星々の王と妃   作:旭姫

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一章 第六話 親子再会

2092年 8月

 

達也とリーナは日本にいた。

 

達也「久しぶりの日本だな。」

 

リーナ「私は一応、初めて来たんだけど…。」

 

達也「そうなのか?一回ぐらいは奈良の生駒にある九島家に行ったことがあると思ったんだが」

 

リーナ「私は無いわよ。」

 

達也「はいはい。とりあえず、迎えが来たから行くぞ。」

 

葉山「お久しぶりです、達也坊っちゃん」

 

達也「葉山さん、お久しぶりです。坊っちゃんはやめてくれませんか?」

 

葉山「達也坊っちゃんは私にとってはいつまでも坊っちゃんなんですよ。それよりも、奥様がお待ちです。行きましょう。」

 

達也とリーナを乗せた車は山道を通り、とある大きな武家屋敷のような建物についた。

 

達也「ここに来ることは二度と無いと思っていたんだがな…。」

 

真夜「久しぶりね、達也。」

 

達也「母上。」

 

真夜「お母さんって呼びなさい。」

 

達也「……母さん。」

 

真夜「いいわね、母さんって。で、そっちの子が家の子の婚約者かしら?」

 

リーナ「達也の婚約者のアンジェリーナ=クドウ=シールズです。」

 

真夜「可愛いわね。とりあえず中に入りなさい。」

 

―四葉家書斎―

 

ここには真夜の趣味なのか、和風な建物とはほど遠い、洋風の家具が揃っていた。

 

達也が真夜に付いて部屋に入ると2人の女性が部屋にいた。

 

深夜「遅いわよ、真夜。それと久しぶりね、達也。」

 

達也「お久しぶりです、深夜さん、穂波さんも。」

 

穂波「久しぶりですね、達也くん。色々大変でしたよ。私なんて、達也くんについていけと言われそうになりましたからね。まぁ、達也くんが無事でよかったです。」

 

深夜「うん、大きくなったわね。」

 

真夜「この子ったら、私のあげた『流星群(ミーティア・ライン)』を離れて一週間でものにしたそうよ。」

 

深夜「それはすごいわね。それで、普通の魔法が上手く使えるようになった感想は?」

 

達也「嬉しいですよ。なにせ、上手く魔法が使えなかったからこの家を出させられたんですから。それに、この家の場所は覚えているので、何時でも遊びに来ますよ。もちろん、他の使用人とか分家当主にばれないように。」

 

真夜「そうね。達也のことをあの人達は嫌っていたから…。」

 

深夜「にしても、可愛い子を恋人にしたのね。お姉さん嬉しいわ。」

 

真夜「子供を産んで育ててる大の大人がお姉さんって…。」

 

深夜「黙りなさい、真夜。」

 

 

しばらく会話を楽しんでいると、真夜の側付きであり四葉家筆頭執事である葉山が入ってきた。

 

葉山が真夜に耳打ちした後に部屋を出た。

 

真夜「達也、姉に会いたい?」

 

達也「姉?穂波さんならここに…。」

 

真夜「違うわよ。夕歌さんよ。貴方に味方してくれた津久葉家の」

 

達也「あー、なるほど。会いたくないって言ったら嘘になりますね。」

 

真夜「だそうよ。」

 

真夜が扉に向けて話すと、扉が開いて人が入ってきた。

 

「久しぶりね、達也くん。」

 

達也「夕歌…さん?本物ですか?」

 

夕歌「何言ってるの?」

 

達也「ごめんなさい、俺の『精霊の眼(エレメンタル・サイト)』でも上手く見えなかったもので。」

 

深夜「上手くいったわね。」

 

夕歌「そうですね。深夜様が、どうやっても感知できないように精神を誘導していてくれたお陰です。」

 

達也「とにかく、夕歌さん。お久しぶりです。」

 

夕歌「前みたいに夕歌お姉ちゃんとは呼んでくれないの?」

 

達也「お姉ちゃんとは言いませんが、姉さんとは呼びますよ。…夕歌姉さん」

 

夕歌「はぁ、最高。ねぇ達也、私の彼氏にならない?」

 

リーナ「ちょっと待ちなさい。タツヤは私のよ!!」

 

夕歌「へぇ~。そうなの?」

 

リーナ「そうよ。…って、タツヤ?何で固まってるの?」

 

達也「……え?」

 

リーナ「何で止まってるのか聞いたのよ。」

 

達也「ああ、ごめん。リーナがそんなことを言うから、今まで言われたことなかったし……。」///

 

リーナ「ちょっ、タツヤ。」///

 

2人はシャッターの音で目を醒ます。

 

真夜「ふふ。面白い画像ゲット!!」

 

達也「ちょっ、母さん!!」///

 

真夜「達也が珍しく顔を紅くしてるのよ。絶対に家宝にするわ。」

 

達也「それだけは絶対にやめてください!!」///

 

真夜「嫌よ。」

 

深夜「まぁまぁ。それよりも来週から沖縄で訓練よね。」

 

達也「ああ。リーナと俺は少佐としてやることがあるからな。義母さんには正体を教えてもいいって言われたから言うけど。ここにいるリーナが総隊長になっちゃったから仕事が増えちゃったんだよね。」

 

リーナ「ちょっとタツヤ?今、何て言った?」

 

達也「え?お前が総隊長になっちゃったから俺の仕事が増えたって言ったんだよ。」

 

リーナ「なっ!!訂正しなさい!!」

 

達也「唯でさえ、スターズの仕事以外に国際魔法協会の理事なんか押し付けられて、さらにCADの研究もやらなきゃいけないんだぞ。そこにリーナの仕事まで来たら寝る時間もないじゃないか。」

 

夕歌「達也君ってスターズに入ってたんだ。」

 

深夜「達也、国際魔法協会の理事なんて凄いじゃない!!」

 

穂波「さすが達也君ですね。」

 

真夜「何せ私の息子なのよ。」

 

深夜「…親バカめ。」

 

達也「……。そういえば俺のことって深雪は知っているんですか?」

 

深夜「あの子は達也のことは知らないはずよ。」

 

達也「そうですか。」

 

穂波「一週間後に沖縄に我々も行きますのでもしかしたらその時に会えると思いますよ。」

 

リーナ「タツヤ。その深雪って誰?」

 

穂波「達也君の従妹で深夜様の子供です。写真見ますか?」

 

リーナ「見ます!!」

 

リーナは穂波から写真を受け取った。

 

リーナ「まるで、人形ね。」

 

達也「母さん、本当に深雪は調整体じゃないんですよね。」

 

真夜「ええ。深雪さんは弄ってないはずよ。」

 

達也「天然でこれって凄いですね。」

 

深夜「私の娘だからね。当然よ。」

 

真夜「…姉さんも親バカじゃない。」

 

達也「……。そろそろ行くよ。俺達も早く沖縄に向かわなきゃ。」

 

リーナ「そ、そうね。」

 

真夜「もう行くのね。葉山さん、達也とリーナさんを送って差し上げなさい。」

 

葉山「かしこまりました。」

 

達也「とりあえず、空港までお願いします。」

 

真夜「また何時でも来ていいからね。まぁ、来るときは連絡をいれなさいよ。」

 

達也「もちろんですよ、母さん。また来ます。」

 

深夜「沖縄で会いましょう、達也。」

 

達也「わかりました。では、先に沖縄で待ってます。行こう、リーナ。」

 

リーナ「分かったわ。では、お邪魔しました。」

 

そして、達也は沖縄に向かった。




次回は一章ラストの沖縄防衛戦です。

その次は入学編に入ります。

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