星々の王と妃   作:旭姫

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四章 第四話 模擬戦、達也&鋼&幹比古VS十文字克人

翌日、放課後

 

達也達は論文コンペのリハーサルをしていた。

 

レオ「お疲れ、達也。」

 

達也「まぁ、サポートだけだけどな。」

 

エリカ「にしても、すごい実験器具よね~。なんの実験してるの?」

 

達也「簡単に言えばプラズマボールを精製する実験だ。」

 

エリカ「へぇ~、そう言えば、十文字先輩が呼んでたよ。」

 

達也「十文字先輩が?」

 

エリカ「なんでも、会場警護の為のグループの合同訓練に参加して欲しいんだって。」

 

達也「何時なんだ?」

 

エリカ「明日。」

 

達也「分かった、伺おう。」

 

エリカ「分かった。」

 

そのままエリカ達と少し話していると、とある1人の男が達也達に(特にエリカ達に)怒鳴った。

 

「おい、邪魔だ、お前達!!」

 

達也「何ですか?関本先輩」

 

その男、関本勲は教職員推薦で加入し、三年風紀委員の中で唯一引退していない人だ。

 

そして、その声に風紀委員長で啓の護衛でもある花音が反応した。

 

花音「後学の為に実験を見学するのは問題は無い筈ですよ。」

 

「千代田、護衛は足りているのか?」

 

花音「問題ありませんよ。」

 

「平河の護衛に()()がいるようだが?」

 

花音「それは平川先輩が頼んだからですし、風間君の実力は九校戦で分かっている筈ですよ?」

 

「それでも、風間は風紀委員ではないじゃないか!!」

 

花音「では、関本先輩は()()()()()()()()()()()に勝てるんですか?もちろん、風間君は実戦形式の試合であるモノリス・コードで一条君に勝っています。」

 

「だが、少しでも上級生を使うべきだと思う、一年では、荷が重い。」

 

達也「そんなこと護衛になろうと言う人がよく言えますよね。」

 

「なんだと!!」

 

達也「第一貴方なんか誰も護衛につけようとも思いませんよ。…貴方には護衛になることも別の目的のため…と言っているようにしか聞こえませんからね。」

 

花音「もういいですか?」

 

花音と達也がその言葉を合図に離れていく。

 

そして、関本は近くの閉じ忘れていたパソコンを覗こうとする。

 

すると、横から出てきた手がそのパソコンを閉じる。

 

「市原…」

 

鈴音「関本君はこう言うことには無関心だと思ってました。」

 

――――――――――――――

 

エリカはレオを連れて帰っていた。

 

エリカ「あんた、時間ある?」

 

レオ「あるぜ。」

 

エリカ「昨日達也君が非合法工作員とやりあったらしいのよ。…これで終わりとは思えない。…だから、あんたには家の秘術を教えてあげる。」

 

レオ「何でだ?」

 

エリカ「貴方は歩兵としての能力は素晴らしいけど()()()はない。」

 

レオ「なるほどな。…お前が決め手をくれると?」

 

エリカ「ええ。人を殺す覚悟はある?」

 

レオ「愚問だぜ。」

 

エリカ「なら、教えてあげる。秘剣『薄翅蜉蝣』をね。」

 

―――――――――――――――――

 

翌日

 

達也達がいつものメンバーを連れて食堂に向かうと、幹比古と美月がいて、レオとエリカだけがいなかった。

 

達也「今日はレオとエリカは休みなのか?」

 

深雪「あの2人が休むなんて珍しいですね。」

 

リーナ「案外エリカがレオを扱いてたりして…」

 

リーナの言葉に皆があり得ると思ってしまった。

 

そして、リーナの言葉は合っていたことを後に知ることになる。

 

 

放課後

 

達也はエリカ経由で参加を命じられた訓練に参加していた。

 

内容は、達也達訓練参加者が十文字克人と一対多の模擬戦を行うというもの。

 

達也(なるほど、これなら俺達は集団で行動する術を身に付けられ、十文字先輩は急なことへの対処法を身に付けられる。…流石だな。)

 

暫くすると、残り人数が3人だけと言うアナウンスが聞こえた。

 

達也はすぐに『精霊の眼(エレメンタル・サイト)』を使って誰が残っているのかを確認する。

 

達也(残っているのは、俺と鋼…それに幹比古か。…丁度良い。)

 

達也はその後、鋼、幹比古と合流して、勝ちに行った。

 

3人のうち、前に出るのは達也と鋼、後方支援に幹比古だ。

 

十文字克人が現れると、地面が崩れる。

 

これはリーナが使っていた『クラッシュ』ではなく、幹比古の『土遁陷穽(どとんかんせい)』である。

 

それを克人が『ファランクス』で防ぐ。

 

それを確認して達也と鋼が動き出す。

 

達也は防がれるのを見越して『スパーク』を放つ

 

鋼はそれを確認して、あえて突っ込んで行く。

 

鋼が克人の『ファランクス』に触れると、『ファランクス』が揺らぐ

 

克人「…!?」

 

その隙をついて、達也が『雷光』を放つ。

 

達也の『雷光』が『ファランクス』を()()()()()

 

すり抜けた『雷光』が克人に降り注ぐ。

 

克人「見事だ。」

 

最後に、鋼の『爆風(ブラスト)』で克人に止めを指した。

 

 

模擬戦は達也達の勝利で終わった。

 

克人が起き上がると、ずっと試合を観戦していた真由美と摩利が走ってきた。

 

真由美「十文字君、大丈夫!?」

 

克人「七草か。…大丈夫だ、問題ない。」

 

摩利「にしても、あの十文字がね~。達也君もやるね」

 

達也「いえ、今回は鋼がいたから勝てました。」

 

真由美「何で十三束君が『ファランクス』に触れるとぶれたの?」

 

鋼「それは僕の体質が理由です。……僕は魔法師が常に放出しているはずの想子が体から離れないんです。…だから、僕の体は常に大量の想子の層で覆われているわけです。」

 

達也「つまり、俺がモノリスコードで見せた『接触型術式解体』を体質的に使えるというわけです。」

 

真由美「『術式解体』の鎧型ってことかしら?」

 

鋼「その通りです。」

 

克人「なるほどな。十三束、吉田、風間、いい戦いだった。…感謝する。」

 

そして、克人達は消えていった。

 

達也「お前達も助かったよ。俺一人だったら絶対に勝てなかっただろうから。」

 

鋼「僕だって、達也達がいなきゃこんな戦いはできなかったわけだし、感謝するのはこっちの方だよ。」

 

幹比古「そうだね。」

 

達也「じゃあ、祝勝会でもやってみるか?」

 

「「いいね!!」」

 

達也「じゃあ、早く着替えてアイネ・ブリーゼにでも向かうか。」




小早川の事故がないので千秋がいたずらする理由がないので、千秋のシーンはカット。

幹比古が参加した模擬戦に達也と鋼が参加。

達也の戦術と3人の力で十文字克人に勝ちます。

次回は、原作ではFLTに行くシーンのところからです。

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