詭弁ですよ!霊夢ちゃん! 作:名は体を表す
「もー!ちょろちょろ鬱陶しいなあ!!禁弾『スターボウブレイク』」
相手がスペルカードを切ってきた。
虹色の雨のような弾幕が降り注ぐが、弾幕の密度としてはまだまだ甘い。弾幕を縫うように移動し、霊撃を放つ。
「弾幕ごっこなら一日の長が俺に有るようだな」
「空も飛べないくせにっ!」
二次元的な動きで避けるのはもう慣れっこだ。……とは言え、身体を強化していなければ避けきれず弾幕に撃ち抜かれているだろうが。
俺の放つ弾幕は槍のように鋭く雨を貫き、相手のスペルカードを撃破した。
「飛ぶ鳥を落とす勢いとはこの事」
「私は鳥じゃなくて吸血鬼だよっ!禁忌『レーヴァテイン』」
赤く燃え盛る剣を生み出したと思ったらそれを振り回し始めた。
剣の軌跡に沿うように炎の弾幕も放たれる。
「真っ二つになっちゃえ!」
「不死身の詭弁さんと言っても燃やされるのは駄目だっての!欺曲『捻くれ詐欺師の舞台演目』」
俺の指先から大量の魔力糸を放ち、その辺の本棚に入っていた分厚く重い魔導書に繋がる。
沢山の魔導書をまとめて振り回し、赤い剣と撃ち合う。
「重っ!?」
「あは!人間って脆弱なのね!」
拮抗は一瞬。振り回した魔導書が弾かれて宙に舞い、赤い剣はそのまま二撃目を振り下ろす……寸前に、宙に舞った魔導書から大量の
「えっ!?曲が……キャッ!」
レーザーを見て回避しようとした七色の吸血鬼は、回避した先に曲がってきたレーザーに撃たれて手に持っていた赤い剣を取り落とした。
んにぃ、戴きっ!
「あぁっ!!?ヒトの物盗ったらドロボウよ!」
「お前『人』じゃないだろ!」
指先の魔力糸に繋がった赤い剣を魔導書と同じように振り回す。
魔導書からは曲がるレーザー、赤い剣は燃え盛る弾幕を撒き散らして相手を追い詰めていく。
「やってくれるわねっ!禁弾『カタディオプトリック』」
燃え盛る赤い剣は黒い枝のような杖に戻り、大量の弾幕が図書館いっぱいに暴れまわる。
駆け回って避けながら魔導書からレーザーを放つが、壁に反射するような弾幕に魔導書が全て撃ち抜かれてスペルブレイク。
「本は大事にしてー!!」
パチュリーちゃんが何か言っているが聞こえないふりをする。俺の
「あははははっ!人間って丈夫なのね!お人形遊びよりも遥かに面白いわ!禁忌『フォーオブアカインド』」
急に笑い出したと思ったら吸血鬼が4人に分身した。
「禁忌『カゴメカゴメ』」
「禁忌『恋の迷路』」
「禁弾『過去を刻む時計』」
「QED『495年の波紋』」
……は?
……は???
「そんなん有りかよぉぉぉぉぉ!!!!?」
弾幕の濃度が急に四倍になり、視界いっぱい……否、図書館いっぱいに弾幕が溢れだす。死ねと。
踵を返し、とにかく相手から離れる為に走り出す。弾幕の雨どころか弾幕の濁流だあんなモン。避けられるかっ!
「あははっ!鬼ごっこ?」
「何処に逃げようって言うのかしら?」
「速さなら負けないよ!」
「捕まえてグチャグチャにしてあげる!」
「逃がす逃がさないじゃない!
ビガッ!!と魔法の光が吸血鬼の目を焼き、視界を眩ませる。
だが無差別に放たれる弾幕に一切の衰えは無かった。逃げながら針の穴を通るように弾幕の極僅かな穴に退避し続け――
「いや無理っ!『
霊力と魔力を混ぜ合わせた立方体の弾幕を大量に放つ。『弾幕をはじく特性』を持つコレを作るのは非常にしんどいが、効果は抜群。弾幕の濁流と衝突して弾かれまくっているものの破壊はされていない。
弾幕を弾きまくって作った時間で魔法陣と
「『退魔の咆哮!』」
魔法陣が浮き上がり、そこから極光の極太レーザーが放たれる。
極太レーザーは射線上にあった弾幕全てを飲み込み、その先に居た吸血鬼達を薙ぎ払っていった。
「はぁ……はぁ……めっちゃしんどい……」
威力的には魔理沙のマスパと同程度だというのに、片や連発出来るくらい、俺は一発限りの切り札。この差は何だってんだちくしょー。
極光が通り過ぎた後に残ったのは、ボロボロの姿をした吸血鬼だけだった。
「私が負けるなんて……聞いてた話と違うわ」
「『人間は弱い物』ってか?残念だったな、悪魔や怪物を出し抜くのは人間の役割なんだよ。いつだってな」
「そういえばお姉様も人間にやられてたわね」
「……おっと、自己紹介してなかったな。俺は詭弁答弁、割と普通の人間だ」
「フランドールよ。また遊びましょ?」
「勘弁してくれ……今度遊び応えありそうなヤツ紹介してやるから」
「本当?約束よ!」
「分かった分かった。(悪魔相手に約束かぁー……)」
「嘘ついたら……花火みたいにしてあげるわ」
「怖っ」
「あ、服が汚れちゃったわ!お風呂お風呂~」
そう言って何処かに飛んで行った吸血鬼フランドール。ふぅ、生きた心地がしなかったぜ……。
「あふふ……助けてくれてありがとうございます♥」
「ふう、あの妹様があれだけしか暴れないなんて……槍でも降るのかしら?」
フランドールが去っていった気配を感じて戻ってきた小悪魔とパチュリーちゃん。
「って、貴方私の魔導書を乱暴に扱った事忘れてないからね!」
「しょーがねーだろ、無手であの吸血鬼相手とか出来るか」
「あふふ、それよりも
……」
「あの?」
「妹様は情緒不安定ですからねぇ……本人も好んで地下から出てくることも無いんですけどぉ」
「情緒不安定……?そんな風には見えなかったけどな」
悪魔にしては、という意味でだが。
「はい。今日は非常におとなしい方だったと思いますぅ」
「そうねぇ……詭弁、貴方妹様の専属執事にならない?」
「子供のおもちゃになれってか?嫌すぎる……」
あれがもっと大人だったら考えた。
と思ってたら突然図書館の扉がぶち破られ、直後に紅い線が俺の右肩を掠めていった。
「こんにちは詭弁。死ね」
「何っ!?何っ!?急に何だおい!!?」
「お前がフランに手を出す
「いや何の事ォ!?」
顔中に青筋を立てまくったレミリア・スカーレットが大量の弾幕を放ってきた。殺意満々で。
いや何でぇ!?
「ここがお前の墓場よっ!!」
「バカ野郎ふざけるなっての!!」
なけなしの魔力と霊力を総動員して図書館、及び紅魔館から逃走。沈みかけている夕日が完全に沈む前に人里まで戻った。
ふぅー、夜になってたら完全に追い付かれてたな……。
あれ、何か忘れている気が……まあ、いいか。
「……いきなりどうしたのよレミィ」
「聞いてよパチェ!フランが珍しく上まで来たからどうしたのか聞いたら……」
『あらフラン、地下から出てくるなんて珍しいわね。どうしたのよ』
『あ、お姉様。人間の男に汚されちゃったからお風呂に入ろうと思って』
『……は?汚された?人間の……男に?』
「あのクズ男!!私の妹に手を出すなんて!!擂り潰して紅茶にしてやるわ!!」
「……レミィ、妹様の言う『汚された』って言葉通りの意味よ」
「だからこうして処刑をしようと……!」
「詭弁と妹様が弾幕ごっこをして、詭弁が勝った。それだけの事よ」
「……ん?……えっ?どういうこと?」
「詭弁は何もやましい事はしてないし、妹様も汚されたってのは『服が汚れた』程度の意味よ」
「……えっ」
「……脳内ピンク吸血鬼」
「う、うるさい!耳年増魔女!」
ふらんちゃんかわいいなぁ!というわけでフランとのフラグを立てました。このロリコンめ!
ちなみに詭弁が忘れていることは、パチュリーちゃんの2おっぱいです。
さて『紅魔郷』は終わり、次から『妖々夢』編。詭弁は春度を集めやすい体質だった?死ななければ冥界に行けない?そして生者と死者の禁断の恋物語!?
次回、『原作開始前に居ても問題ない筈なのに、そのキャラが登場する原作の時間軸前に登場させるのって何故か気が引ける現象』こうご期待!
(内容に大きな変更がある場合がございます、ご了承ください。)