星々の王と妃   作:旭姫

13 / 89
前回では出しませんでしたが、水波が深雪の護衛として第一高校に通っています。


二章 第三話 入学式と友達

講堂前

 

達也とリーナが入ろうとすると、1人の男が道に迷っていた。

 

達也「どうしたんだ?」

 

「ああ。すまん。道に迷ってて」

 

達也「端末は?」

 

「忘れた」

 

リーナ「……。」

 

達也「なら、一緒に行くか。俺も新入生なんだ。」

 

「そうだったのか。なら頼む。」

 

達也「俺の名前は風間達也だ。んで、こいつが、工藤利奈だ。」

 

リーナ「工藤利奈です。よろしくね。」

 

「俺は西条レオンハルトだ。レオって呼んでくれ。」

 

達也「よろしくな、レオ。」

 

レオ「ところで、お二人さんは一緒に来てたみたいだが、付き合ってるのか?」

 

リーナ「……。」///

 

達也「あ、ああ。そうなんだよ。」

 

レオ「へぇー。お幸せにな。」

 

 

―講堂内―

 

達也「これは……。」

 

リーナ「ひどいわね。」

 

レオ「綺麗に真っ二つだな。」

 

講堂にはいると、前と後ろで真っ二つに一科と二科が別れていた。

 

達也「(誰よりもウィードと蔑んでいるのは自分自身…か。)とりあえず、後ろに座ろう。」

 

レオ「いいのか?」

 

達也「いいよ。こんな差別意識の塊と一緒にいてもつまらんし、何より友達だろ?」

 

レオ「そうだな。ありがとな、達也。」

 

達也はリーナ、レオと共に後ろに座った。

 

この事で、一科からも二科からも意外感を向けられたが、達也は無視した。

 

そして、リーナを膝枕しながら式の始まりを待っていると、となりの方から声をかけられた。

 

「あの~。ここ、開いてますか?」

 

達也「(メガネか…。伊達メガネでは無さそうだから、おそらくは霊子放射光過敏症か。俺の秘密がバレると厄介だが、おそらくはまだ使いこなせてはいないだろうな。……問題はない。)ああ。どうぞ。」

 

「ありがとうございます。」

 

そして、1人ともう1人が座ると、もう一度話し始めた。

 

「あの~。私、柴田美月と言います。」

 

「あ、私は千葉エリカよ。よろしくー。」

 

達也「(千葉家に俺の同年代がいると言う情報は無かったが…。まぁいい。)俺は風間達也だ。で、膝で寝てるのが工藤利奈で、俺の隣で寝てるのが西条レオンハルトだ。」

 

相変わらず、寝ているようだ(+1人追加)。

 

美月「達也さんですね。よろしくお願いします。それより、いいんですか?」

 

達也「何が?」

 

エリカ「つまり、美月が言いたいのは、一科なのになんで前に行かないのかってことよ。」

 

達也「ああ。こんなしょうもなく、将来にも意味が全くない差別なんかに構ってる暇は無いんだよ。ただでさえ魔法師というだけで、非魔法師から差別意識を持たれてるのにな。」

 

エリカ「へぇー。さすがだね、達也くん。」

 

達也「そうか?それよりも、まさか同年代にあの千葉家の人間がいたとはね。」

 

達也が話すと突然エリカが黙った。

 

エリカ「……。」

 

達也「すまない。」

 

エリカ「いいよ。ただ、私が千葉家の娘っていうことから色目で見られるのが嫌なだけだから。それに、どうやら達也くんにはもう相手がいるみたいだしね。」

 

美月「え?」

 

エリカ「だから、達也くんには――」

 

〈ただいまより、魔法大学付属第一高校の入学式を始めます。〉

 

―――――――――――――――――――

 

エリカ「達也くん、クラスどこ?」

 

達也「俺はB組だ。」

 

リーナ「私もよ。」

 

レオ「やっぱり同じクラスにはならないか。俺はEだったんだけどな。」

 

美月「まぁ、昼食時に会えますからね。」

 

エリカ「それより、ホームルーム見ていかない?」

 

達也「悪いな、妹と待ち合わせをしててな。」

 

レオ「ん?達也、妹なんていたのか?」

 

美月「新入生総代の司波深雪さんですか?」

 

エリカ「え?でも、2人は名字が…。」

 

リーナ「よくわかったわね。私でも、2人が兄妹なんて見分けられなかったのに…。」

 

美月「雰囲気というか、オーラが似ていて…。」

 

達也「(オーラ、ね。)本当に目がいいんだね。」

 

エリカ「ん?達也くん何いってるの?美月はメガネかけてるよ?」

 

美月「そ、それは――」

 

「お兄様!!」

 

リーナ「ハイ、深雪。さっきぶりね。」

 

達也「生徒会の方はいいのか?」

 

深雪「いいんですよ。そんなことよりも、なぜ私はお兄様と同じクラスでは無いのでしょうか…。ねぇ、水波ちゃん」

 

「深雪さんも大変ですね。」

 

桜井水波

四葉家調整体《桜シリーズ》の第二世代

戸籍上では、第一世代の桜井穂波を母に持ち、深雪とは従姉妹である。

今は深雪の護衛である。

 

深雪「当たり前でしょ、水波ちゃん。私がお兄様と同じクラスで一緒に学校生活を送るつもりでしたのに…。」

 

リーナ「は、はは…。(よかったー。深雪と違うクラスで…。)」

 

達也「深雪、生徒会の方々が待っているぞ、いいのか?」

 

真由美「いえ、大丈夫ですよ。」

 

「な!?会長、それでは予定が…。」

 

真由美「前から約束していたのならまた次に話せばいいわよ。それよりも、深雪さんから兄がいるって聞いたから誰だろうと思ったけど、貴方だったのね?」

 

達也「自分はある事情で養子に出されましてね。驚かれても仕方のないことですよ。」

 

真由美「でも、すごいわよね。この学年のトップスリーが全員知り合いなんて」

 

「え!?」

 

真由美の横にいた男の役員の人が大袈裟に驚いた(もちろん、友人の3人も)。

 

達也「少し恥ずかしいので黙ってもらってもいいですか?」

 

リーナ「そうね。少し恥ずかしいわね。」

 

達也「それに、俺とリーナは忙しいので生徒会やら風紀委員やら部活連やらには入らないので。」

 

真由美「そうですか…。確か貴方たちにはそれぞれ、部活連と教職員枠で風紀委員への加入を打診されていたのですが、代わりを探さなくてはなりませんね。……では、深雪さん、話はまた今度。達也くんもいずれまたゆっくりと。」

 

真由美は後ろの部下を連れて去っていった。

 

――――――――――――――――――

 

その後、エリカの提案で食事を共にした達也達はそのまま家に帰ってきた。

 

達也「ただいま帰りました。」

 

「おかえりなさい、達也くん。それに、リーナちゃんに深雪ちゃんも。水波ちゃんもご苦労様」

 

彼女は桜井穂波

四葉家の調整体《桜シリーズ》の第一世代。

戸籍上では水波の母になっている。

深夜の護衛兼お世話係、MST(マジック・スター・テクノロジー)では、社長である深夜の秘書をしている。

大学生な見た目だが、三十代後半。

達也が唯一心を開いている人間で、リーナは穂波に達也をとられるのではと少し脅えている。

 

真夜「遅いわよ、たっくん。」

 

達也「ただいま、母さん。」

 

四葉真夜

触れてはならない者(アンタッチャブル)】と言う異名で世界中に影響力を持つ四葉家の当主。

達也の母で、表では当主としての威厳を出すが、達也の前では甘える。

超絶親バカで、達也がリーナと言う恋人を連れてきたときにはお義母さんと言わせようとした(まだリーナは言えてない)。

 

深夜「おかえり達也。さっき牛山さんとかスターズの方々から連絡があったわよ。入学おめでとうだって。」

 

司波深夜

四葉家当主の姉で四葉分家の司波家当主。

MST日本支部の社長(ビジネスネームは明坂深夜(あけさかみよ))。

達也の叔母でこれも真夜と同じく達也大好き。

夫である、司波達郎とは既に離婚しているが、面倒事を防ぐために司波達郎をその愛人である司波小百合共々FLTで働かせている。

 

1つ加えておくが、FLTは四葉傘下の会社だが、MSTは四葉の会社でも、独魔の会社でも、スターズの会社でもない。

MSTは達也の会社で、3つの勢力はそれを支えているだけである。

 

達也「そうですか。ありがとうと返しておいてください。」

 

リーナ「今日は深夜さん達はこっちで食事ですか?」

 

真夜「今日はお祝いよ、一緒に食べましょう。」

 

ちなみに、達也たちの家と深雪たちの家は隣同士で地下で繋がっているため移動が楽。

 

真夜は達也たちの家に住んでいる。

 

 




終わりが変でしたが、次回は達也とリーナがB組に入ります。

達也を風紀委員に入れるかどうか。

  • 入れる
  • 入れない

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。