星々の王と妃   作:旭姫

65 / 89
お久し振りです。

個人的に達也にそろそろ星の名前をつけてもいいかなぁと思い始めてきたので、現在星(主に一等星)を調べています。

達也にこれつけたらいいんじゃないかという星がありましたら、(出来れば意味もつけて)星の名前を感想欄なんかに送ってくれるとありがたいです。

皆様の案も含めて、検討したいと思いますので、皆様の意見、お待ちしています。




四章 第十二話 学生達の迎撃

ヘリを呼んだ真由美と雫を含めた一高メンバー達は、深雪率いる一年チームと花音率いる二年チームの迎撃部隊2チーム、ヘリの周辺警護をするグループに別れてそれぞれが活動していた。

 

―一年チーム―

 

幹比古「来るよ!!」

 

深雪が『凍火』で直立戦車の重火器を使えなくすると、エリカが自身の愛剣である〝大蛇丸〟で切り裂いた。

 

もう1台の方はレオが薄い刃のようなもので切り裂いた。

 

これが、レオがエリカと休んでまで手に入れようとした、戦闘用の刃、千刃流秘剣『薄羽蜉蝣』である。

 

こんな形で一年チームは何度も来る直立戦車の相手をしている。

 

―二年チーム―

 

啓「来るよ。」

 

五十里啓の円陣魔法により直立戦車を発見して、千代田花音がその直立戦車に液状化の魔法を放って動きを封じる。

 

そのまま桐原の『高周波ブレード』と千葉警部の『疾風迅雷』が銃火器を封じると共に機能を止めた。

 

二年チームはこのような形で相手をしている。

 

―桜木町駅前―

 

ほのか「防衛チーム達は問題ないみたいです。」

 

真由美「ありがとう、光井さん。にしても、遅いわね」

 

しばらくすると、北山家のヘリがやってきた。

 

遅れて七草家のヘリもやってきた。

 

ヘリが地上に降りようとすると、黒い影がヘリを襲った。

 

ほのか「蝗の群れ!?」

 

雫が持っていたポーチからCADを取り出した。

 

これはMSTが誇る天才魔工技師【トーラス・シルバー】が設計・作成したシルバーシリーズの第二世代、ループキャストが完全装備されており、最近発売されたものを雫が購入したのだ。

 

中には『フォノン・メーザー』が収録されている。

 

雫が蝗の群れに『フォノン・メーザー』を放つが、効率が悪く、邪魔なのには変わりがない

 

そんな時……夜と共に滅びの風が吹いた

 

蝗の群れは消え去り、それの術者も居なくなった。

 

上を見上げると、黒色の服を着た兵士達と1人だけ目立つ黒字に金の刺繍が施されたローブを着た兵士がいた。

 

「達也…さん…?」

 

疑惑の声を上げたのは雫だったかほのかだったか。

 

その声は虚空に消えていった。

 

達也『ヘリの降下を護衛せよ。』

 

『はっ!!』

 

そんな様子を見ていた真由美達の元へ七草家のヘリから通信が届いた。

 

『お嬢様、ご無事ですか?』

 

真由美「名倉さん?」

 

『旦那様より、真由美お嬢様は私のいるヘリにお願いします』

 

真由美「じゃあ、皆も私についてきて。」

 

雫「私は実家のヘリがあるのでそっちで戻ります。」

 

鈴音「では、市民の避難誘導は私がやりましょう。」

 

真由美「分かったわ。鈴音、あとは任せたわ。」

 

鈴音「はい。では、学校でまた」

 

そう言って鈴音と雫はそれぞれのところへ移動していった。

 

―――――――――――――――――

 

一年組が敵部隊を一通り蹴散らしたところで、深雪のもとに真由美から通信が入った。

 

真由美『皆、迎えに来たわよ。ロープを下ろすからそれに捕まって。』

 

真由美の通信と同時に()()()ロープが降りてきた。

 

深雪「光学迷彩…流石ね、ほのか。」

 

真由美達は一年組の回収に成功した。

 

そのまま二年生組の元に向かうと、まだ迎撃中でそこを上から真由美が『ドライ・ブリザード』で援護した。

 

真由美「摩利!!みんな!!」

 

ロープを下ろして地上にいるメンバーを回収しようとすると…

 

「死ね!!魔法師共!!」

 

摩利「危ない!!」

 

摩利が気付いて、咄嗟に桐原が紗耶香に、啓が花音に覆い被さった。

 

敵の持つハイパワーライフルはその弾丸の速度から魔法師の魔法発動速度より圧倒的に速く、対物ライフルよりも強い貫通力から、対魔法師用武器として知られている。

 

そんな武器からの攻撃を受ければ一溜りも無いことは目に見えている。

 

桐原も啓も覚悟を決めて目を閉じる。

 

…しかし、いつになっても痛みが来なかった。

 

目を開けると目の前には、障壁魔法を展開したローブを着た男――達也がいた。

 

達也「自分を犠牲にしてまで紗耶香さんを守ろうとした点は高評価します、桐原先輩。しかし、それで死んでしまっては紗耶香さんが悲しみます。」

 

桐原「風間…。感謝する。」

 

紗耶香「達也君…来てくれてありがとう。」

 

達也「いえ…大切な友人に死んでもらってはこちらも困るのでね。」

 

達也が手を上に上げると、周囲が()()()()()()

 

夜に瞬く星々が流星の如く落ちていき、夜が開けると、敵兵のいた所は何もなくなっていた。

 

達也「さて、俺は戦線に戻ります。」

 

――――――――――――――――――

 

一方その頃、魔法協会関東支部では、防戦一方だった。

 

〝禍斗〟と呼ばれる幻影生物には幾ら実戦経験豊富な魔法師だったとしても手も足もでなかった。

 

敵兵に襲われ、撤退しかけていた頃に、強力な援軍が到着した。

 

都市防衛の鑑、十文字家当主代理十文字克人

 

意外にも、これが初めての戦場だったが…

 

克人「狼狽えるな!!」

 

克人の放つ『ファランクス』が〝禍斗〟や直立戦車を押し潰していった。

 

克人「立て!!魔法を手にするもの達よ!!侵略者の魔の手から祖国を守り抜くのだ!!」

 

「「「「「「「おう!!」」」」」」」

 

完全武装した克人の参戦によって勢いを取り戻していた。

 

――――――――――――――――――

 

さらに一方、市街地で戦闘していた愛梨は、将輝と分かれ、1人敵兵と戦っていた。

 

しかし、状況は悪い。

 

これが初の戦場であることも含めて、殺しに躊躇い無くとまではいかず、〝禍斗〟と呼ばれる通常の魔法の通じない相手との戦いに疲労が溜まっていった。

 

こちらにも援軍が届いた。

 

スターズ総隊長アンジー・シリウス、否、工藤利奈

 

利奈「疲労してるわね。」

 

愛梨「リーナ、来てくれたのね。」

 

利奈「どっかの誰かさんが1人で戦ってるのを見るに耐えなくなってね。ここからは私も協力するわ。」

 

愛梨「そう。なら、ここを片付けて将輝と合流するわ。」

 

利奈「その意気よ。早めに終わらせるわ。」

 

愛梨はレイピアを、リーナは『ブリオネイク』を、それぞれ構えて迎撃に入った。

 

その後、敵兵が殲滅されるまで5分もかからなかったそうだ。

 

―――――――――――――――――――

 

愛梨と分かれた将輝は1人走っていた。

 

将輝はこの日本では唯一の実戦経験豊富な魔法師の1人。

 

既に、殺しに躊躇うことはない。

 

だが、愛梨は違った。

 

いつも遊んでるメンバーのなかで達也もリーナも実戦経験は豊富だし、もっと言えば彼らはもう軍人である。真紅郎は経験はあるにはあるが、それも避難民としてであり、戦ってはいない。愛梨はそもそも実戦とは程遠い、競技の人間。

 

だから、将輝は愛梨も避難してもらおうとした。

 

でも、愛梨はそれに否と答えた。

 

そんな愛梨から別行動を提案された時、断っておけばもう少し楽だったかもしれない。

 

だけど今はお互い1人で、それぞれで戦っている。

 

目の前には魔法の効かない〝禍斗〟や直立戦車、ハイパワーライフルを手にした兵士がたくさんいる。

 

まずは、『爆裂』を使って、近くの貯水槽の水を気化させ爆発させる。

 

その爆発で蒸発した水蒸気が大気の温度で水滴になり、直立戦車に付着する。そこを『爆裂』で爆破させる。

 

これで障害の1つをクリアした。

 

〝禍斗〟については術者が存在する。

 

魔法師を炙り出すために、『爆裂』の派生系である『叫喚地獄』を発動した。

 

この魔法は一対一の対人戦が専門である将輝が唯一得意としている領域干渉魔法。

 

『爆裂』は対象内部の水分を瞬時に気化させる発散系魔法であるが、この『叫喚地獄』はおよそ30~60秒かけて水分を気化させる振動系魔法。

 

そして、体に作用する魔法ならば魔法師が無意識的に発動している『情報強化』が防ぐので、実質魔法師相手には不利な魔法だ。

 

しかし、逆を返せば、効かない兵士は魔法師だということ。

 

将輝は咄嗟に『叫喚地獄』を発動する。

 

兵士がどんどん倒れていき、1人だけ生き残った。

 

将輝(見つけた)

 

将輝は逃げ出した兵士を追い、照準を合わしたところで『爆裂』を使い、敵魔法師兵を撃破した。

 

 




次回はこれの続き、

達也が1人で敵部隊を壊滅させるシーンからスタートです。

では、また次回。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。