将輝達と別れた達也は小春と紗耶香と合流して準備をしていたが、途中で響子から通信が入ったので、水波に護衛を変わってもらって、深雪とリーナを連れて3人で響子のもとに向かった(深雪は響子が連れてこいと言ったからである。)。
響子「やっほー、達也君。」
達也「こんにちは、響子さん。」
深雪「お久し振りですね、響子さん。」
リーナ「久し振りね。…というか、こんなところに来てもいいの?」
響子「その事なら心配ないわ。…私は確かに軍人だけど、元々は防衛省に所属する技術士官よ。優秀な技術者の卵を発見するという理由ならここには言っても問題ないのよ。…それに、ここは盗聴されてるわけじゃないから、「藤林少尉」でも「響子さん」でも「響子お姉さん」でもどんな呼び方でも構わないのよ?」
達也「最後のは呼んだことない気がするのですが…」
響子「さて、世間話はここまでにして……良いニュースと悪いニュースがあるんだけど、どっちが良い?」
達也「じゃあ、良いニュースで」
響子「先に良いニュースでいいの?」
達也「じゃあ、悪いニュースで。」
達也の手のひら返しに全員呆れ顔だった。
深雪「お兄様、ふざけているのですか?」
達也「いや、そんなことは…ない。」
響子「はぁ…。じゃあ、良い方からね。…真田大尉からの伝言。例のアレ…ムーバル・スーツが完成したそうよ。だから、今日の夜には持ってくるって。」
達也「もう完成したんですか?…にしても、今日の夜ですか?」
響子「明日、こっちでデモがあるのよ。もっとも、その予定をねじ込んだのは大尉だから一刻も早く貴方に自慢したかったでしょうけど。基幹部分はそっちに完全依存の形になっちゃったからせめて完成品は、って頑張っていたもの」
達也「こちらでは実戦に堪える物を作れなかったんですから、そこまで気にしなくても良いと思いますが」
響子「……良いニュースはここまでにして、悪いニュースは、この件どうもこのままじゃ終わらないみたいなのよ。」
達也「…なるほど。」
響子「詳しいことはこれをみて…それで、何かあったときには頼りにしていますよ、中佐殿。」
響子が机にデータチップを置くと、それを達也が取る。
達也「準備しときますね。」
響子「じゃあ、論文コンペ楽しみにしてるわね。」
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響子との話も終えて、小春の護衛に戻っていた達也も小春が控え室に入ったので、そのまま深雪達がいる観客席に向かった。
論文コンペは第二高校の〖収束系魔法を利用したダークマターの観測と利用〗という議題から始まった。
今回の論文コンペは【カーディナル・ジョージ】こと吉祥寺真紅郎が参加している三高の発表と、〖重力制御型熱核融合炉の技術的可能性〗という論題で発表する一高の二組が注目株だった。
午後に入って、先に発表するのは一高だった。
――――内容は省略――――
一高の発表は大きな声援を受けて終了した。
達也はそれを舞台袖から眺めていた。
すると、背後から声をかけられた
真紅郎「見事だったね、達也。」
達也「俺が発表したわけではないよ。」
真紅郎「重力制御術式は飛行魔法にも使われている一般的な術式の応用、クーロン力制御術式は先代シリウス、故ウィリアム=シリウスが開発した分子結合力中和術式のアレンジ版だね」
達也「流石は、【カーディナル・ジョージ】だな。まさか先代の開発したクーロン力制御についても知っていたとは。」
真紅郎「まぁ、今日こそは負けないけどね。」
そして、真紅郎が舞台に出ようとしたところで会場を大きな揺れが襲った。
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その男が日本についたのは論文コンペの前日だった。
彼はUSNAスターズの研修生として高校生になるまではUSNAに残っているつもりだったのだが、参謀本部より、研修期間の終了と、日本で活動中の中佐の補佐をせよとの指示で帰国した。
日本につくと、彼を出迎えたのは達也の協力者の周公謹と風間晴信少佐だった。
「お待ちしておりましたよ、少尉。いや、七宝琢磨くん。」
「貴方方は?」
「私は中佐の部下である周公瑾と申します。」
「私は中佐の日本での責任者である国防陸軍少佐の風間晴信だ。」
「USNA軍魔法師戦闘集団スターズ少尉…いや、ここでは師補十八家七宝家長男の七宝琢磨です。」
風間「さて、まずは達也も協力してくれている我々の基地…というか、これから我々は保土ヶ谷の方に向かう。…ついてくるか?」
琢磨「お願いします。」
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時間は戻って大きな揺れが襲った横浜国際会議場では、達也はすぐに深雪達と合流した。
達也「深雪、リーナ、水波!!」
深雪「お兄様!!」
リーナ「何が起きたの?」
達也「ちょっと待て……、なるほど、正面で入り口付近でグレネードが爆発したらしい。」
深雪「会場警護の先輩方は大丈夫でしょうか?」
水波「正面玄関は実戦経験済みの魔法師が警護しているので先輩方には影響はないと思われます。」
達也「その通りだ。(この銃弾の音は…フルオートじゃないハイパワーライフルか!)」
達也が持っていた情報と響子からの情報を合わせると、敵は国家機関そのものが関与しているかもしれないという結論になった。
そして、先程のハイパワーライフルの音でその予想が正しかったことを察した。
すると、6人程のテロリストがハイパワーライフル片手に部屋に入り込んできた。
「CADを床に捨てて手を上げろ!!」
舞台上で真紅郎がCADに触れるがそれを察知したテロリストが銃を発砲する。
その弾は壁にめり込んでいたことからその銃の威力が分かり、おとなしく床にCADを置いた。
ほとんどは
「おい、お前らもだ!!」
達也達は床に置いておらず、尚且つ達也はその声をかけた男の方をまるで、その人を観察するかのような目でみていた。
それに、恐怖したテロリストの1人が達也に発砲した。
が、血が出ることはなかった。
ただ、弾の軌道上に握ったままの手があるだけ。
その後も撃たれた弾は達也を貫くことは無かった。
「弾を…掴み取った…?」
「化け物め!!」
その男は銃が効かないとわかるとすぐにナイフを取り出した。
その点から、この男が高いレベルで訓練された兵士だということがわかる。
しかし、達也はそれを見切って交わすと、『分解』を宿した右手を手刀の形にして、ナイフを持つ右手を右肩から切り裂いた。
そのままその男に腹パンを喰らわせると、そのまま倒した。
深雪「お兄様、血糊を落としますね。」
深雪が魔法を放つと、達也の服についた血痕が全て消えた。
これには、入ってきたテロリストも、中にいた魔法科高校生も固まっていた。
達也が近くの警備の腕章をつけた男に目で合図する。
「取り押さえろ!!」
達也の目配せを受けた男が合図を出し、テロリストは押さえられた。
ここで切ろうと思います。
そして、今回七宝琢磨を出しました。
よって、七宝家が達也のことを知っている理由は、琢磨が達也のもと…というよりスターズに高校までの間研修として加入していたからです。
そして、琢磨は達也のことを尊敬しています。
次回はこれの続きです。
では、また次回。