達也の姿はベンのいるパール&ハーミーズ基地
―ではなく、国防軍の霞ヶ浦基地にあった。
パール&ハーミーズ基地についた達也はその日にベンとの秘密の会合を済ませて、しばらくの休息を向かえるはずだった
翌日、パール&ハーミーズ基地に国防軍の飛行機が飛んできた
そこで、達也は風間からの手紙を受け取った。
内容は、〝地球の危機〟という5文字のみ
これには達也もベンも驚き、これが例の魔法によるものであると結論付けた
よって、達也はその日のうちに手紙を届けてきた飛行機に乗って霞ヶ浦基地にたどり着いた
飛行機をおりると、真田繁留が出迎えに立っていて、達也はそれについて行く
真田「風間少佐、タツヤ=アルデバラン大佐が参られました」
風間「通してくれ」
達也が中にはいると、風間少佐と藤林少尉が立ち上がって達也を向かえた
達也「楽にしてください。風間少佐、緊急の呼び出しと、例の5文字。説明していただけますか?」
「はっ!藤林」
響子「はっ!先ほど、日本が持つ軍事衛星より火星公転軌道の1つの小惑星が不自然な公転を始め、地球に向かっているという情報が入りました。」
達也「なんだと!?」
真田「落ちてきたのは、火星公転軌道に属する小惑星2095GE9、通称ジーク。地球にぶつかる可能性は90%」
達也「魔法による影響が高いと?」
風間「その通りです。そして、このままでは国1つどころか世界そのものを破壊しかねない。ということで、大佐にはこれの破壊をお願いしたい」
達也「〈サード・アイ〉は?」
真田「もちろん、あります。」
達也「分かった。これは地球の危機だ。やらないわけがない」
風間「では、準備を」
達也は〈サード・アイ〉を構えて響子から預かったバイザーをかける
響子「大佐のバイザーに衛星映像を転送完了しました」
達也「了解、戦略級魔法『質量爆散』、発動!」
達也が引き金を引くと、小惑星ジークが粉々に砕け散った。
達也「任務完了」
真田「では、帰りも送りましょう。」
達也「お願いします」
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南盾島
「小惑星2095GE9の爆破を確認」
「あの大戦の時の戦略級魔法師。やはり介入してきたか。…一体何者だ。残念ながら検証データを充分に得ることは出来なかったが、こちらで処理する必要はなくなった」
この研究所の所長と思われる人物がタッチパネルを操作する
そうして画面に表れたのは人工衛星だった。
「次は軌道離脱実験だ。明後日、いやもう明日か。3/30に当該実験を実施する」
その言葉に研究員達が喜びの声をあげる
「いよいよですね」
「ああ。この実験が成功すれば海軍上層部も我々を認めざるを得なくなるはずだ」
「待ってください、所長!!この子達はまだ今回の実験で負ったダメージを回復しきれてません。これまで通り、最低1週間のインターバルを置くべきです」
「森永君。それらの魔法力の回復に1週間も要する根拠は何かね?そのようなデータは記憶にないが?」
森永と呼ばれた女性研究員はその言葉に固まってしまう
回りの森永と同じ立場の研究員は明確に反する理由がないのか黙り込んでしまった
「科学者は主観的印象ではなく、客観的なデータで物事を判断すべきだと思うが?」
森永に言い返す力が無いと見抜いた所長は改めて言った
「次回の実験日時に変更はない。云うまでもないく軽度の設定変更には万全を期すように」
場所は変わって実験用調整体魔法師〈わたつみシリーズ〉が収容された部屋が並ぶゾーンがある
そこには、森永がその担当の子供を慈しんでいた
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翌日、3/29 小笠原諸島 父島
真由美と摩利は現在、2人だけの卒業旅行という形で訪れた
朝早くに真由美はメールの音で目覚めた
内容は暗号メールだった。
すぐに目を醒ますと、内容を確認して、摩利を起こした
摩利「…早すぎないか?」
真由美「充分朝よ」
真由美は送られてきたメールを摩利に見せる
摩利「なんだこれは…」
今回はここで切ります。
前々回に実験されていた魔法の影響で達也が小惑星を破壊するシーン
そして、達也は国際魔法協会で『隕石落下』について大まかには知り、そして秘密作戦中にその魔法を見たベンは2人とも今回の件が『隕石落下』によるものだと見抜きました
そして、今回は真由美と摩利が森永からのメールを見るシーン
次回は南盾島に深雪達が観光に行くシーンからです
では、また次回