星々の王と妃   作:旭姫

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三章 第二十七話 決戦前の一幕

一高VS九高は渓谷ステージになった。

 

試合が始まると、湖が霧で覆われた。

 

しかし、これは自然現象ではない。

 

『霧壺』

 

幹比古の使った古式魔法で、指定した範囲の飽和水蒸気量に関係なく霧を発生させる魔法である。

 

達也「リーナ」

 

達也は手をリーナに出す。

 

リーナは達也の手を取る。

 

そうすると、リーナは達也の視野を得た。

 

達也の『精霊の眼(エレメンタル・サイト)』は達也の特殊な目だが、相手に自分の想子を流すことで、自身の視野を相手に共有することができる。

 

リーナはその確認した視野で武装一体型CAD『小通連』を起動して2人倒す。

 

2人を倒したことで、達也がリーナから離れ、相手のモノリスを解除する。

 

そして、幹比古が精霊を使ってコードを入力して試合が終了した。

 

試合が終わってから少し経った後、達也の姿は入り口前にあった。

 

響子「お待たせ。」

 

達也「ありがとうございます。」

 

響子「何が入ってるの?」

 

達也「これはですね、魔法の効果が入りやすくなる魔法陣を織り込んであるんです。」

 

響子「なるほどね。…決勝は将輝君が相手だから今までのようには行かないと思う。……だけど、負けないでね?」

 

達也「もちろんです。……それと、実はお願いがありまして、〈無頭龍(ノー・ヘッド・ドラゴン)東日本支部〉の場所を調べてください。」

 

響子「もう既に聞いてるんじゃないの?」

 

達也「もしかしたら移動してる可能性があるので。」

 

響子「一日頂戴。調べてくるから。」

 

達也「ありがとうございます。」

 

響子「じゃあね、試合頑張ってね。」

 

達也「はい!」

 

――――――――――――――

決勝戦は一高VS三高、会場は草原フィールドになった。

 

真由美「もう、新人戦の優勝は確定したから別に無理に勝たなくてもいいのよ?」

 

達也「関係ありませんよ。将輝には勝ちます。…その後のやつは貴女方十師族がやってくれるのでしょう?」

 

克人「もちろんだ。お前を十師族のことには巻き込まん。…何か言われても俺が責任取る。」

 

達也「その言葉忘れないでくださいね?」

 

真由美「決勝は草原フィールドだけど、勝ち目あるの?」

 

達也「将輝は先ほど俺に対して挑発してきたのでそれに乗れば勝ち目はありますよ。…真紅郎の魔法もわかりますし、問題はないでしょう。」

 

克人「風間。今は試合のことだけを考えろ。後の事は考えるな。」

 

達也「…後処理はお願いしますね。」

 

達也はそのままテントを出ていった。

 

真由美「どう思う?」

 

克人「今までの動き方や戦術。プロ顔負けの調整技術。それに一条や吉祥寺、一色といった二十八家の関係者との友好関係を持つ。…そして、工藤はあの九島家(・・・)を思い浮かばせる。風間もそうだが工藤も隙がない……怪しいな。」

 

真由美「……!?それはあの2人が十師族の関係者だと思っているの?」

 

克人「その可能性は無いとは限らない。」

 

真由美「そう…。そういえば、家の情報網で調べても目立った物は何も出なかったわ。」

 

克人「そうか…。」

 

真由美「これは師族会議が荒れるわね。」

 

 

一方、達也と将輝の試合を観戦しようとVIP席に座っていた九島烈はとある女性と会っていた。

 

烈「まさか君自ら会いに来るとはね。それほどまでに達也君の事が心配なのか?真夜」

 

現在、達也の事を知っているのは二十八家の中でも、一条家、一色家、四葉家、七宝家、そして九島家(九島烈のみ)である。

 

真夜「もちろんですわ、先生。何せ、達也は私の息子ですし、リーナちゃんは娘になるのですよ?」

 

烈「そうだな。それよりも、達也は面白いな。…渡米させたことを惜しく感じるよ。」

 

真夜「それは同意見ですが、ああでもしないと家の馬鹿達がうるさいので、それに海外なら襲われる心配もありませんから。」

 

烈「そうだね。にしても、達也君と将輝君か。どっちが勝つかね?」

 

真夜「例え、力を制限されていても達也なら勝てますわ。…氷柱倒しは惜しくも引き分けでしたが、これなら達也に軍配があがりますわ。それに、達也にはこっそりとメールでばれない程度に本気を出しても構わないと送りましたし。」

 

烈「それは楽しみだね。」

 

――――――――――――――――

 

幹比古「ねぇ、達也。これ本当に着るの?」

 

幹比古が達也の渡したマントに愚痴を溢す。

 

達也「使い方は教えたはずだが?」

 

リーナ「達也だけずるいわ!」

 

もちろん、リーナも着ている。

 

達也「前衛の俺がそんな動きづらい物を身に付けるとでも?」

 

幹比古「達也め…。(魔法がかかりやすいな。)」

 

達也「さて、始めようか。(母上から全力でやれと許可は得てるからな。悪いがこの試合勝たせてもらうぞ。)」

 

一方で将輝の方も達也の用意したマントに疑問を抱いていた。

 

将輝「はったりか?」

 

真紅郎「達也に限ってそれはないだろうけど…。もしかしたら『不可視の弾丸(インビジブル・ブリット)』の対策か?」

 

将輝「確かに、達也はジョージの事をよく知っている。ただ…よくわからないな。」

 

真紅郎「そうだね。それに、布切れ一枚に防がれるような柔な魔法じゃないからね。新人戦優勝は取られたけど、モノリスの優勝くらいは持って帰ろうか。」

 

将輝「そうだな。」

 

試合が始まると、将輝が紅い特化型CADを取り出して『偏倚解放』を放つ。

 

達也はそれを、白銀の特化型CADを取り出して『術式解体』を放って、それを無効化する。

 

達也はもう1つのCADを取り出して、将輝に向けて『雷光』を放つ。

 

しかし、それは将輝の『干渉装甲』に防がれる。

 

会場が観客の声援で包まれる。

 

今、達也と将輝の第二ラウンドが始まった。




何で、達也の事を七宝家が知っているのかはいずれ出します。

新魔法『雷光』は放出系魔法『スパーク』のダウングレード版の、少し単純な魔法です。

詳細は雷を光の速さで相手に撃ち込むだけの魔法です。

この魔法には同じような魔法である『流星群(ミーティア・ライン)』の用に障壁を貫通する…何て事はございません。

次回はモノリス決勝だけで終わると思います(たぶん)。

では、また次回。
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