星々の王と妃   作:旭姫

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投票はたぶん次回で締め切ります。



三章 第二十三話 モノリスコードの事故

大会八日目、新人戦四日目

 

この日は男子の方で新人戦モノリスコードの予選、女子の方で新人戦ミラージ・バットが、行われる。

 

ちなみに新人戦ミラージ・バットのエンジニアを勤める達也は朝の予選と夜の決勝までの間で休息をとることに決めてその日の活動に参加した。

 

新人戦ミラージ・バット

 

予選は全3試合あって、それぞれのグループで上位2名とその他の中で一番得点の高い人1人の、計7人が決勝に進出できる。

 

第一高校からは深雪、ほのか、スバルの3人が出る予定だったが、深雪が本戦に移動した為、一高からはほのかとスバルの2人だけが出場する。

 

第一試合にほのか、第三試合にスバルである。

 

第一試合

 

この試合はほのかが〈〝光〟のエレメント〉の末裔としての力でポイントを稼いで行って圧倒的得点差で勝った。

 

第三試合

 

この試合は達也の調整が目立った。

 

出だしは同じだが、スバルのやつが圧倒的に速かったのだ。

 

これには周りも、

 

「まただ、また一高が速い!!」

 

「まるで、〝トーラス・シルバー〟じゃないか!!」

 

この言葉には技術スタッフのエースでもあるあずさも疑いを持ち始めた。

 

(『フォノン・メーザー』、『氷炎地獄』、『ニブルヘイム』、『ムスペルスヘイム』。どれも、A級魔法師にしか術式が公開されていない魔法。…そして、最新の技術に、新しい魔法のオンパレード)

 

そこで、あずさは以前、達也に聞いたトーラス・シルバーの予想に関しての言葉を思い出した。

 

「意外と、俺達と同じ、日本の青少年かも知れないですね。」

 

そのとき、全ての辻褄があったような気がして混乱し始めた

 

(まさか……まさか……まさか!?)

 

疑問を残したまま、第一高校は2人とも決勝進出を決めた。

 

 

予選が終わり、休息をした達也はテント前がやけに騒がしいことに気付いた。

 

(今はモノリスコードの時間、それに一高の相手は四高だ。……何故、こんなに騒がしいんだ?)

 

そのとき、達也はテントから雫と深雪、リーナが一緒に出てきたのに気付いた。

 

達也「あ、深雪。」

 

深雪「お兄様!!」

 

達也「何かあったのか?」

 

深雪「森崎くん達が、瓦礫の下敷きに…。」

 

リーナ「それじゃあ、伝わらないでしょうが。…うちの選手が試合中に市街地フィールドで『破城槌』を受けたのよ。」

 

達也「……!?屋内ではレギュレーションが上がるあの『破城槌』をか?」

 

深雪「はい…。事故だと思うのですが…」

 

雫「いや、あれは明確なルール違反だよ!!だって、開始直後にだよ!!ルール違反以外にあり得ないよ!!」

 

達也「ちょっと、落ち着いて。」

 

真由美「達也君。ちょっと、いいかな?」

 

達也「なんでしょうか?」

 

真由美が口籠ったので達也は奥のスペースに真由美と入り、『遮音障壁』を展開して、話を始めた。

 

達也「改めて何があったのか教えていただけませんか?」

 

真由美「試合開始直後に、『破城槌』を受けて、森崎くん達が重症で病院に搬送されたのよ。」

 

達也「『破城槌』は室内では、レギュレーション規定違反になるはずです。」

 

真由美「四高側は『破城槌』を入れてないそうなのよ。」

 

達也「ということは…不正工作…ですかね?」

 

真由美「ねぇ、達也君。今回の件…」

 

達也「ブランシュとは別件ですよ。…口止めされていましたが、九校戦前にここに賊が入り込みまして…。ある程度なら正体を知っています。」

 

真由美「それって…。」

 

達也「香港系の犯罪シンジケートらしいですよ。組織名は知りませんが…。」

 

真由美「なぜそれを……そっか、軍に知り合いがいるんだったっけ?」

 

達也「ええまぁ。そうですね。とにかく、オフレコで頼みますよ。」

 

真由美「分かったわ。ありがとね、達也君。」

 

達也は『遮音障壁』を解除してテントを後にした

 

―――――――――――――――――

 

達也はミラージ・バットの決勝までの間、自室で電話をしていた。

 

「―そっか、それは大変だったね。」

 

達也「そうだな、ブランシュの次は〈無頭龍(ノー・ヘッド・ドラゴン)〉とは、この国も随分トラブルに愛されているよな。お前もそう思うだろ?レイ」

 

相手はレイモンドだった。

 

達也「それで、今回の事故。どう思った?…既に結論まで調べてたりしてな」

 

レイ「どうやら、無頭龍の工作員による妨害工作だったみたいだね。…大会委員会に裏切り者がいる。」

 

達也「なるほど。…そいつはおそらくレギュレーションチェック要員だろう。だから、そいつを現行犯で捕まえて、叩き潰そうか。」

 

レイ「潜伏先は分かっているのかい?」

 

達也「始まる前にもらったやつがあるが…もしかしたら移動しているかもしれないな。……調べてくれるか?」

 

レイ「分かった。……見つけたら送るよ。」

 

達也「了解、いつもありがとうな。」

 

レイ「そんなことはないよ。MSTでの研究も楽しいからね。タツヤには感謝しかないよ。」

 

達也「そうか?俺は趣味で作ったようだし、実際起業したのは伯母である深夜さんだから。」

 

レイ「MSTの会長がよく言うよね。」

 

達也「やめてくれって。」

 

レイ「それにしても、あの一条将輝と引き分けね…。…『分解』も『流星群』も使えないとなるとそれが妥当かな?」

 

達也「将輝と引き分けただけでも俺はすごいと思ってんだけどな。」

 

レイ「そうだね。……じゃあ、そろそろ切るよ。そっちはそろそろ試合でしょ?エンジニア頑張ってね。」

 

達也「ああ。じゃああの件、頼んだよ。」




次回は、ミラージ決勝とモノリス代役です。

投票は次回までなので、投票よろしくお願いします。

では、また次回。

新人戦モノリスコード代理選手案

  • 達也&幹比古&レオ
  • 達也&幹比古&鋼
  • 鋼&幹比古&レオ
  • 達也&幹比古&エリカ
  • 達也&幹比古&リーナ

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