡った瞬間、天子ちゃんは妖夢ちゃんに飛び込むように斬りかかっていく。

 

「もう!要は片っ端からブッ倒していけばいいんでしょ!あのクソジジイ後でバラバラに引き裂いてやる!」

 

「ッッッ!痩せてもその疾さは変わらないみたいね!」

 

「脂肪と一緒に筋肉もちょっと落ちたけど、軽くなって差し引きゼロよ!」

 

 緋想の剣と楼観剣が火花を散らしながらぶつかり合う。

 そして上空では極彩色の弾幕と炎、氷が激しく舞い踊っていた。

 

「なんかよく分からないけど邪魔するんなら容赦しないぞ!」

 

「それはコッチのセリフです!詭弁さんは私が……!」

 

「最強はあたいよ!凍符―――『パーフェクトフリーズ』!!!

 

 チルノが上空でスペルカードを切った。その、瞬間。

 極彩色の弾幕が。

 炎の弾幕が。

 地上で斬り結ぶ剣同士から放たれる火花までもが。

 

 全てが凍りついた。

 

「な、なァんとォォォ!!?空を埋める弾幕が全て凍りついてしまったァ!!!」

 

「ふむ……隕石による妖精の強化は本当にバカには出来ない様だ。実に見事で美しい光景だ」

 

「つっ、冷たいッ!クソッ、妖精のクセに()()()()()まで凍らそうとしてくるなんてねっ!」

 

「あのチルノがこんなにも……舐めてた訳じゃないけど、より一層気を引き締めなくちゃ……!」

 

 

 

「あ、あたいこんな事出来たんだ……」

 

 

 

「氷の妖精自身も予想外だったァ!?」

 

「まぁ、突如得た力なんてそんなモノだ。この場所限定ながらも強力な力を、墜とされる前に使いこなせれば勝利も難くないだろう」

 

「ふ、フフン!どーよ詭弁!あたいはやっぱりサイキョーねっ!」

 

 炎すら凍てつく極寒の中、元気そうに弾幕を撒き散らすチルノ。でも気付いてほしい。さっきから冷気を纏った弾幕がビシビシ俺に当たってるのよ。

 

「詭弁、『蒼穹の大枷』には多少の攻撃を弾き返す程度の結界を張る力を持ってるから、安心して観戦すると良い」

 

「じゃあ俺と場所代わるかァ!!?」

 

 安心しろと霖ちゃんは言うが、目の前で弾けていく弾幕を見てると不安しかない。これ絶対いつか結界壊れて酷い目に合う奴やん……。

 

「不死鳥を舐めるなッ!『火の鳥 ―不死伝説―』!!!」

 

「おおっと!?藤原妹紅、更に燃え盛る業火で凍った弾幕ごと焼き払っていくゥ!!!」

 

「くく……流石に氷の妖精と言えども炎には敵わないか?」

 

「わわっ!?ま、まずい避けッ―――」

 

 

 ―――――冬符「ノーザンウイナー」

 

 

 突如コロッセオ内に吹き荒れる凍てついた風。凍える風は燃え盛る業火を再び鎮火させ、暴れまわる。

 

「ちょっとちょっとー、楽しそうな事してるじゃないの。私も混ぜてー?」

 

「な、なんと!!ここでまさかの冬妖怪レティ・ホワイトロックが乱入してきたァ!!!」

 

「レティ!!」

 

「こんにちわチルノ、あんまりにも情けない姿だったからつい手を出しちゃったわ。……さあ、冬の恐ろしさを思い知らせてあげましょう。合わせなさいチルノ」

 

「うん!」

 

 ―――厳冬『コールドスナップアクトレス』

 

 弾幕全てが凍り付き、地面に霜が降りる程に冷たい空気に包まれた。更に吹き荒れる寒波によって体温が容赦なく奪われ続け、飛ぶ速度にすら影響を及ぼす。

 吹き荒れる風と共に舞い散る雪と霰の弾幕に、舞台の上にいる参加者は延々と削られ続け―――

 

 ―――『全人類の緋想天』

 

 紅いレーザーによって、レティ・チルノコンビはあっという間に薙ぎ払われた。

 

「くっ……こんな早く切り札を使う事になるなんて……!」

 

 身体中に霜をくっつけたまま緋想の剣を振りかざす天子ちゃん。緋想の剣は前に見た時よりも、その色がくすんで見えた。

 

「比那名居天子、満を持して登場した冬妖怪と氷の妖精を纏めて倒したァ!」

 

「だがその代償は少なくない。あの技は『緋想の剣』に溜まった()()を放つ技故に連発する事が出来ないからな……」

 

「あの()()()を倒してくれてありがとうございます。お礼に私が痛みを無くして貴方を倒してあげましょう!」

 

 ―――華符『彩光蓮華輝掌』

 

 技を放った後隙を逃す事無く、メイちゃんが両手に輝く気を携えて天子ちゃんに突進。その両手で天子ちゃんとすれ違いざまに猛連撃を与え、気を炸裂させた。容赦ねえ。

 しかしその直後に猛火の弾幕がメイちゃんに降り注ぐ。

 

()()()()程度に燃やしてやる!」

 

 だが猛火はメイちゃんに届くことは無かった。メイちゃんに当たる寸前に、空から大量の水の弾幕が降り注いで猛火を飲み込んでしまった。

 

 ―――水符『ベリーインレイク』

 ―――幻幽『ジャック・ザ・ルドビレ』

 

 更に降りそそぐ大量のナイフ弾幕が妹紅先生に突き刺さり、その身を紅く染め上げる。

 

 ―――『リザレクション』

 

「痛ったいなぁ!死ななくても死ぬほど痛いモンは痛いんだからな!」

 

「蓬莱人の血……お嬢様はお飲みになるかしら?」

 

「ケホッ……全く、随分と愉快な催し物やってるみたいね」

 

「パチュリー様!?咲夜さん!?どうしてここに!?」

 

「……別に、幻想郷最強の称号が欲しくて来ただけよ」

 

 空からパチュリーちゃんと咲夜ちゃんが降りてきて辺りを睨むように牽制する。

 

「美鈴、邪魔な奴らを倒しきるまで手を組みましょう。個々で戦い続けるよりか早く終わるわ」

 

「……いくらパチュリー様とはいえ、()()は譲りませんから」

 

「上等。色々終わってから改めて叩き潰してあげるわ」

 

「……美鈴」

 

「咲夜さん。咲夜さんにも負けませんよ」

 

「精々それまでに潰れないでよね」

 

「これはまさかの『チーミング』!!?残虐非道のバトルロワイアルにあるまじき行為!!動かない大図書館パチュリー・ノーレッジ!紅魔のメイド長十六夜咲夜!そこに紅美鈴が加わって紅魔館勢が大暴れだァ!!!」

 

「くくっ……だが勿論これは規則の範囲内。さあ、個々人が個性的な実力者が組んでの大暴れに、他の参加者は如何にして抗う?」

 

 ナイフ、光弾、レーザー、数多の弾幕が参加者達を蹂躙していき、次々と落としていく。だが地に着いても尚皆の目は諦めの色を見せない。体力の有る限り挑み続ける。

 

 ―――魔砲『ファイナルマスタースパーク』

 

 直後、回避不可能な程極太のレーザーが上空から全てを叩き潰すかのように降り注ぎ、空を飛んでいた者達……紅魔館勢含めて全てを焼き落とした。

 

「お前ら、楽しそうだな。わたしも混ぜろよ」

 

 空から箒に立ち乗りしながら現れたのは白黒の魔女。

 

「ここで大胆不敵に現れたのは普通の魔法使い霧雨魔理沙!数多の異変に立ち向かったその実力は並み居る人妖を薙ぎ払うに相応しィィィ!!!」

 

「ま、魔理沙!?なんで!?」

 

「あー?何でも何も、『幻想郷最強』を決めるんだろ?私が居ないのに勝手に決められちゃたまったモンじゃないぜ!」

 

「私も居るわよ」

 

 ―――呪符『ストロードールカミカゼ』

 

 更にアリスちゃんの自機狙い弾幕が大量に放たれ、マスパを食らって地に這う者達を容赦なく狙撃していく。

 

「アリス!お前良いところを奪ってくんじゃない!」

 

「あら、弱った者を叩き潰すのに貴方の許可が必要?」

 

「更に現れたのは七色の人形遣いアリス・マーガトロイド!その知謀で勝利を掴む事が出来るか!!?」

 

 そして次から次へとコロッセオに飛び込んでくる人妖達。

 空間を割くように現れたのはすきま妖怪の式である藍ちゃんと橙。

 騒音を撒き散らしながら飛びこんできたプリズムリバー三姉妹。

 ミサイルと共に飛んできた河城にとりと文ちゃん。

 コロッセオの内側は正に混沌と評するに値する程の混乱に満ち満ちていた。

 

「暴れまわる光弾!!レーザーの嵐!!もはや唯人では立つ事もままならない大乱闘ッ!!!見よ!コレが幻想郷一のド派手な祭りだァァァ!!!」

 

「くくくくっ……!撃ち抜かれて地に墜ちた者も立ち上がる意志(残機)ある限り退場は無い!真の敗北とは諦める者の事だ!」

 

 まるで大量の火薬と花火が詰め込まれた蔵が爆発したかのような光の嵐は、確かに幻想郷一と呼ぶに相応しいド派手な光景だ。光の嵐の中を飛び交う少女達の表情は皆必死で、美しい。

 

「さあ行くわよ!《陽》と共に作り上げた私達の新作!」

 

「ハイテンションでおかしくなっても知らないわよ!」

 

「あまりの光景に言葉を失うかもね!」

 

 ―――『ダイクロイックプリズムフィルハーモニー』

 

「橙、我等は紫様の従者として情けない姿を見せてはならない。分かるね」

 

「はい藍さま!」

 

 ―――『アルティメット遁甲式Illusion』

 

「どいつもこいつも本当に好き勝手しやがって!」

 

 ―――『巨大幻想河童キャノン』

 

「あやややや、本来ならこのお祭り騒ぎを余す事無くカメラに収めたい所ですが……今日ばっかりは()()じゃいられないのよ!」

 

 ―――『葬送無双風神』

 

 超大技と呼ぶべき弾幕があちこちから放たれ、すり潰されないように意識を保っていなければあっという間に身体がバラバラになってしまうのではないかと言う程の暴虐が目の前に広がっていた。

 『無事』な者は誰も居らず、滅多な事では動かないパチュリーちゃんや()()魔理沙、藍ちゃんや文ちゃんと言った大妖怪も、蓬莱人である妹紅先生でさえ常に新たな傷を身体に刻まれ続けている。何が彼女たちをそこまで駆り立てるのか。

 大量の弾幕が俺の目の前に張られた結界に弾けて、その残滓が流れ消える前に更に新たな弾幕が追加される。

 俺の視界には数多の弾幕に撃たれ、倒れて、それでも立ち上がり空に舞い上がる彼女達の姿がはっきりと見えていた。

 

「ンで……なんでそこまでして動けるんだ……」

 

「……それはきっと、キミ(詭弁)が今の今まで立ち上がり続けてきた理由と一緒だろう」

 

 俺の呟き声に霖ちゃんが反応する。

 

「キミが立ち上がり続けてきた理由、それは『欲』だ。過ぎた欲というものは得てして悪に落ちやすい。だが『何かを()する』というのは、あらゆる生き物の行動原理だ。『欲』が強いキミだからこそ、彼女達も感化されたんだろう」

 

「……どうかね。皆元々特に理由も無く大暴れしたがる事もあるだろうさ」

 

 正に()()()という言葉に相応しい程、目の前の光景は荒れに荒れていた。極太のレーザーが辺りを吹き飛ばしたと思えば、直後大量の光弾が飛び交い、巨大な氷塊が降り注いで来ると肝を冷やせばすぐさま業火が氷塊を飲み込む。言うなれば()()()()()だ。

 

「激しい弾幕の嵐によって突貫工事で作ったコロッセオが崩壊の危機!!?舞台全部ぶっ飛ばしてノーゲームは幾らなんでも最悪の終わり方だぞォ!!?」

 

 その時、空気の流れが変わった。

 

「総員射撃用意!撃て(てー)!!!」

 

 パパパパパァンと渇いた音がコロッセオ全体に鳴り響いた瞬間、空を飛んでいた人妖達全員が堕ちた。

 

「な、なんだァ!!?何が起こったァ!!?」

 

「……今のは、まさか……『銃撃』か!?」

 

「詭弁さん!色々言いたい事は有りますが……今はとりあえず全員ブッ○す

 

阿求嬢!!?なんかキャラ崩壊とかそう言うレベルじゃない程の暴言が御口から飛び出てらっしゃいますがァ!?」

 

 コロッセオの観客席から飛び越えて現れたのは、なんとまさかの稗田阿求嬢。ちょっと『おてんば』の域を飛び越え過ぎでは?

 

「こんな事もあろうかと密かに育成していた『稗田射撃部隊』。詭弁さんを除いた、里の退魔師達全てをかき集めて作った甲斐があるというモノです」

 

「ちょっと待って世界観ヤバない?」

 

 コロッセオの客席部から顔を覗かせる沢山の人間達。その数おおよそ20人。その全員が妖しく黒光りする鉄砲を担いで、コロッセオの内側に居る人妖達に狙いを定めている。

 

「ま、まさかまさかの此処に来て()()()()()()が乱入してきたァー!!!?稗田のお嬢様ァ!()()は絶対ダメですからねェー!!?」

 

「ええ分かってますよ。皆さんが担いでいる銃は()()()の麻酔銃ですから」

 

「くく……いくら幻想郷とは言え、20人近い人間達全員に扱えるだけの『銃』を用意するのも、十分な訓練が出来るだけの『弾』を用意するのも難しいだろう……稗田の財力、恐るべしと言ったところか……」

 

 阿求嬢の登場により、皆が倒れて勝負は一気に決まる……事も無く、ごく僅かな者達だけが阿求嬢達の銃撃に抵抗出来ていた。

 

「くっ……不覚を取りましたが、ここで貴方を討てば周りの者達も動揺するでしょう!覚悟!」

 

 妖夢ちゃんは自分に飛んでくる弾丸を全て斬り払いながら阿求嬢に高速で駆け出し、その刀の峰を阿求嬢に振り下ろす。

 

 キィン!!

 

「当然、私も対抗策無く()()()()に飛び込んできません!!」

 

「なっ、嘘ッ!!?」

 

 驚くべきことに、妖夢ちゃんの力強い振り下ろしに対して阿求嬢はその手に持った銃で()()()()()()()()()()()()()()()。阿求嬢は見た目の割には意外と力持ちだが、いくら何でも長く鍛え続けてきた妖夢ちゃんの一撃を受け止めるには力不足だ。だというのに実際はこの通り妖夢ちゃんの一撃をはじき返した。つまるところ考えられる原因は一つしか無い。

 

「阿求が持っているあの銃。銘は『黒きオオガラスの眼』と言い、扱う者に強靭な膂力と視力を与え、どんなに離れた物でも()()()()()()狙い撃つ事が出来る程度の火縄式の銃だ。そこには()()()()()()()の念がこもっていたが、阿求が買い取った後に慧音の能力と合わせて()()()()()()()の正体を明かし、その『名』を未来に残す事を約束する事で『真価』を発揮する事が出来たようだ。阿求が20人近い人達に『銃』と『弾』を用意したのも、その力があってこそ……だ、そうだよ」

 

「なんてモンを阿求嬢に売ってんだ霖ちゃんテメェこの野郎!?」

 

 いつぞや*1にチラッと出た伏線なんて誰が分かるんだいい加減にしろ!

 

「銃弾が効かないのなら……射撃部隊換装!捕獲網投射!!」

 

「っ!?あ、網ッ!!?」

 

 妖夢ちゃんに向かって幾つもの弾丸が撃ち込まれ、当たる直前に弾けて中身の網が飛び出して妖夢ちゃんを捕らえた。

 

()の強さとは『数』です!」

 

「いいや違うね。()()()()()ってのは、数すら打ち砕く『意志』だよ。なあ詭弁?」

 

 空気から滲み出るように伊吹萃香が現れた。

 

「鬼ッ!伝説に語られる百鬼夜行伊吹萃香が今此処に顕在した!!!」

 

「ふむ……噂ではかなりの祭り好きと聞いていたのだが……些か()()()()()()()()()気もするが……」

 

「ん?ああ……ちょっくら『古い仲間』を呼びに行っててね。……まあ、()()()()色々増えたが構わんだろ?」

 

 ひぅるるるるる……

 

 空から空気が割けるような音が響いて、()()()が降ってくるのが見えた。

 

 ズドンッ!!!

 

「っフゥー……萃香、此処が件の会場かい?」

 

「遅いぞ()()。さあ、存分に大暴れしようじゃないか!」

 

 舞台の中央に降って来たのは長い金髪の()()の鬼。特徴だった大きな盃を()()()、両手をパキパキ鳴らしながら立ち上がる。

 

「だ、誰だァ!!?突如空から降って来たのは金髪美女!まさか詭弁はまだ知られていない相手にもコナをかけまくっているのか!!?」

 

「あれは……恐らく伊吹萃香と同じ鬼……だろうか?にしては特徴的な『角』が見当たらないが……」

 

「アタシの名は『星熊勇儀』。詭弁を攫いに来た()さ!」

 

「鬼……ッ!ですが、鍛え上げた『稗田射撃部隊』の敵ではありません!総員射撃用意!撃て(てー)!!!」

 

 阿求嬢の掛け声に合わせて、数多の銃弾が伊吹萃香と星熊勇儀に当たる。だが、弾丸は彼女達の皮膚を一切傷つける事は無かった。

 

「どうした?そんな豆鉄砲でこの私を倒せるとでも?」

 

「アタシに立ち向かった気概()()は認めてやる!だが……うっとおしい!!」

 

 星熊勇儀が派手に現れた際に砕けた舞台の欠片の岩を纏めて掴みとり、客席に隠れている射撃部隊に向けて的確に投げて打ち倒していく。

 

「そ、そんな……くっ、ならっ!『黒きオオガラスの眼』よ、我が敵を撃ち抜け!!」

 

 阿求嬢がその身に似合わぬ程の長さの銃を取りまわし、星熊勇儀に向けてその引き金を引いた。

 

 ガォンッ!!!

 

 とても火薬が炸裂した音には聞こえない様な爆発音が鳴り響いたとほぼ同時に、星熊勇儀の身体がすっ飛んでいった。

 

「うおおおおお!!!?稗田のお嬢様が()()鬼を討伐したかァ!!!??」

 

「はっ、はっ……ど、どうですこの威力ッ!!私だって……詭弁さんと肩を並べて戦えますッ!!!」

 

「……おいおい、ちょっと油断し過ぎじゃないのか勇儀?」

 

「痛っつつ……確かにちょっと油断してたけど、コレくらい大したことないさ」

 

 すっ飛んでコロッセオの壁に大穴を開けた星熊勇儀だが、ケロッとした表情で再び舞台に戻ってくる。

 

「なっ、そんな……傷一つ無いなんて……」

 

「ははっ、中々やるみたいだが……お前の()()は所詮ただの()()()()()に過ぎやしない。詭弁は違う……力、技術、策、道具、様々なモノをかき集めて、纏めて、積み重ねて……そうして得た()()は『厚み』が違うのさ」

 

「随分べた惚れじゃないか勇儀」

 

「萃香も詭弁に角折られてみるか?なんつーか、見る景色が一気に変わった気がするぞ?」

 

「そうだねぇ……()()も良いかも、ね」

 

 そう言って粘着質な視線を俺に投げかける伊吹萃香。おい止めろ俺は無駄に命を懸けた戦いなんぞしたくない。お前のターンはだいぶ前に過ぎただろいい加減にしろ!

 

「さて、邪魔する奴をとっとと排除して詭弁を地底に連れて帰らなきゃな―――うおっ!!?

 

 直後、空からとんでもない程に高出力のレーザーが降り注ぎ、地面ごと星熊勇儀と伊吹萃香を()()()

 空には、優雅に降りてくる幽香ちゃんの姿が見えた。

 

「ここにきて最強最悪!四季のフラワーマスターにしてだいたい週一間隔で詭弁を半殺しにするヤベー奴の風見幽香が現れたァ!!!」

 

「くく……妖怪としての強さが純粋に強い奴だ。弱点らしい弱点もなく、『畏れ』というモノを形にすればああなるように思える程妖怪らしい妖怪だろう」

 

「こんな楽しそうな催し物なのに、私に招待状が来てないなんて可笑しな話じゃない?ねえ、詭弁?

 

「待って俺コレ今日聞いたばかりな上()()()()()で言われても困るッ!?」

 

 鬼二人と幽香ちゃんの取っ組み合いが始まる……と思ったら、空から大量のお札が降り注いできた。空を見上げれば―――

 

「この方抜きで最強は語れない!幻想郷天下一武闘会に飛び込んできたのは楽園の素敵な巫女である博麗霊―――って凄い形相だ!!!?

 

「お、鬼の形相とはこの事だな……くく。あの巫女、その身に()()()()()()()()()を漲らせて……一体何をしてきたのだろうな?」

 

 大量のお札が地面に当たった直後に大爆発を起こし、霊夢ちゃんの絨毯爆撃が舞台上に居た人妖を片っ端から吹き飛ばしていく。

 そして舞台があった所に無事で立っていたのは、霊夢ちゃんと魔理沙、伊吹萃香、星熊勇儀、幽香ちゃんだけだった。

 

「チッ、全員纏めて吹き飛ばしたつもりだったんだけどね」

 

「痛たた……おい霊夢テメェ!覚悟出来てんだろうな!!!」

 

「あっはははは!鬱陶しい奴等も吹っ飛んで気持ち良いくらいだよ!」

 

「角は折れても、アタシの心はまだ折れちゃいないよ!詭弁!アンタを力づくで攫ってってやる!」

 

「生意気な奴等ね。全員残らずすり潰して花の養分に変えてあげるわ」

 

「舞台が吹っ飛んで滅茶苦茶だが未だに戦気は衰えず!最後の一人になるまで終わらない!!果たして幻想郷は無事に明日を迎えられるのかァ!!?」

 

「霖ちゃん、俺もう帰りたい」

 

「君は優勝賞品だからダメだよ」

 

「そんなー」

 

 大空と大地を繋ぐという拘束具がピシピシ嫌な音を立てている。これ最終的に()()()()俺が粉々に砕けなけりゃいいけど……。

 

*1
11話『強化フラグは主人公の嗜みですよ!』




今日はここまで。

ワイヤレス充電器をひっくり返してみたらなんか充電出来ました。分かりづらいんじゃ。説明書に表裏くらい書いておけよなプンプン!

次回予告!

 最強(それと詭弁の妻の座)を決める幻想郷式コロシアム!残ったのはバケモンクラスに強い人間二人に鬼の四天王二人、そして最強クラスの妖怪!
 彼女達が本気の本気で大暴れして幻想郷は大丈夫なのか!?そして詭弁は無事に明日の朝日を拝めるのか!?

 次回!『詭弁、死す!』

 安心しろ、死んでも閻魔の元で休む間もなく働けるぞ!お楽しみに!


 感想、評価、ここすきボタン等ヨロシクな。感想いっぱい来たら作者がめっちゃ頑張ってダークネスの方も頑張るって言ってたウサ。
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