星々の王と妃   作:旭姫

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四章 第十一話 敵の正体

会場を脱出した三高生は会場の近くに止めていたバスに乗り込んで戦線から脱出しようとしていた。

 

が、ゲリラの持つロケットランチャーが車体に命中し、タイヤが破損してしまった。

 

その為、真紅郎率いるタイヤを治すグループとその他の迎撃部隊に別れていた。

 

しかし、とある1人の男によって味方も敵も戦意を喪失していた。

 

その男がCADの引き金を引くと、人の体が()()()()()()()()

 

その男の名は一条将輝。

 

周りは【血濡れの王子(クリムゾン・プリンス)】の由来を理解した。

 

さらに、その攻撃をみても戦意を喪失しなかったものがいた。

 

彼女の持つその柄物がピンポイントに敵を切り裂いていく。

 

その姿はまさに()()

 

彼女の名は一色愛梨。

 

一の名を関する2人によって戦線は保たれていた。

 

真紅郎「お疲れ」

 

愛梨「予想以上に酷いわね。」

 

将輝「ああ。早く魔法協会に行きたいが、達也が来ないことにはなんにもできない。」

 

将輝達は気付かなかった。

 

隠れて此方を殺そうとしていた敵に

 

「死ね、化け物!!」

 

敵がハイパワーライフルを撃とうとすると周りが()に包まれる。

 

夜空に輝く星が流れ落ちて、夜が明けるとそこには何もなかった。

 

将輝「やっときたのか、達也。」

 

愛梨「随分と待たせてくれたわね。」

 

達也「悪かったな、お前達。」

 

真紅郎「達也、将輝達のこと頼んだよ。」

 

達也「任せろ。その代わり、そこの三高生達は任せた。」

 

真紅郎「もちろん。」

 

―――――――――――――――――

 

達也が将輝と愛梨を魔法協会に送って、軍に合流していた時、第一高校メンバー達は―

 

響子「ごめんなさいね。二台じゃあ皆さんを一気に乗せられなくてね。」

 

真由美「いえ、もともと歩いて避難する予定でしたし。」

 

克人「藤林少尉殿、誠に勝手ながら車を一台貸していただきたいのですが…。」

 

響子「何故でしょうか?」

 

克人「魔法協会関東支部へ…。代理とはいえ、師族会議の一員として義務を果たすために」

 

響子「そうですか…。楯岡軍曹、音羽伍長、十文字さんを魔法協会まで護衛なさい。」

 

「「はっ!」」

 

そして、徒歩で桜木町駅前シェルターに向かっていると、直立戦車が二台程襲ってきた。

 

しかし、それは深雪の『凍火(フリーズ・フレイム)』と真由美の『魔弾の射手』によってすぐに無力化された。

 

響子「流石ね。2人とも。」

 

深雪「いえ、このくらいできなくては、お兄様に申し訳がたちません。」

 

そんな話をしていると、シェルターが陥没しているのが見えた。

 

真由美「うそっ!?」

 

深雪「七草先輩、落ち着いてください。」

 

深雪はそのまま幹比古に目配せすると、幹比古は呪符を取り出して、様子を視た。

 

幹比古「シェルターに向かった人達は無事です。」

 

真由美「そう…ならよかった。」

 

響子「さて、この後はどうしますか?…シェルターには避難できなくなってしまったので、私としては野辺山に退避することを提案しますが?」

 

真由美「いえ、ここに残ります。…家のヘリを呼んで市民の避難を行います。」

 

雫「じゃあ、私も呼びます。」

 

響子「では、部下をおいていきますので…」

 

「その必要はありませんよ。」

 

響子「警部さん」

 

寿一「軍人は国防を、市民の避難誘導は警察の仕事です。藤林さ…藤林少尉殿は本隊へ合流してください。」

 

響子「了解しました。よろしく頼みますね、千葉警部。」

 

響子が部下をつれて去っていく。

 

寿一「いい女だね~。」

 

エリカ「寿兄貴じゃ無理よ」

 

寿一「エリカ…お前そんな態度でいいのか?せっかくいいものを持ってきてやったのに」

 

エリカ「何よ、勿体振らずに教えなさいよ」

 

寿一が持っていた剣をエリカに渡した

 

エリカ「これって…!?」

 

寿一「そうだ。お前の為の武器、大蛇丸だ。」

 

エリカ「…ありがとう。」

 

――――――――――――――――

 

一方その頃、達也は

 

達也専用の暗闇と同じ色のローブを来て飛行魔法で空を飛んでいた。

 

道中の無人偵察機は『流星群』や『雲散霧消』で無力化している。

 

達也は風間に教えられた場所に着くと、柳を筆頭に独立魔装大隊のメンバーが揃っていた。

 

達也「柳大尉」

 

柳「達也…いや、この場では中佐と呼ぶべきか…まぁ、いいや。」

 

柳が示したところには鉄屑と化した直立戦車がおかれていた。

 

達也「まさか、あれのなかに?」

 

その疑問に答えたのは柳ではなく、真田からの通信だった。

 

真田『その通り。入っていたのは〈ソーサリー・ブースター〉だったよ。』

 

達也「敵は大亜連合で決まりですね。」

 

真田『まぁ、それ以外にあり得なかったけどね。』

 

風間『すまない、中佐。今、桜木町駅前で民間人がヘリを要請したと連絡が来た。これの護衛を』

 

達也「了解。」

 

風間『ちなみに、要請者は七草真由美と北山雫だ。』

 

達也「……了解。」

 

達也達はここから桜木町駅前に向かって飛んだ。






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