星々の王と妃   作:旭姫

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三章 第十話 リーナの初陣

二日目

 

この日は本戦クラウド・ボールが午前中に、午後に本戦アイス・ピラーズ・ブレイクがある。

 

本戦クラウド・ボール

 

テニスの魔法を使う版の競技であるクラウド・ボールはいたってシンプル。

 

大まかなルールはテニスと同じで相手のコートに球を弾いて、ポイントを競う競技。

 

この試合には七草真由美が登場する。

 

達也達は今日は将輝達と観戦している。

 

今回は深雪と水波も一緒である。

 

ちなみに、水波と愛梨はあってすぐにライバル宣言をしていた。

 

真紅郎「達也とリーナは午後から試合でしょ?大丈夫なの?」

 

リーナ「私を誰だと思っているのかしら?このくらい余裕よ。」

 

達也「まぁ、リーナ次第ではあるがな。……にしても、会長は相変わらずだな。」

 

リーナ「やっぱり何か勘違いしているんじゃないのかしら?」

 

将輝「愛梨、大丈夫か?」

 

愛梨「私が緊張するとでも?」

 

栞「新人戦のクラウド・ボールにでる愛梨さんは本戦の七草選手の研究ですか?」

 

達也「その場から動かない七草会長の動きを研究しても意味ないと思うけどな。」

 

愛梨「相性の問題よ。…私はコートを動き回って球を叩き切るように返すけど、七草真由美はその場から一歩も動かずに的確に球を返している」

 

水波「私は相性としては愛梨さんに対して有利かもしれません。」

 

達也「確かに、そうかもな。」

 

真紅郎「始まるよ。」

 

試合は七草真由美の一方的な展開だった。

 

達也「ベクトルを反転させる『ダブル・バウンド』か。」

 

真紅郎「『ダブル・バウンド』だけで、勝っている所を見ると、相当試合慣れしているんだね。」

 

達也「何よりも、その精度がすごい。」

 

深雪「お兄様がこれ程の研究者気質なのは知っていますが、吉祥寺さんもこんな感じなんですね…。」

 

将輝「俺もよく話に着いていけないことがあったよ。」

 

深雪「そ、そうですか…。お兄様は暇さえあれば研究って感じの人ですから、やはり同じように研究気質な方がいると話し込んじゃいそうですね。」

 

愛梨「達也と真紅郎は長い時だと半日話してることがあるわよ。」

 

リーナ「2人が会話している横で遊んでて、日が暮れて帰ろうと2人のこと見たら、まだ話してるのよ?」

 

愛梨とリーナの感じから冗談じゃないことを察して深雪と水波と栞と沓子は苦笑いをしていた。

 

その後、七草真由美は全試合を『ダブル・バウンド』だけで無失点の完全試合を成し遂げて、優勝した。

 

―――――――――――――――

 

クラウド・ボールを観戦していた達也とリーナは控え室にいた。

 

達也「調子はどうだ?」

 

リーナ「バッチリよ。にしても、いいの?これを使ったら試合にならないわよ?」

 

達也「危なくなったら使えって意味だ。それに、変わりにあれをいれたろ?それを使えば良いだろう。」

 

リーナ「そうね。……それよりも、この服どう?」

 

リーナは赤色のドレスを着ていた。

 

達也「もちろん、可愛いよ。今すぐにでもお持ち帰りしたいくらい。」

 

リーナ「……そう。(お義母さんに選ぶの手伝ってもらってよかったわ。)」///

 

もちろん、お義母さんとは達也の母の四葉真夜である。

 

達也「さて、勝ってこい。」

 

リーナ「もちろん。」

 

――――――――――――

 

本戦アイス・ピラーズ・ブレイク

 

自分と相手の計24個の氷柱を壊しあって先に自分の氷柱が全て壊れた方が負けという競技である。

 

なお、この競技は魔法の使用制限であるレギュレーションが無く、戦略・戦術級の威力でなければ、どんな魔法でも使用可能なのである。

 

第一高校からは男女ともに3人であり、男子は十文字家次期当主十文字克人が、女子は千代田花音と、一年生にして本選出場した工藤利奈が出場する。

 

―――――――――――――

 

リーナは女子の部の予選第一試合を一番最後に行った。

 

リーナの相手は五高の3年生だ。

 

七草真由美side

 

真由美「この試合が達也君の技術力を知れる試合になるのね。」

 

鈴音「そうですね。……それよりも、会長は終わったばかりなのに休んでなくて良いんですか?」

 

摩利「さっき終わったばかりじゃないのか?」

 

真由美「別に良いでしょう、期待の新人を見に来ても。」

 

摩利「それで倒れても知らんからな。」

 

リーナが会場にでてくると、うるさかった観客席が静まり返った。

 

摩利「……。あの服すごいな。」

 

真由美「達也君と一緒に選んだのかな?」

 

摩利「達也君が動揺する姿が目に……あまり浮かばないな。」

 

摩利は達也の動揺した姿が想像つかなくて考えるのをやめた。

 

真由美も鈴音も摩利と同じような状態だったらしい。

 

やがて、試合が始まると、試合は一瞬で終わった。

 

リーナが使った魔法は重力系魔『クラッシュ』

 

この魔法は名前の通りただ透明な板を作ってそれで対象を押し潰すだけの達也が考えたオリジナルな力技である。…っと、見た人は思うだろう。

 

だが、その本質は対象範囲の上空で重力を圧縮して落とす(・・・)魔法である。

 

もちろん、これを誰一人としてわかることは無く、観客はただただ恐怖した。

 

真由美「……。」

 

摩利「……一瞬だったな。」

 

鈴音「あれは風間君が開発した重力系魔法…だそうですよ。」

 

真由美「何でもありなのね。……本当に達也君がうちに来てくれてよかったわ。」

 

摩利「一条達と友人らしいからな。最悪、三高に渡っていたかもしれない。」

 

真由美「そう考えると本当に幸運だったわね。」

 

鈴音「うちに来てくれたことに感謝しましょう。」

 

その後の予選も全て『クラッシュ』で終わらせたリーナは予選を突破した。

 

ちなみに、千代田花音と十文字克人は観客の予想通りに予選を突破した。

 

後程公開されたトーナメント表によって、千代田花音とリーナが当たるのは決勝戦になった。




〈解説〉

『クラッシュ』

達也が開発した重力系魔法で、

対象の範囲の上空の重力を操作して、あたかも押し潰されたかのように壊す魔法。

レギュレーションで考えたらA級はくだらないレベル魔法。


オリジナル魔法を出しました。

ちなみに、達也とリーナの試合前の会話の魔法とは、

これ=リーナの代名詞『ムスペルヘイム』

あれ=新魔法『クラッシュ』です。

次回はバトルボードの事故です。

アイス・ピラーズ・ブレイクの決勝まで行けたらいいなと思っています。
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