詭弁ですよ!霊夢ちゃん! 作:名は体を表す
永琳「ゲームのやり過ぎね」
13話ぶり、二回目の地底旅行。だが、前に比べればどうにもキナ臭い……
「……気配はあるけど、誰も居ないわね」
「うーん」
地の底の底へ向けて歩いている道中、小さな橋に差し掛かったのだが誰も居なかった。おかしいな、てっきり小ぶりながらも素晴らしいものをお持ちな橋姫が居るかと思ったんだが……。
「まあいいわ、それより怨霊よ怨霊。答弁、この先に妖怪達がうようよ居る気がするし、霊撃で先制攻撃を―――」
「問答無用にも程があるぞ母上殿」
隙あらば先制霊撃を撃とうとする母さんを宥めながら長いトンネルを抜けると、旧地獄の繁華街の煌びやかな明かりが俺達を出迎える。
前に来た時は繁華街が壊滅した訳だが、今はもうすっかり元通りとなっているようだ。
「中々ブッ壊し甲斐がありそうな場所ねぇ」
「やめたれ」
ついこの前実際にブッ壊れてるんだから。何でこんな血の気が多いんこの母上。
そうして旧都に足を踏み入れると、俺達の存在に気が付いた男鬼が俺達の前に躍り出る。
「人間ン~?こんな所に何の用だァ?」
「答弁、コイツは殺して良いわよね?」
「五体満足に生かしてやれって……」
だからなんで一々物騒なんこの母上様。
「あァ?このオレ様を殺す?グワハハハハ!!!出来るモンならやってみなァ!!鋼鬼と呼ばれる、この『弾巌正―――
「一々耳障りなのよアンタ」
指弾。指に乗せた弾を指の力で弾き飛ばす技。母さんは指に乗せた小石を弾き飛ばし、目の前の鬼の眉間に寸分狂わず直撃させて昏倒させた。
「チッ、加減するのも楽じゃないわねぇ。石コロを粉々にしそうだったわ」
「加減って小石飛ばす方かよ。……なんかもう、それくらいの縛りプレイの方が丁度良いんじゃないか?」
「こんな道のど真ん中で緊縛プレイだなんて破廉恥な!」
「その脳内変換機能の方が破廉恥だと思う」
詭弁答弁はこの母親を縛れるだけの強力な紐を探しています。所持してる方は今すぐご連絡ください。よろしくお願いいたします。
と冗談はさておき、今の騒ぎで血の気の多い連中がガヤガヤと騒ぎながら俺達に寄ってくる。はて、前もこんな事があったなぁ……デジャヴかな?
「喧嘩だ喧嘩!」
「チィッ!こんな時に騒ぐダボは誰だ!?」
「敵襲!敵襲!」
「さっさと終えてアッチに向かうぞ!」
はてさて、聞こえてくる騒ぎの声からして前みたいなお祭り騒ぎのような雰囲気は感じられない。それどころか焦燥を感じられるような声だ。そうこうしてるうちに鬼達がどんどん集まってくる。鬼だけでなく、その他地底に封じられていた危険な妖怪達まで俺達を取り囲む。
「コイツ、この前勇儀姐さんを倒したっつー人間だぞ!」
「このクソ忙しい時に……おいテメェ!今すぐ帰れば痛い目を見ずに済むぞ!!」
「お、おい待てよ。この人間に手を貸してもらうってのはどうだ!?勇儀姐さんを倒す実力の持ち主だ、きっと役に立つだろ!」
「ふざけんな!人間なんかの手を借りれるかよ!」
ぎゃあぎゃあ騒ぐ妖怪達。話を聞くに、この地底には何かしらのトラブルが起きているらしい。どうする?
・お前等一旦落ち着いて事情を話せ
・一度引き返す
・俺には関係ないね。押し通らせてもらう
ニア・とりあえずボコす
「博麗震脚」
ズドンッ!!!
母さんの脚が地面を
そして大きな隙を晒す妖怪達が見上げた空には、星のように光る霊力弾が
「夢想天星」
その壮絶な光景を前に、妖怪達は皆息を止めて硬直した。
そして煌めく星々の全てが、繁華街を蹂躙する―――
「『
空から降り注ぐ霊撃全てが一瞬止まり、俺に向かって
「ちょっと答弁、邪魔しないでよ」
「ンだから妖怪相手に問答無用が過ぎるぞ母さん!!意思疎通くらいしろよ!」
「だからこうしてまずあいつ等に『立場』ってモンを分からせようとしてるんじゃない。どうせ妖怪しか居ない場所だし、多少暴れても問題無いでしょ?」
「
明らかにこの辺だけじゃなく繁華街全体が攻撃範囲でしたよね?なんでこう……なんでこうウチの母親はこんなんなんです!?
ニア・お前等一旦落ち着いて事情を話せ
・一度引き返す
・俺には関係ないね。押し通らせてもらう
・とりあえずボコす
「ひぃ……い、命だけは許してください。な、なんでもしますから……」
「ん?今何でもって―――」
「答弁」
「あっはい」
女鬼の言葉につい反応してしまったが、心を落ち着ける。くっ、星熊勇儀よりも少し小さいがハリのありそうな良いおっぱいが悪い……。
とにかく今地底で何が起きているのかを聞いた。
女鬼の話を要約すると、地底の奥の奥、地霊殿の下にある灼熱地獄でとある神が大暴れしているらしく、その余波が地上に湧き出す間欠泉という形で影響を与えているらしい。さらにそれとは別件で
「今は勇儀姐さんが抑えているが、相手は数が非常に多すぎる。撃ち漏らした雑魚が頻繁に此処まで来るんだ……」
「雑魚ならお前達で何とかなるだろう」
「ああ勿論。だが奴等は非常に厄介な事に、潰せば八寒地獄の凍気を撒き散らす!鬼である私達には
「なるほどな。完全に理解した」
「答弁、『八寒地獄』って何?」
「知らん」
その言葉にずっこける女鬼と母さん。
「……簡単に言えばめっちゃ寒い地獄の事だ」
「要するに地底の奥で神様と不審者が暴れてるって事だろう?道中妖怪や妖精達に襲われなかったのは、単純に他の脅威に対して向かっていたから……か。よし、まずは地霊殿に向かって暴れる神様を鎮めてから侵略者に向かおう」
「……答弁、そうも言ってられないみたいよ」
母さんの言葉に反応を返す前に、物凄い猛吹雪に襲われた。
「うわっ!?寒っ!」
「ヒィッ!?や、奴らだ!!!」
繁華街の外側から猛烈に吹き付ける凍える風が顔をピシピシ叩く。風の吹く方向を見た瞬間に、背中に感じる柔らかくも暖かなおっぱ―――
「ウチの息子に手を出すんじゃない!」
「にぎゃぁぁぁぁ!!!?」
……目にも止まらぬ速さの掌底打ちが女鬼の重心を叩き、綺麗な弧を描いて吹っ飛んでいく。あのさぁ……。
「さて、どうも妖怪でも神でもない変な気配が寄ってきてるわね。……どうしたのよ答弁?」
「……なんでもないよ」
頭痛がしてきた……精神的なダメージに回復魔法は聞くか知らん。
ともかく、旧都の中央である地霊殿がある方向とは逆から吹き付ける猛吹雪に向かって進む。あー寒い寒い……。
「つーか母さんは寒くないのか?」
「生憎この程度の寒さでどうにかなる程度じゃ博麗の巫女なんてやってられないのよ。それにこの程度、地獄から戻る最中に迷い込んだ何とかって地獄の方がまだ寒かったわ」
「地獄なのに寒いとかあるんか」
地獄ってだいたい炎に炙られるみたいなモン想像してたけど、実情は違う感じ?まあ、今はどうでも良いけど。
猛吹雪の発生源に向かっていくと、そこには岩山みたいに大きくゴツゴツした大男がその拳を振るっているのが見えた。
「クソ
「般京!さっきから潰すから寒くなるって言ってんじゃん!!潰さないように押し返せってば!!」
「黙れ黒谷ぃ!オレ様に指図するんじゃねえよ!!!」
吹雪の中よく見れば、大男の肩の上にヤマメちゃんが乗っているのが見えた。乗っているというか、肩の上に立って大男の頭を殴り続けている。
「あ”あ”鬱陶しいッ!!」
「うわっ!!?」
「危なッ!」
大男の拳によって肩から叩き落とされたヤマメちゃんを咄嗟に抱きかかえるように受け止める。セーフ。
「あ、ありがとう……って、お前は詭弁!?」
「おう、詭弁さんだぞ」
「な、なんでアンタが……いや、丁度良い!アンタの力が必要―――」
「私の目の前で息子とイチャつこうなんて百億年早いのよ妖怪」
パァン!!
と音を置き去りにした正拳がヤマメちゃんの胴体を貫く……という事にはならず、気力と霊力を混ぜ合わせた結界で防ぐ。流石に二度目は許さん。
「母さん、マジでいい加減にしてくれ。話が進まん」
「答弁、そいつは人喰い妖怪よ。何故庇うの?」
「可愛いから以上の理由はねえよ。それよりもまずは
「……後でしっかり話す必要があるわね」
「ひぃ……何なのさ、この大巫女……」
視線を向こうに合わせれば、今も大男が大暴れしている。その腕や脚で潰しているのは小さな生命体のようだ。
「あの大暴れしてる奴は『般京』、アタシと同じ土蜘蛛さ。アイツは頭が悪いが力だけなら勇儀の姐さんとタメを張れる。そしてアイツがプチプチ潰してるのは、『
「どう控えめに見ても
般京と呼ばれた妖怪が潰しているのは、氷の礫に手足が生えたような見た目の代わった生き物……いや、あれは生きてるのか?ともかくソレらが奥に見える洞窟から絶えず出てきて、物量でもって般京に襲い掛かっている。
「奴等は今般京を狙ってるけど、もし般京がやられたら繁華街の方に向かって来るのは目に見えてる。頼む詭弁、何とかしておくれよ!」
「美女の願いにNOと言わないのが出来る男ってモンだ。『炎獄の咆哮』!!」
持っている炎のエレメンタルを使い、灼熱に燃える閃光の魔法を口から放つ。閃光が空間を焼きながら魔法生物が湧いて出てくる洞窟にぶち当たり、周囲の地面ごと業火に包まれた。
「凄い……!」
業火に包まれた魔法生物たちは絶命する瞬間に自爆するように弾けて周囲に凍気をばらまくが、その凍気すら業火は焼き尽くす。あっという間に魔法生物たちは全滅した。
「あ”あ”っ!?テメェらオレ様のエモノを横取りしてんじゃねえ!!!」
何故かブチギレた般京が俺に向かって拳を振りかぶるが、その拳が振り下ろされる前に母さんの一撃が般京の顔に突き刺さり、高速回転しながら地底の岩壁に突き刺さった。
「さっきから声デカすぎて煩いのよ!」
「は、般京を……一撃でノした……」
……まあ、野郎の妖怪なら生きてりゃ大丈夫やろ。洞窟から出ている魔法生物たちは業火に飲まれ、洞窟の奥には未だ出てきていない魔法生物たちが炎を恐れて逃げていくのが見えた。
「どうやら元凶は更に奥に居るようね」
「さらに寒くなりそうだ」
猛吹雪の発生源である魔法生物が全て燃え、辺りは炎がパチパチ弾ける音に包まれた。少なくともこれで旧都の方はこれ以上猛吹雪に襲われる事は無いだろう。だが洞窟の方から業火を越えて凍気がそろりそろりと出てきている以上、まだ終わってはいないということだ。
「……詭弁、その先は地底の妖怪達すら滅多に近づかない極寒の地獄だよ。なんて言うか……その……き、気をつけてね」
「おう、ありがとうヤマメちゃん。無事に帰って来れたら俺とセッ―――」
「さっさと行くわよ答弁」
「耳が痛いッ!?」
母さんに耳を掴まれ、引き摺られるように地底の奥地へと向かっていった。
「詭弁……無事で帰ってきなよ……」
「ここが地底……まあ、随分と賑やかな所じゃない」
『そうね。ただ気がかりなのは、道中妖怪達の妨害が一切無かった所かしら……』
「楽に異変解決出来るならそれに越した事は無いぜ」
『そうね、でも気は抜かないようにしなさいよ。前に地上に侵攻してきた妖怪達よりも厄介な奴等が地底にはまだ居るみたいだし』
「……それに、この異変はさっさと解決した方が良いと思うわ」
「あん?そりゃいつもの
「ええ、いつもの
『それならなおさら道中気を抜かないようにしなさい。全く、あのゴリラ女さえ居なかったら詭弁にも依頼したのに』
「そもそも里にも近づけないってのにどうやって依頼するって?」
『おしゃべりはその辺にしときな。うーん……随分地底の雰囲気が変わったように思えるな』
同刻、旧都に二人の人間が足を踏み入れた。
主人公達は地霊殿通常?ルートへ。詭弁達は灼熱地獄とはまた別の地獄ルートへ。
東方詭異変、始まります。
よく分かる詭弁巫女スペック
・思いっきり足を踏み込むだけで地震を起こせる程度の圧倒的筋力。
・天を埋め尽くす程の霊力弾を瞬時に生成できる程度の圧倒的霊力。
・銃弾を見てから握り潰せる程度の反射神経。
・むずかしいことはわからん程度の脳味噌。
なんだァこの巫女……歩くチートかよ。
『博麗震脚』
霊力を込めて地面を蹴ることで強力な横揺れ地震を広範囲に引き起こす
規模は極々狭いが、似たような事を霊夢も出来る。
『夢想天星』 速攻魔法
場に『詭弁巫女』が居る時に発動できる。このカードを発動したターンの終了時、場に存在する『詭弁』カード以外の全てを破壊し相手に1000ダメージを与える。
(「最終奥義?この程度ただの小手調べよ」)-詭弁巫女
『
「夢想天生が
・八寒地獄ってなあに?
「俺達が良く知る焦熱地獄ってのはなんでも『八熱地獄』と呼ばれる地獄群の最下層から数えて三番目らしい。そして八寒地獄ってのは、その八熱地獄の隣に存在しているようだ。いわゆる
「諸説ありッ!!!」
最近は花粉のせいでモッチベェーションが上がりません。さあ皆!感想を送って作者に元気を送ってください!感想が無いとこの作者マジで書かないから!