星々の王と妃   作:旭姫

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そういえば、読んでて違和感があった人のために1つだけ

新人戦バトルボードに出てた筈の水波さんは新人戦クラウドボールでの疲労でリタイアしました。

(ちなみに作者は水波をクラウドボールで書き尽くした感があって、自分の作品を読み直してやっと気付きました。…申し訳ありません。)

では、予定どおり、大会九日目です。


三章 第二十五話 モノリスコード予選

大会九日目、新人戦五日目

 

この日は新人戦モノリスコードが行われる。

 

第一試合は延期になった一高からはじまる。

 

なお、四高は昨日のルール違反により棄権となった。

 

また、一高は四高、八高、二高、と同じグループでその上位二校が決勝リーグに進出できる。

 

最初の試合は一高VS八高だ。

 

今回の異例の事態によって、一高が残りの試合を勝つと、現在二位である二高が決勝リーグ入り出来ず、また一高が1試合負けると、今度は八百長を疑われる

 

真由美「ということで、うちが全部負ければ丸く収まるのだろうけど…。」

 

達也「関係ありませんよ。勝つだけです。…それに、将輝とは決着をつけたいと思っていたのでちょうどよかったですよ。」

 

真由美「そう、がんばってね。」

 

真由美は達也を見送って、テレビ画面に意識を向けた。

 

 

将輝「まさか本当に出てくるとは…。それよりも、男子限定じゃなかったか?」

 

真紅郎「厳密には性別の制限はないらしいよ。」

 

将輝「そうなのか…。にしても、達也とリーナか。あの最強コンビが出たらほぼ無敵じゃないか?」

 

真紅郎「達也は使える魔法が制限されてるから今の実力は将輝と比べて少し劣るくらいだから、達也と一対一なら勝ち目はあるよ。」

 

将輝「だな。とにかくまずは試合を見ようぜ。」

 

真紅郎「相手は森林戦が得意な八高……まぁ、達也とリーナの前では通用しないけどね。」

 

 

達也「(将輝と真紅郎も観戦してるのか…)…これは手を抜くのは難しいな。」

 

リーナ「ん?なにか言ったかしら?」

 

達也「いや、それよりも、作戦通りに行こう。」

 

リーナ「じゃあ私が先ディフェンスやるわ」

 

達也「了解」

 

 

試合が始まると、達也と幹比古が森に入っていった。

 

達也は木の幹の上を飛びながら高速で進んでいく。

 

そして、見付けた選手に、基礎単一系振動魔法を放ち、1人を気絶させた。

 

一方、もう1人の八高選手は耳鳴りのような不快な音に違和感を覚えつつも森を彷徨っていた。

 

しかし、一向に敵が現れない。

 

これが幹比古の精霊魔法『木霊迷路』である。

 

『木霊迷路』とは、超高周波と超低周波を交互に発信する精霊を配置し相手の三半規管を狂わせ方向を見失わせる魔法で、術者はその効果で見えなくなっている。

 

さらに、追い討ちをかけるように、幹比古は『雷童子』を的確に命中させて倒す。

 

後方では、一高モノリスをリーナが守っていた。

 

近くにはタイミングを探る八高選手の影も見える。

 

リーナはその影に照準を合わせて、基礎単一系移動魔法でその選手を飛ばした。

 

そして、そのままその選手は意識を失って倒れる。

 

そして、八高選手が全員戦闘不能になった為、試合終了の合図が出た。

 

 

将輝「手抜きが過ぎないか?」

 

真紅郎「達也は基礎単一系振動魔法、リーナは基礎単一系移動魔法。どちらも誰でも使える魔法だね。」

 

将輝「ああ。それに、極めつけは吉田幹比古だ。」

 

真紅郎「【神童】の名は健在だったね。」

 

将輝「ああ。決勝が楽しみだ。」

 

 

真由美「今の試合どうだった?」

 

摩利「戦い方に隙がない。……戦いなれてる感じだった。」

 

真由美「それって達也君は実戦経験が豊富だってこと?」

 

摩利「達也君だけじゃない、工藤もだ。」

 

真由美「…!?」

 

真由美は世界最強の戦闘魔法師の1人である千葉修次と恋人でそういう感覚に鋭い摩利の言葉に驚きを示した。

 

克人(やはりあいつは……。)

 

克人は克人で達也に対する疑惑が確信へと至っていった。

 

 

次の試合は一高VS二高である。

 

達也「幹比古、『視覚同調』は使えるか?」

 

幹比古「達也はそんなことまで知っているのかい?」

 

達也「まぁな。それよりどうだ?」

 

幹比古「『五感同調』までは無理だけど視覚と聴覚は出来るよ。」

 

達也「視覚だけでいいんだがな。…じゃあ、今回はリーナがオフェンスな。」

 

リーナ「了解」

 

一高VS二高は事故があった市街地フィールドになった。

 

試合が始まると、3人は通信機をつけてそれぞれの持ち場についた。

 

リーナ『ついたわ。』

 

幹比古『了解!』

 

リーナは誰でも使える精霊魔法『精霊喚起』を放って幹比古がその精霊と『視覚同調』をする。

 

幹比古がモノリスを探す。

 

達也は自身のモノリスに攻めてきた二高生の移動魔法を『術式解体』で破壊して、逆に二高生に高速で接近し、『幻衝(ファントム・ブロウ)』を当てて倒す。

 

達也「1人チェックした。あと2人だ。」

 

『『了解』』

 

リーナはモノリスを探しつつ、敵を撹乱するために建物と建物の屋上を飛び越えながら進んでいた。

 

幹比古『見付けたよ、場所は―』

 

リーナ「わかったわ。」

 

リーナは指定された場所の1つ上の階から解除用無系統魔法を放ち、モノリスを開ける。

 

すると、その魔法を知覚して二高ディフェンスがリーナに迫る

 

二高選手は『鎌鼬』で風の刃をリーナに飛ばす

 

それをリーナはもともとの身体能力でかわす

 

その隙に、幹比古が精霊を介してモノリスのコードを打って、試合が終わった。

 

試合を見ていた達也達の協力者である独立魔装大隊の軍医山中少佐と副官藤林少尉はこの試合を見ていた

 

「達也のやつ、手抜きが過ぎないか?……基礎単一系の系統魔法と威力の弱い『幻衝』だろ。」

 

「『分解』はうちと四葉とスターズが隠してる軍事機密指定魔法ですし、『精霊の眼(エレメンタル・サイト)』は使ったらまず怪しまれるでしょう。まぁ、『精霊の眼』に関しては第六感と言えば怪しまれはしないでしょうけど」

 

「一般人相手ならだけどな。…しかし、あちらの御老人には通用しなさそうだけどな。」

 

「その心配はございませんよ。お爺様は達也君の魔法を知っていますから問題ありません。」

 

「にしても、問題は【星妃】…シリウスの方だ。」

 

「リーナちゃん…あんなに出来たのね」

 

「基礎身体能力は達也と変わらないのか…さすがはシリウスの称号を受けしものだな。」

 

「これにはお爺様も大喜びでしょうね。」

 

「やはり孫を持つと孫の成長を楽しむものなのかな」

 

「さぁ、私には子供すらいませんからわかりませんよ。」

 

「まぁ、軍属でいる間は子供なんて出来ないもんな。しょうがない。」





次回は準決勝からです。

……そして、バトルボードの件は本当に申し訳ありませんでした。

では、また次回。

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