達也はスターズに入隊し、USNAの生活になれると、学校に通い始めた。
「ここは、やっぱ加重系魔法が最適だと思うんだよね。」
達也「いや、ここは減速系魔法で動きを止めたほうが楽だろうな。」
現在達也との会話が成り立っているこの少年は、七賢人で、USNA科学局に所属するエドワード=クラークを父親に持つ、レイモンド=クラーク。
彼は達也の転入初日に仲良くなり、達也にフリズスキャルヴについて教えて、その情報の信憑性をあげるために達也の正体を調べらて直接伝えたことで達也が興味を持ち、なおかつ話の内容がよく合うため仲良くなった。
達也の数少ない友人である。
達也はレイモンドのことをレイと呼び、レイモンドは達也のことを普通にタツヤと呼んでいる。
達也「そういえば、明日はレイ自身が七賢人になるんだっけ?」
レイモンド「ああ。父さんが言うには七賢人の一人であるジード=ヘイグが、ブランシュに情報を密告して国に混乱を導こうとしたから捕縛して今日処刑するんだって。」
達也「なるほど。確か、その件でスターズに新しい協力者が出来たらしい。」
レイモンド「たぶん、その人はそのジード=ヘイグって人の部下だよ。ちなみに何の仕事だって言ってた?」
達也「確か、表向きには日本の横浜にある中華街で中華料理の店のオーナーをしてて、裏では大陸から来る亡命者ブローカーだってさ。活動をあえて続けさせて、随時誰が来たとかを報告させるみたいだよ。」
レイモンド「へぇー。危ない人物だったら殺すためかな?」
達也「そうだろうな。」
レイモンド「タツヤは日本に帰りたいとは思わないのかい?」
達也「そうだな、帰りたいと言えば帰りたいが、俺の日本での立場は話しただろう?だから行きづらいんだよな。一度でいいから日本の学校にも行ってみたかったよ。」
レイモンド「行けるといいね。」
達也「そうだな。日本に行く任務とか、交換留学とかの予定ないかな~。」
後に、日本に任務で行かなきゃいけなくなってしまうことはこの時は誰も知るよしもなかった。
―ちなみにこの会話は『遮音障壁』を張っているため音漏れの心配はありません。―
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達也の家
バランス「学校はどうだった?」
達也「レイとまた話してたよ。」
バランス「レイモンド君とは本当に仲がいいのね。」
達也「まぁ、会話が合ってるからね。」
バランス「明日は、本部に出頭だったかしら?」
達也「ああ。俺とリーナの模擬戦をして欲しいらしい。」
バランス「シールズ少尉と達也が模擬戦ね~。頑張りなさいよ。それと、CADの方はどうなってるの?」
達也「ソフトの面なら得意なんだけどね…。ハードが苦手で…。」
バランス「早く、貴方に合うCADのハードが見つかると良いわね。」
達也「そうだね。」
バランス「それよりもあの魔法はどうだい?」
達也「あの魔法が完璧に出来るようになってから、なんか普通の魔法も出来るようになったんだけど、なんか知らない?」
バランス「そうね、真夜さん曰く「あの魔法はあの子の全てを解き放つための鍵」だそうよ。」
達也「鍵…ね。まぁ、これで俺は普通に魔法が使えるようになったと…。だが、まだ足りない。あと一つだ。」
バランス「そうね。あと一つ、CADが完成すれば…。そういえば、達也、槍使ってみない?」
達也「槍?」
バランス「そう。この設計図を元に作るのよ。使ってみない?」
達也「なるほど。……《ゲイボルグ》…か。性能は…すごいね、これ。今まで見たもので一番いいやつだよ。」
バランス「そう?なら、達也にこれはあげるわ。大切に使いなさいよ。交渉は私がするから。」
達也「ありがとう、義母さん。」
次回は少し時間が進みます。