星々の王と妃   作:旭姫

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二章 第十一話 ブランシュ殲滅戦

達也は今とある車の中にいる

 

その車は藤林響子が用意した車で中には達也の他に運転してる響子、そして真夜の代理として穂波が乗っていた。

 

達也「響子さんはそのまま運転しててください。門は今消します。」

 

達也は『雲散霧消(ミスト・ディスパージョン)』を放って門を消した

 

達也「響子さんは車の守護と出てきた残党の処理、穂波さんは裏口から侵入をお願いします。そして、俺は正面から入ります。」

 

響子「任せてちょうだい」

 

穂波「わかりました。」

 

達也は正面の入り口から堂々と侵入した。

 

達也(いないな。待ち伏せか?まぁ、いい。出てきても俺のこの槍で刺し殺す)

 

達也が大きな扉を開けると、数人の男達が立っていた。

 

「ようこそ、風間達也くん。」

 

達也「お前が司一か?」

 

一「その通り、私がブランシュ東日本支部のリーダーにして総帥の司一だよ。」

 

達也は槍ではなくシルバーホーンを取り出して、宣言する

 

達也「そうか。なら、銃を捨てて投降しろ。」

 

一「魔法が一番だと思っているならそれは勘違いだよ。…弟が報告してきた君のアンティナイトを使用しない〈キャスト・ジャミング〉の理論は素晴らしい。これなら今回の被害の埋め合わせも出来る。」

 

達也「なるほど。壬生先輩を俺に会わせたのも、弟を使って襲ってきたのも、これの為か。」

 

一「その通り。さて、風間達也、私の仲間になれ!!」

 

一の目が怪しく光る

 

一「ハッハッハ、さて、お仲間の場所を教えろ?」

 

達也「『邪眼(イビル・アイ)』か。変則的な光信号で相手を惑わせ、洗脳させる。確か、ベラルーシ辺りが積極的に研究してた三流魔法か」

 

一「な、なぜ?」

 

達也「眼鏡を投げる右手に意識を向けさせて、左手でCADを操作する。…だが、魔法式が見えている以上、壊すのは簡単だ。」

 

一「ば、馬鹿な。貴様の対抗魔法は〈キャスト・ジャミング〉では無かったのか?」

 

達也「化けの皮が剥がれてるぞ。お前の二人称は君じゃなかったのか?」

 

一「う、撃て~!!」

 

達也「無駄だ。」

 

達也は『流星群(ミーティア・ライン)』で部下の持つ銃を破壊した。

 

一「こ、この魔法は。ま、まさか。ひ、ひぇ~。」

 

達也「はぁ、司一は後にしてお前達は楽に逝かせてやる。」

 

すると、辺りが冷気に包まれる

 

「こ、この魔法は。振動系、冷却魔法の『ニブルヘイム』」

 

部下達は意識を凍らされた。

 

――――――――――――――

 

達也は司一を追って最後の大きな扉の前までやってきた。

 

達也は扉の前で敵の銃に狙いを定め、銃を分解した。

 

そのまま部屋の中に入っていく

 

すると、部屋にジャミング波が流れる

 

一「どうだい、魔法師。本物の〈キャスト・ジャミング〉は?」

 

達也「(大量のアンティナイト、ということは)雇い主(パトロン)はウクライナ・ベラルーシ再分離独立派、雇い主のスポンサーは大亜連合か。」

 

一「だからなんだ。おい、やれ。」

 

達也(ちっ、結局使うことになるのか。)

 

達也は竜殺しの槍(ゲイ・ボルグ)を取り出して司一以外を刺し殺していく。

 

穂波「これでラストですか?達也君。」

 

達也「ええ。後はこいつを連れていくだけです。」

 

達也は『邪眼』で司一を眠らせて、響子と穂波を連れてブランシュのアジトを後にした。

 

その後、響子の所属する独立魔装大隊が後処理をして、その場を去った。

 

克人達がその建物についたのはそれから三十分後のことだった。

 

―――――――――――――

 

エガリテに所属していた二科生は司一の洗脳状態にあったとされているために、入院することになった。

 

中でも、司一の弟であり、エガリテのリーダー的存在だった司甲は洗脳による支配が長かったために入院する期間も長く、さらに自主退学が決まったらしい。

 

―――――――――――――

 

一ヶ月後

 

達也は深雪とリーナを連れて、病院に来ていた

 

理由は達也の友人である、壬生紗耶香の退院日だからである。

 

達也「お久しぶりです、紗耶香さん。」

 

壬生「あ、達也君。久し振り。私桐原くんと付き合うことになったんだ~。」

 

達也「そうですか。おめでとうございます。」

 

桐原「なぁ、風間、ちょっといいか?」

 

達也「なんでしょうか?桐原先輩。」

 

桐原「壬生の好物を教えてくれないか?」コソコソ

 

達也「直接聞いてくださいよ」コソコソ

 

壬生「ちょっと、二人とも。何私抜きで喋ってるのかしら?」

 

達也「まぁまぁ、それよりも、退院おめでとうございます。それと、桐原先輩。俺の友人である紗耶香さんを泣かせたら許しませんから。」

 

壬生「泣かされたら達也君に慰めて貰おうかな。」

 

桐原「壬生を泣かせないと誓おう」

 

リーナ「そういえば、達也はいつから壬生先輩と仲がよかったのかしら?」コソコソ

 

達也「それは……紗耶香さんのお父上が内情の職員で何回かお会いしたことがあって、その時に知り合った。」コソコソ

 

リーナ「なるほどね。」

 

「久し振りだね、達也君。」

 

達也「壬生さん。お久しぶりです。」

 

壬生父「少しいいかな?」

 

達也「はい。じゃあ、リーナ。深雪と話して待っててくれ。」

 

 

壬生父「娘を救ってくれてありがとう。」

 

達也「いえいえ、俺も紗耶香さんが無事でよかったです。」

 

壬生父「君は相当怒っていたようだね。…残党達の刺突後でよくわかったよ。」

 

達也「そうですね。……俺にはこの後、国際魔法協会に報告する義務があるので。では、失礼します。」

 

壬生父「うむ。」

 

 

壬生「達也君、今回は何を話してたの?」

 

達也「ちょっとね。」

 

 

――――――――――――――――

 

達也は司一の供述を叔母の深夜経由で聞いた後に国際魔法協会に報告した。

 

国際魔法協会には達也が四葉真夜の息子であることを知ってる者が多いため、そのままの状態で報告を終え、無事にブランシュ事件は終了した。





というわけで、入学編終了です。

次回から九校戦編に入ります。

(もしかしたら間に番外編を挟むかも知れないです。)

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