星々の王と妃   作:旭姫

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三章 第七話 競技前と侵入者

懇親会を終えた達也はCADの調整をしていた。

 

啓「風間くんももう上がったらどう?君は3日目からでしょう?」

 

達也「そうですね。では、五十里先輩は?」

 

啓「僕は残るよ。明日からの競技にもエンジニアとして出るからね。」

 

達也「そうですか。では、お先に失礼します。」

 

達也は作業者を出ると、庭を歩いていた。

 

達也(……!?)

 

達也は迫り来る悪意を感じて『精霊の眼(エレメンタル・サイト)』で確認をした。

 

達也(武装した賊が3人と……あれは幹比古か?)

 

達也は3人の賊と幹比古を視認した

 

達也(……それでは間に合わない)

 

達也は賊の元へ走り出した。

 

―――――――――

 

幹比古がそれを発見したのは精霊のお陰だった。

 

幹比古は中庭で精霊魔法の練習をしていた。

 

かつて【吉田家の神童】と言われた彼は数年前に自分の力を過信した為に竜神を呼び出そうとして、失敗している。

 

その失敗が原因で彼は元の力が出せなくなってしまっていた。

 

幹比古(あの時よりも……強く。)

 

その時、彼の出していた精霊が光った。

 

幹比古「害意!?……近くにいる。(僕だってやればできるんだ。)」

 

幹比古は賊の捕縛を決め、賊の元に駆け出した。

 

幹比古「賊は三人、なら…。」

 

幹比古は呪符をとりだし、『雷童子』を放つ

 

『雷童子』が放たれる前に賊の拳銃が分解される

 

賊に『雷童子』が直撃し、気絶する。

 

幹比古「(今のはいったい…。)……誰だ!?」

 

達也「俺だ、幹比古。」

 

幹比古「達也!?」

 

達也「気絶しているな…。いい腕だ。」

 

幹比古「達也が助けてくれたからだよ。」

 

達也「お前は何か勘違いしてないか?……今のお前がもっとできると思うのはやめておけ…。」

 

幹比古「達也には言ってもわからないよ。」

 

達也「術の発動速度か。」

 

幹比古「!?……エリカから聞いたのか?」

 

達也「俺の眼は魔法式を読み取ることができる。はっきり言うぞ。今のお前自身には問題はない。…問題があるとすれば、それはその術式だ。」

 

幹比古「君は吉田家の魔法術式を否定するのか?」

 

達也「根本を否定しているわけではない。……俺が気になるのは何故そこまで偽装を多くつけているのかだ。……CADで高速化された現代に術の偽装は要らないはずだが。」

 

幹比古「君に言っても変わらないよ…。」

 

達也「俺がお前の術式を直してあげようか?」

 

幹比古「いいのかい?」

 

達也「九校戦が終わった後でいいか?」

 

幹比古「ああ。それでいいよ。僕は警備員を呼んでくる。」

 

達也「ああ。頼む。」

 

幹比古がいなくなると、達也は影に向かって話しかけた。

 

達也「そこにいるのでしょう?速く出てきてくださいよ。」

 

「気付いていたのか。……それにしても中佐殿にしては随分優しげなアドバイスですね。」

 

達也「今は階級で呼ばないでくださいよ。義父さん。」

 

風間「それもそうだな。それより、この賊は我々が預かろう。」

 

達也「お願いします。」

 

風間「後は任せてくれ。……明日また話そう。みんなお前と会いたがっていたぞ。」

 

達也「わかりました。……では、また明日会いましょう。」





次回から競技スタートです。

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