星々の王と妃   作:旭姫

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二章 第十話 討論会と襲撃

討論会は放課後に行われた。

 

会場となる講堂には一科生と二科生がちょうど半分半分になるように揃っていた。

 

中には例のリストバンドをした二科生も数人

 

達也「壬生先輩たちがいませんね。」

 

摩利「やはり実働部隊でもいるのか?出てきてくれたら楽なのだが…。」

 

鈴音「戦うことを前提にしないでください。」

 

摩利「わかってるわ。…それより、達也君の背中に持ってる槍はなんだ?」

 

達也「これは俺の相棒です。」

 

摩利「なぁ、鈴音。達也君は私よりも戦う気満々じゃないか?」

 

鈴音「…なんか、そう見えてしまいますね。」

 

達也「俺の予想では確実に彼らは動きます。(いっそのこと全員この中にいてもらおうかな?)」

 

鈴音「とにかく、始まりますよ。」

 

 

討論会は真由美の独壇場だった。

 

二科の代表者は「二科生はあらゆる面で一科生より差別を受けている。」とかしか言わなかったが、真由美がそれを完全論破したのだ。

 

そして―

 

真由美「一科生(ブルーム)二科生(ウィード)

 

この言葉は校則として禁止しています。

 

しかし、校則で禁止していても未だに使用している人が多いです。

 

一科生はブルームという言葉で優越感に浸り、二科生はウィードという言葉で劣等感に浸る。

 

その壁こそがいけないのです。

 

なぜなら一科に二科も関係なく、この三年間は誰にとっても大切なものなのですから。」

 

その時に起きた拍手はまるでアイドルのライブ終わりのような歓声に満ちた拍手だった。

 

―爆発音がなるまでは。

 

達也「先輩!!」

 

摩利〈全風紀委員に告げる!至急同盟メンバーを拘束しろ!!〉

 

真由美「危ない!!」

 

真由美の声が講堂中に響くと、窓からスタングレネードが落ちてきた。

 

しかし、それは爆破することはなく、魔法によって外に戻された。

 

達也(収束系に移動系魔法か。あの先輩やるな。)

 

深雪「お兄様。」

 

達也「渡辺先輩、俺は外に行きます。」

 

深雪「私も行きます。」

 

達也「わかった。」

 

侵入してきたテロリストは達也が持っていた槍で突き刺して行く。

 

達也「レオ!!」

 

レオ「達也か?なんの騒ぎだ?」

 

エリカ「レオ~!!って、あれ?もう終わってた?」

 

深雪「こんなことにお兄様の御手を煩わせるわけにはいかないわ。」

 

エリカ「そんなことよりも、これはどうなってるの?」

 

達也「校内にテロリストが侵入した。」

 

レオ「物騒だな。」

 

エリカ「ってことは、手加減不要?」

 

達也「うちの生徒じゃなければな。」

 

エリカ「オッケー。」

 

達也「武道棟と図書館か。敵は一体…。」

 

「図書館よ。」

 

達也「小野先生。」

 

レオ「は、遥ちゃん?」

 

エリカ「最低ね。」

 

達也「理由を聞いてもいいですか?」

 

遥「却下します。と、言いたいところだけども、それよりもお願いがあるの。カウンセラーとして、壬生さんにチャンスをあげて欲しいの。」

 

達也「甘いですね。行くぞ。」

 

レオ「おい、達也。」

 

達也「余計な情けで怪我をするのは自分だけじゃないんだよ。」

 

エリカ「なるほどね。」

 

図書館についた達也達は無事に、実行犯達を捕まえて克人達の所に向かった。

 

達也のみは克人達に壬生を渡した後にそのまま帰宅した。

 

 





次回で入学編ラストだと思います。

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