星々の王と妃   作:旭姫

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本日二作品目の投稿になります。

星についての意見お待ちしております。




四章 第十三話 【星王】

上陸した別働隊は街中を進行していた。

 

その時、1つの影が上を通り過ぎた。

 

兵の1人が確認すると、そこには自分の身長より少し大きな銀色の槍を持ったローブを着た男―達也が宙に浮かんでいた。

 

達也が槍の先端を兵達に向けると、先端が光輝き、次の瞬間には光線によって部隊の先頭が壊滅していた。

 

『上だ!!狙え!!』

 

戦車が達也に照準を合わせようとするが、突如辺りが暗くなり、達也を見失ってしまった。

 

見失ってあたふたしていると、空から流星が物凄い数流れ落ちて来た。

 

『――【星王】!!』

 

――――――――――――――――――

 

偽装揚陸艦内の司令室では艦長と思わしき人物にその部下と思われる人物がある報告をしていた。

 

「別働隊が全滅!?」

 

「はっ!」

 

艦長は今すぐ怒鳴り散らそうとしたが職務を全うすべく話の続きを聞いた。

 

「報告によりますと、1人の兵士が上空に出現。その兵士によって壊滅させられた模様です。」

 

「たった1人にどうして別働隊が全滅するんだ!!別働隊は何をしてたんだ!!」

 

「実は…未確認の情報なのですが…通信に【星王】という言葉が」

 

「【星王】だと!?なぜ別国のトップが出てくるんだ!!」

 

「わかりません。しかし、その兵士が光を操り、さらに空が闇に包まれたことから、3年前のあの戦いの時の【星王】の特徴と一致しています。」

 

「ちっ、質の悪い戯言だ!!」

 

――――――――――――――――――

 

別働隊を壊滅させた達也は柳が率いる部隊と合流して、残りの部隊の壊滅に動いた。

 

黒色の兵士が銃や砲撃で撃たれてもその中心にいる達也が左手を向けると、その傷は跡形もなく消え去り、黒色の兵士は戦線に復帰する。

 

達也ありきの不死身の部隊であるが、敵にとっては脅威でしかない。

 

兵たちも達也に気付き、達也を狙うも、銃撃は効かないし、槍の先端からの光線で返り討ちに合う。

 

さらに、逃げ出そうとすれば、闇に捕らわれて跡形もなく消え去る。

 

3年前の沖縄での状況と全く同じであった。

 

その後も、各地の敵部隊を壊滅させて行った。

 

――――――――――――――――――――

 

その頃、将輝の姿は中華街の近くにあった。

 

敵兵が撤退していった先は横浜中華街

 

将輝は義勇兵を引き連れ、その閉められた門の前にたった。

 

将輝「開けろ!!さもなくば内通者と見なす!!」

 

将輝が勧告を出すと、扉が開き、中から代表と見られる男とそのボディーガードと思われる男達がゲリラ兵を縛り上げていた。

 

「我々は内通者ではなく被害者です。その事を知っていただきたく、こうして協力させていただきました。」

 

将輝「名前は?」

 

「周公瑾と申します。」

 

将輝「周…三國志の?」

 

「本名ですよ。…速くこの者達をお願い致します。」

 

将輝「そ、そうか。私は一条将輝だ。協力感謝する。」

 

将輝が後ろの義勇兵に目で合図をすると、彼等が捕虜を捕らえていく。

 

その間に周公瑾と名乗る男は将輝に近付いていく。

 

「中佐を…達也君を頼みましたよ…」

 

将輝「…!?お前は…。」

 

「では、今度は客として皆様には来てもらいたいものです。では失礼。」

 

男は将輝達に礼をして中華街の中に戻っていった。




今回は達也と将輝のシーンを出しました。

今回の周公瑾は敵ではなく味方なので、でもリーナも含めて他のメンバーは公瑾が達也の部下であることを知らないので将輝が疑うのもわからなくはないなと思ってこの描写をつけてみました。

次回は横浜騒乱編の見所の1つ、対呂剛虎戦です。

案の方も感想もお待ちしています。

ではまた次回。

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