詭弁ですよ!霊夢ちゃん! 作:名は体を表す
本当ならダークネス次元に投下する予定でしたが、ちょっとした諸事情でお試し投稿。特に関係はないですが、かわいそうはかわいいってお話。
独自設定の塊ですが、まあここまで見てくれた方々なら大丈夫ですよね!
「大変です霊夢さん魔理沙さん!なんか色々あって詭弁さんが縮んじゃいました!」
「いやそうはならんやろ烏天狗」
博麗神社の境内に小さな子供を抱えて飛び込んできたのは黒い羽根が特徴の少女、射命丸文。縁側に並んで座っていた博麗霊夢と霧雨魔理沙は『また意味分からん面倒事か……』と若干達観したような目を向ける。
「それで何処から拉致って来たんだ?自首しに来るなんて良い度胸だぜ」
「違いますッ!!本当にこの子は詭弁さんなんです!」
「よう霊夢ちゃんとマリサ。なんかお前達デカくね?」
「アンタが小さいのよ詭弁……ふーん、確かに寺子屋に通ってたくらいの詭弁ねぇ」
「はぁ、それでなんでまたこんな事になったんだ?」
「それがどうにも……詭弁さんに聞いても『気が付いたらこうなっていた』としか」
「俺の記憶では寺子屋から家に帰る途中、気が付けばこうして抱きかかえられていたワケなんだが」
「寺子屋から帰る途中?お前寺子屋になんの用事があるってんだよ」
「用事も何も、勉強の為に寺子屋に通うのは普通だろ?」
「ん?」
「んぃ?」
お互い首を傾げる魔理沙と詭弁。詭弁はその幼い姿故に妙に庇護欲を掻き立てられる。
「……詭弁、アンタ自分が誰か分かってるかしら?」
「当たり前だろ?詭弁家の一人息子にして寺子屋一の問題児。将来100人の嫁を娶る者!」
「あっ、自分で問題児って言うんですね……んん?今なんかおかしくなかったですか?」
「詭弁、お前は里の便利屋っていつも名乗ってただろ」
「んぅ?便利屋?俺が?何言ってんだ?」
「……成程ね、どうやら姿だけじゃなくて
「どういう事でしょうか?」
「何があったのかは分からないけど、今の詭弁は記憶まで子供の時と同じって事よ。最近の出来事の記憶なんて無いって思った方が良いわね」
「ええっ!?じゃあ私と詭弁さんの甘い蜜月な関係も無かった事に!?」
「いつなったか言ってみなさいよ射命丸。ほら。早く」
「あ、その……ちょっとした冗談なので……ごめんなさい」
「霊夢ちゃん、そうカッカしないで。このスカート短いお姉さんも悪気があった訳じゃないんだから」
「スカート短いは余計ですが……ありがとうございます詭弁さん。小さくなっても優しいんですねぇ」
「良いさ、パンツ見せてくれたお礼だよ」
「は?……射命丸、お前……」
「誤解ですッ!!ちょ、詭弁さん!?霊夢さんの犯罪者を見るような目が堪えるんですけど!?」
「ショタコン天狗……」
「だから違いますってば!!!詭弁さん!訂正を!訂正をお願いします!」
「いやぁ、俺の前でそんな短いスカートで飛ぶなんて中身を見てくれって言ってる様なもんだと思って、つい。とても良い白パンでした」
「ッッッ!!?」
「……『誤解』?」
「ち、ちがうんです……わざとじゃないんですぅーッ!!!」
烏なのに顔を紅く染めて逃げる射命丸。
「……なんだったんだ、アレ」
「さあ?」
「それより俺はどうすればいいんだ?急に攫われて此処に来たんだが……」
「……あー、とりあえずウチに泊まっていきなさい詭弁。流石に今のアンタを一人里まで返す訳にはいかないわ」
そういう事になった。
かくかくしかじか。
「んにぃ……要するに俺にとって此処は未来の世界って事か?」
「あー、そうだな。そういう事になる……のか?」
「おー、じゃあ未来の俺はもう結婚してんの?流石にもう一人くらいお嫁さんは居るだろ?」
「…………詭弁、世の中には知らない事が良い事もあるんだぜ」
「どういう意味それ!?」
そうして、夜。
「詭弁、ご飯よ」
「んぉー…………キノコ嫌い」
「好き嫌いすんな」
霊夢と魔理沙と一緒にご飯を食べたり、
「霊夢ちゃんは随分成長したなぁ。どう?嫁に来ない?」
「寝言は寝て言いなさい」
「ははは、霊夢にフラれてやんのー」
「マリサはー……成長、してないね……」
「おうどういう意味だテメェ表出ろ」
「魔理沙、子供相手に大人げないわよ」
「マリサ、大人になっても子供と変わらないわよ」
「ざけんな詭弁テメェ夜空の星屑にしてやる!」
「助けて霊夢ちゃん」
「
「うぐっ……でもよぉ……」
「怒られてやんのー」
「アンタもよ詭弁」ペシッ
「痛っ!」
会話で燥ぎあったり、そうして夜が更けていった。
「……く、ぁ……ぁふ」
「お?おねむか詭弁」
「まだお風呂入ってないじゃないの、お風呂入ってる間に布団敷いてあげるから、さっさと入ってきなさい」
「ん、ぃ……ぉー」
ぽてっ、と畳の上に倒れ込む詭弁。
「はぁー、しょーがない奴だな。私が風呂に入れてきてやるぜ」
「頼んだわよ魔理沙。子供相手に変な気を起こさないでよね」
「起こすかぁ!?」
「冗談よ、冗談。……魔理沙、小さい時の詭弁は寂しがり屋だから優しくしてあげなさいよ」
「あー?コイツがそんなタマか?」
「……頼んだわよ」
「……へーへー、さっさと布団敷いとけ。どうせ明日になったら治るだろ」
そう言いながら幼い詭弁を抱えて風呂場に向かう魔理沙。
「おら、寝るな詭弁。熱々の熱湯風呂かキンキンに冷えた氷風呂に入れて起こすぜ?」
「んみゅ……ん、しょ……」
「一人で入れるか?」
「んぉー……ぉー?」
「ダメそうだな……しょうがない、私も一緒に入ってやるよ」
「さんくす」
「生意気な奴め……」
詭弁と一緒に衣服を脱ぎ、脱衣籠に投げ込む。
「魔理沙様の裸姿なんて大金積んでも見せないんだぞ。有り難がれ」
「ありがたー」
「よし、頭から風呂に突っ込んでやる。そら!」
「ぴゃぁぁがぼおぼっぼおぼぼ!!?殺す気かテメェ!!?」
「おっ、目が覚めたようだな」
湯を滴らせ暴れる詭弁を後目に、悠然と掛け湯をする魔理沙。
「ほら、風呂の中で暴れんな」
「誰のせいだと思ってるん!?」
そうして身体を洗う魔理沙に、湯船の中でぷかぷか浮かびながら魔理沙を眺める詭弁。
「おい詭弁、乙女の肌をジロジロ見るもんじゃないぜ」
「んぃ?つい先日、銭湯の男湯の中まで付いてきたヤツが乙女だって?」
「いつの話だ!!」
「だから先日の話だと」
「……あぁ、そういやお前の記憶ではまだ子供だったな。記憶違うくせに性格に変化ないから調子狂うぜ……」
「マリサ、もうヒトのチンチンをツンツンすんのに卒業したのか?」
「沈めるぞテメェ!?」
「風呂に石鹸入れるの良くない」
「くっ……なんだかスゲェ懐かしいやりとりだなぁオイ……。はぁ~、昔はこんな奴と一緒に風呂入ってた時期があるとか黒歴史も良いトコだぜ……ホラ、今度は詭弁が身体洗う番だぜ」
身体に付いた石鹸を流し、風呂に浮かんでいる詭弁を抱き上げる魔理沙。
「……!そうだ、背中でも洗ってやろうか?」
「えー?折角ならおっぱいの大きい子に洗って貰いたいんだがー?」
「贅沢言うな!」
ニヤニヤ笑いながら詭弁を前に抱え、泡だったスポンジで詭弁を洗う魔理沙。
「いやー性別マリサに全身汚されるー」
「その性別魔理沙って言うの止めるんだぜ!このこの!」
「おふっ!?ふくくくく……ちょ、止めっ!?」
「お客様、痒い所は御座いませんかぁ!」
「ふひゃははははは!くすぐったいから止めれ!」
「暴れるんじゃないぜ!このっ!」
詭弁の敏感な所を重点的に洗うと面白いくらいの反応が返って来て、大変気を良くする魔理沙は更に調子に乗った。
「うりゃっ!逃げるな!」
「ひひひひひっ!やめ、止めろー!」
暴れる詭弁を押さえこみ、足の裏や脇の下といった弱そうなところをくすぐっていく。
石鹸のぬめりを利用して何とか逃げる詭弁だが、男とはいえまだ子供も子供な詭弁。身体だって今ほど鍛えられている訳ではない。幻想郷の中でも指折りの実力者である魔理沙から逃げ切る事は出来ず、あっという間にガッチリ押さえ込まれた。
「ふふふ、この魔理沙様から逃げようったってそうはいかないぜ。覚悟し―――
「詭弁、魔理沙!アンタ等はしゃぎ過ぎよ!いい加減風呂から―――あ?」
風呂の扉を開けた霊夢が見た光景は、風呂の床にがっしりと押さえ付けられた詭弁と彼にまたがる魔理沙。詭弁の両腕は魔理沙の太ももで挟まれ、暴れる脚を両手で押さえ付けている。
俗に言う『さかさ椋鳥』と呼ばれる体位に非常に近い状態だ。ましてや今の詭弁と魔理沙では言葉通り子供と大人程の体格差がある。それはもう何を言わんとするか分かるだろう。
詭弁の眼前に魔理沙の尻があり、魔理沙の視線の先には一切を隠すことないおちんちんがある。
そしてそれを横で見ている霊夢、と。カオス。
「……うわぁ」
「えっ、あっ、ア”ァ!?ちょ、霊夢!!これはその、違うんだぜ!!」
「
「分かってねえだろ!!おい詭弁!お前もなんか言え!」
「たすけてれいむちゃん、せいべつまりさにおかされる」
「ざけんなクソが!」
魔理沙は思わず、目の前にあったフカフカしてそうなモノを握りしめた。
「オ”ア”ア”ア”ア”!!?マリサおま、そこは男の男たる由縁ですことよ!!?」
「うるせえバーカバーカ!」
「テメェいい加減にしろコノッ!」
詭弁は目の前にある
「痛でででで!!!止めろ離せ!!」
「お前が離せ!!」
「二人ともいい加減にしなさいッ!!!」
博麗式柔術が詭弁と魔理沙に炸裂。詭弁は風呂桶に沈み、魔理沙は風呂の床に叩きつけられる。
「がぼぼぼぼぼ……」
「私にだけ妙に殺意高くねえか?」
「詭弁はまだ子供なの!前みたいに丈夫じゃないんだから!」
「いやぁ、私も人間並みに丈夫じゃないんだが……」
「とにかく!さっさとお風呂から上がって寝なさい!」
「ひええ、まるでオカンだぜ」
パパパッと風呂から上がった所で詭弁の着替えが無い事に気が付いた霊夢と魔理沙は、仕方なしに神社に眠っていた霊夢のお古の巫女服を詭弁に着せた。
「イエーイ似合う?」
「……コイツ男だよな?」
「昔からこんなモンよ詭弁は」
妙に似合っている上にノリノリで巫女服を着こなす詭弁。悲しい事に女子用の衣服を着るのは彼にとって慣れている事なのだ。
「ま、イケメンは何着てもサマになるから仕方ないよなぁ!」
「……コイツこんなだったか?」
「……昔からこんなモンよ詭弁は」
霊夢の目には若干の達観の色が見えた。
そうして寝る時間。魔理沙、詭弁、霊夢と川の字で並んで眠る事になった。
「お泊り会みたいで良いなコレ。俺も大人になったら嫁達と並んで寝よう」
「何言ってんだコイツ」
「さっさと寝なさい詭弁」
「んぃ」
モソモソと霊夢に寄っていく詭弁。
「……ちょっと」
「良いじゃん良いじゃん」
「……変な所触ったら容赦しないからね」
「んにぃ」
「(詭弁相手だったら引き剥がしそうなモンだけどな。……『小さい時の詭弁は寂しがり屋』か。なんかあったのか?あの毎日元気印みたいな詭弁に……)」
それから程なくして、三人分の寝息が聞こえてきた。
マリサ!俺はいつだってお前の■■だぜ!
わ、私も!私もいつだって詭弁の■■だからな!
へへっ、んならもっと―――
「んがっ、あ、あ~?……トイレ」
草木も眠る丑三つ時を更に少し過ぎた頃。突如もよおした魔理沙は一人起き上がり、寝ている詭弁と霊夢を跨ぎ越えて勝手知ったる博麗神社の厠へ向かう。
神社の厠は妙にハイテクで、河童の技術をふんだんに使った優れモノ。人の気配を察知した瞬間厠に光が灯り、辺りを照らし出す。そして外の世界から流れ着いた
「(ウチにも欲しいぜ……けどなぁ、前聞いた時目ん玉飛び出るかと思う程高かったんだよなぁ……)」
寝間着をずり降ろし、便座に座る魔理沙。
すると何処からともなく小川のせせらぎが聞こえてくる。何のためにあるのか分からないが、何故か便座に座ると頭の中に直接川の流れる音が聞こえてくる。今のように夜中にもよおした時でも騒音被害が無い優れモノ。結局なんで川の流れる音が流れるのかは不明だが。
「……ん、ぉ……」
ショロロロロ……
生暖かい液体が体外に排出されていく。溜まっていた物が抜け出ていく快感と腹にあった暖かい物が抜けていく不快感が同時に身体を走っていく。
ぼーっとしながらも思い出してしまう事は詭弁の事だった。
「……アイツの身体、傷一つ無かったなぁ……」
子供だが、男の癖に女の私よりもキメ細やかでモチモチスベスベの肌に不愉快な感情が脳裏をよぎった。
だが思えば、いつからだろうか。彼の身体に傷が残る様になったのは。
いつからだろうか。彼と共に風呂に入らなくなったのは。
いつからだろうか。彼が、自身の前を常に走っていくように思えたのは―――
「何考えてるんだか。アイツは未だに空を飛べない人間だってのに」
頭を軽く振って、下らない考えを振り払う。
そう、詭弁はどれ程強くなっても。誰よりも強くなっても。自分の―――
「―――なん、なんだろうな」
厠から出て、妖怪すら寝静まったかと思えるほど不気味な静けさが広がる夜を眺める。自身が今の詭弁くらい幼かった頃。まだ魔法の深淵の欠片すら知らず、世界の広さと高さを知る前の時の頃を思い出す。あの頃はこんな夜が怖かった。よく分からない何かの恐怖に怯えながら一人で眠る事が出来なかった。夜は兎角怖かったが、いつからか夜が怖くなくなった。何故だろうか。魔法を知ったからか?違う、魔法を知るより前の事だった気がする。負けたくないと思える
―――太陽のように明るい笑顔の少年に出会ったから。
彼に手を引っ張られ、未知を既知に変えていく冒険が楽しかった。
―――太陽が、
ああ、そういえば……そんな事になった時間は、今みたいな真夜中だったか。あの時から、私は夜が怖くなくなった。夜の怖さなんて、
「んぃ……まりさ?」
「……詭弁、どうした?こんな真夜中に起きてくるなんて感心しないぜ」
「おしっこ……」
「おー……そうか、厠はコッチだぜ」
「んぃ……」
幼い詭弁の手を引いて厠に案内する。小さい、小さい手だ。この手が幼い自身を引っ張っていたとは、少し想像がつかない程に。
今はその小さい手を自身が引っ張っている事に可笑しさを感じる。
「ほら、ここが厠だ。使い方は、まあ分かるよな?」
「……分からん、なんだこれは」
「……」
まあ、確かに昔ながらの厠しか知らないと分からない事も無いかもしれんが……いや、今の詭弁は子供なんだ。多少のオツムの悪さも愛嬌だ。
「なんかしつれいなことかんがえてないか?」
「何のことやら」
眠気のせいか尚幼い言葉遣いになっている事に気がつき、内心クスクス笑う。
詭弁が着ていた巫女袴を脱がし、抱き上げ、便座に座らせる。
「んぅ?じんじゃのちかくに川なんてあったか?」
「気のせいだろ」
「そうか」
んゃ~、と力が抜けるような気の入れ方で排尿する詭弁。
ちょぽぽぽぽ……
「水はたまりっぱなしか、ふえいせいだなぁ」
「ん?ああ、これは勝手に流れるんだぜ。ほれ、しっかり袴はけ」
「んぃ」
詭弁が便座から立ち上がり、巫女袴をはきなおした所で水が勝手に流れ出す。
「ほら、厠に行ったらしっかり手を洗うんだ」
「ばかにするな、そこまでおさなくないわい」
そうしてまた手を引かれて寝室に戻る詭弁。
「なんかへんな気分だなぁ」
「あん?」
「ついきのうまで手をひいてたのは俺だったのになぁ」
「……」
そうか。幼い詭弁にとっては、
「あ?」
「んぃ……どうしたマリサ」
「―――なんでも、ないぜ」
「んみぃ」
■■……って、何だよ。私は、詭弁の……何、なんだ……?
■■ってのは、命の危険に曝すのが■■なのか?
止めろ
止めろ
止めろ
止めてくれ
やめてくれ
これは悪い夢だ
やめろ。やめろやめろやめろ!
詭弁は絶対にそんな事言わないっ!だって詭弁は!詭弁は私の―――
「起きろ馬鹿マリサぁ!!!」
「おぶっふぅ!!?」
バカでかい声によって飛び起きれば、そこは神社の一室。既に日は高く昇っており、朝の到来をとっくに告げていた。
「お前大人になっても朝弱いのかよ。成長しねえ奴だな」
「……き、べん?」
「おう、詭弁さんだぞ。霊夢ちゃんが朝ごはん作って待ってるから早くこい!」
「あ、ああ……」
詭弁は魔理沙の目が完全に覚めたのを確認し、部屋を出て行った。
「……夢、なん……だよな……」
詭弁の足取りとは正反対に、自身の足取りは非常に重かった。
あれは夢だ。夢なんだ。
夢にしては、嫌になるほど
……なんて、誤魔化すのは止めよう。
詭弁は私の前で実際に死にかけ、詭弁の血を全身に浴びて私は気を失った。私の意識が戻った時、詭弁の母親が詭弁に縋りついていた。その後、詭弁が息を吹き返した代わりに彼の前から彼の母親は姿を消した。そして、詭弁は―――
「魔理沙?」
「ぅおっ!?な、なんだ霊夢?」
「なんだじゃないわよ。アンタ食べるんだったらちゃんと食べなさい」
「そうだぞマリサ、いくら胸の成長が絶望的でも食うのと食わないのじゃ天地の差があるぞ」
「あ、ああ……そうだな……」
「……魔理沙?」
「どうしたマリサ……いつもなら『舐めんな』くらい言い返すのに……まさか、風邪!?バカなのに風邪ひいたの!?」
「お前じゃねえんだから風邪くらいひくわ!」
「……ああ、普段からちゃんとしたご飯食べないから風邪ひくのか……駄目だぞ、好き嫌いせず色々食べなきゃ」
「
「調子戻ってきたじゃん」
けらけらと笑う詭弁の姿を見て、さっきまでの悪い考えが沈んでいく。ああクソ、現金な自分に腹立つ。やっぱり詭弁は太陽みたいな笑顔が似合いやがる。
「アンタ達、食事くらい静かに食べなさい」
「げっ、オカン霊夢だぜ」
「誰がオカンよ、いいからさっさと食べなさい」
「へいへい」
そうしてある程度食べ進めると、自然に話題はこの後の事になる。
「しかしどうしたモンかなぁ。なんか自然な感じとはいえ、詭弁を戻さなきゃならないが……どうやって戻しゃいいんだ?」
「知らないわよ。そもそもどうして詭弁が
「俺的にはこのままで良いんじゃないかって思うんだけど」
「何で?」
「なんか知らないけど、俺が知らない美女達が俺にチヤホヤしてくれんでしょ?じゃあ、良いかなって」
「良い訳あるか」
そう、今の詭弁は力も何も持っていない状態なのだ。それなのに幻想郷の妖怪達の前に出す?そんなもん『食べてください』と大声で言っているようなモンだ。昨日の射命丸だって、何でか知らないけど詭弁を連れて神社に来たが、気の迷いでそのまま妖怪の山に連れ帰っていれば詭弁はもう山を脱出する手段を持たない。伊達に詭弁は人間族最強とか妖怪に恐れられてはいない―――
―――今の詭弁を放置したら、どうなる?妖怪に狙われまくるに決まってる。
今の詭弁は自覚ないだろうが、妖怪達にとって『詭弁答弁』と言えば最高のゴチソウなのだ。霊力・気力・魔力を持ち、優れた精神と肉体を兼ね揃えた最高のエサ。無論、詭弁は強いから生半可な妖怪なら相手にもならないし、生半可じゃない妖怪達は理性でもって詭弁と対話する。その際詭弁が妖怪を
ともかく、今の力を持ってない詭弁はただのゴハン。理性ある相手なら、未来が確約されたゴチソウに見えるだろう。最高の状態まで育てた時か、自身の理性が尽きた時、詭弁は妖怪の腹の中だ。
「そんなのダメだ」
「……マリサ?」
「ダメだ、ダメだ駄目だだめだ!!!詭弁はもう
「んぅ……ハッキリと『弱い』とか言われると傷つくぞ俺も……」
「弾幕一発で追い払えるような雑魚妖怪相手に死にかける奴が外に出て良い訳ないだろ!!」
「……んぃ?」
「っ、魔理沙!」
「霊夢!ま、守らなきゃ!詭弁は、だって!今の詭弁は弱いんだぞ!?里に、里に送り届けなきゃ!」
「魔理沙!落ち着きなさい!!」
「落ち着いてられるかよ!詭弁が死ぬかもしれないんだぞ!」
「マリサ落ち着けって!どうどう!はいよーシルバー!」
「馬か私は!」
詭弁に背中をベシベシ叩かれ、思わず投げ飛ばす。力加減を誤ったのと、想像以上に軽かった詭弁は部屋の障子を突き越えて境内に転がり落ちた。
「あっ、あ……ああ……き、詭弁!ごめん!」
「ちょっと詭弁!大丈夫!?」
「痛ぅ……ひ、酷くねマリサ……」
霊夢が詭弁の傍にしゃがみ込み、回復術を掛ける。あの回復術も元々は詭弁のオリジナル技で、でもその詭弁は今は居なくて……?
「あ、ぅ……ぅぅ」
そう、今の投げだって詭弁が詭弁だったらちょっと転がる程度の力だったのに、詭弁が子供だったせいで……違う、違う!違う!!私の力加減が悪かった!!詭弁は悪くない!だって詭弁はいつも私の前を駆けて行って……
そうだ。詭弁はいつも私の目標で、超えるべき壁で、私の手を引いてくれる―――
「血が……詭弁、ちょっと痛むわよ」
「痛たた……マリサ!お前の馬鹿力のせいで怪我しちゃったじゃん!これはカラダで賠償してもらうしかないですねぇ!」
「あ……ぅ、ぁ……ぁ……」
「やめろ……やめろぉ……」
「ま、マリサ?……霊夢ちゃん、ちょっと立つね」
「っ!ジッとしてなさい!治らないでしょうが!」
「いいや!立つと言ったら立つ!男には立たねばならん時がある!いつだって?それは今さ!!」
「止めてくれ!詭弁はそんな事言わないっ!絶対に言わないッ!!!」
目を瞑り、耳を塞ぐ。頭の中で響き渡る詭弁の声が私の心を掻き毟る。
どうして、どうして思い出してしまったのか。忘れておきたかった記憶を。封じこめておきたかったトラウマを。
なんで、どうして。どうして詭弁は―――
「目をっ覚ませこの馬鹿魔理沙ァァァァ!!!!」
額に衝撃。
頭が割れんばかりに痛む。
いや、もうこれ割れてるかもしれない。ふざけんな。
「痛いだろうが馬鹿野郎ッ!!!」
「俺も痛いわ馬鹿野郎ボケタコこら!頭突きなんて食らう専門なんだよこちとら!!!」
目を開ければ、眼前に幼い詭弁の顔。だが、幼くても詭弁は詭弁だった。
耳を塞いでも両手を突き抜けていく詭弁の声。幼くてもその声量は健在だった。
「いいか馬鹿マシマシ魔理沙!こっ恥ずかしいから一度しか言わないからな良く聞けボケ!
俺はテメェの親友だ!テメェは俺の親友だ!テメェが勝手に成長しようが俺が幼くなろうが
俺がッ!テメェが本気で嫌がる事を言う訳ねえだろが!」
ああ
ああ、クソ。
痛い。
凄い痛い。
メチャクチャ痛い。
頭が割れそうな程痛い。
それはもう、泣く程だ。痛くて痛くて、涙が勝手に出てきやがる。ちくしょう。
「……詭弁。私は、私はなぁ、おまえに、めちゃくちゃひどいことをしたんだぞ……?」
「お前がわざとそういう事する奴じゃねえって事は、俺がよく知ってる」
「おまえが血だらけになって、死ぬような目にあう、ひどい事をしたんだぞ……?」
「俺は、死なねえ。絶対に」
「おまえの人生をめちゃくちゃにするようなひどいことをしたんだぞ……?」
「平坦で何もない人生よか百億倍マシだろうが」
「なんども、なんどもなんども、しんじゃうような―――」
「しつこいぞ!」
詭弁の小さな腕に抱き寄せられ、私の顔を筋肉も何もない様な小さな胸に押し付けた。
「俺は詭弁答弁!世界最強を目指し美女ハーレムを作る者!」
その、自己紹介は。初めて出会った時の―――
「世界最強を目指すのは伊達じゃねえんだ。一度や二度……何十、何百、何千と死にかけようが、俺は絶対に死なねえ!なんでか分かるか魔理沙ァ!!!」
詭弁の身体は小さくとも、そのデカさはいつだって……
詭弁を抱き上げ、ジャーマンスープレックス。地響きが鳴るほど強く地面に打ち付ける。クソが。
「バーカバーカお前なんか野良妖怪相手に食われて死んでしまえ!」
そう吐き捨て、箒に乗って飛んで行く。泣き腫らした目を見せないように。
もう、幻聴は聞こえない。
後日
「なあ霊夢ちゃん。最近魔理沙と全然顔合わせないんだが、アイツ生きてるのか?」
「……まあ、無事よ。伝言でもあるの?」
「ああ。『俺が小さかった頃の詳細を教えて』って」
「(死体蹴り……)」
なんやかんやで詭弁は戻っていた。
元々ダークネス次元でのお話にしようとしましたが、丁度良い感じで詭弁過去編のさわりだけ触れる事が出来そうでしたので予定変更。えっちなことはいけないと思います!の精神で書きあげました。やっぱりスケベは執筆カロリー高いなごす。
……えっ?R-18?何が?何処が?全裸でお風呂に入るくらい普通ですし子供もトイレにだって行くでしょ?
ショタ詭弁→子供の頃から詭弁は詭弁。子供の頃に死にかけるのはヒロアカ時空と一緒だね♪
ロリサ→ちっちゃなころから魔法使い見習い。トラウマ持ちでさとりん大興奮。霊夢ちゃんよりヒロインしとるやんけお前とか言ってはいけない。
金髪の子かわいそうって言うじゃん?あれねぇ、好き。
感想評価お待ちしております!
私の思う正義のおねショタってこんな感じなんですけど、分かる人いますかね。生意気なショタがここぞという時におねを救う感じなんですけど。