星々の王と妃   作:旭姫

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五章 第四話 不穏な南盾島

3/29 南盾島

 

深雪達は南盾島に観光に来ていた

 

コミューターを2台借りて、一台をエリカやレオ達E組チーム、もう一台を雫やほのか、それに深雪達と2つ分けた。

 

ここ、南盾島は海軍の基地があることで有名なのだが、日没までは、観光施設として観光客を招いている

 

たどり着いた一行は、スムージーを飲んだり、女性陣は帽子や服等のファッションを見たり、楽しんでいた

 

途中、深雪や美月が帽子を被って見せあっているところに客が見惚れて動けなくなるなどの、ハプニングはあったが、なんとか満喫して、お昼を食べるためにレストランに入った

 

ほのか「楽しかった~!!」

 

リーナ「ええ。東京では出来ない体験よね~。」

 

深雪「お兄様も来れれば良かったのですが…」

 

水波「後で連絡をいれてみましょう」

 

深雪「そうね。」

 

エリカ「ところでミキ。4月から一科生になる感想は?」

 

幹比古「僕の名前は幹比古だ!…でも、これは達也のお陰だからな。素直に喜んで良いのか…」

 

レオ「そういうのは素直に喜ばねぇと、達也に悪いぞ」

 

雫「確かに。それに、達也さんと美月は魔工科に進学するんでしょう?」

 

リーナ「まぁ、魔工科なんて達也の為のコースみたいなものよね~。鋼も行くって行ってたけど」

 

美月「来年は達也さんと同じクラスになれるんですね。なら、達也さんに教えて貰わないと…」

 

深雪「美月、気が早いわよ」

 

そんな感じで談笑していると、レオが違和感を口にした

 

レオ「それにしても、軍の基地が近くにあるとはいえ、なんか殺気だってないか?」

 

リーナ「レオ、気付いてたの?」

 

レオ「外があんなにひりついてるんだ。気付かないわけないだろ?」

 

エリカ「早めに戻った方がいいかもね。」

 

エリカの一言に、一行は席を立って(皆ご飯は食べ終わっている)、ここに来た時に使った自家用機へと急いで戻った。

 

―――――――――――――――――――

 

真由美「摩利!!いた?」

 

摩利「いや、こっちにはいなかった」

 

真由美と摩利は例の暗号メールに書かれていた事を実行するために動いていた

 

真由美「捕まっちゃったのかな?」

 

摩利「わからん。だが、警備の軍人達の量が減ってないということはまだ見付かってないはずだ。」

 

真由美「そうね。なら、私は向こうを探してみるわ」

 

摩利「じゃあ私はこっちだ。」

 

―――――――――――――――――――

 

自家用機の中に入ると、エリカが一瞬眉を潜めた。

 

最後に入ったレオがハッチを閉じると、一台の車が走ってきた

 

「そこの自家用機!タラップを開けろ!!」

 

エリカがその車に乗ってる海軍兵に見覚えを感じて、苛立ちながらもレオがいるであろうタラップのもとへと向かった。

 

エリカ「レオ、どいて」

 

レオ「お、おう。」

 

タラップが開かれ、エリカの顔が見えると、海兵達が目を見開く

 

エリカ「何かよう?」

 

「…エリカお嬢さん!?」

 

エリカ「これは私達のやつなんだけど?なんであんた達が来るわけ?」

 

「じ、実は、海軍が保護していた特別な症状を患う患者が脱走したそうで」

 

「それで、現在様々な自家用機の車内チェックを行っています」

 

エリカ「そう。…なら、うちにはいないわ」

 

「いえ…しかし、」

 

エリカ「いないったらいないわよ」

 

「で、ですが…」

 

エリカ「何?…私の言葉が信用できない?」

 

「りょ、了解しました!」

 

「ちょ、お前」

 

2人の海兵のうち1人がエリカに従って車に乗り込んだ

 

そのままもう1人も乗ると、車は自家用機からはなれた

 

レオはそれを確認してタラップを閉めた

 

深雪「さっきの軍人さん達は千葉道場のお弟子さん?」

 

エリカ「まぁね。私の顔忘れて無かったみたいね」

 

自家用機が飛び立つと、深雪がエリカに声を出した

 

深雪「ふふ…エリカ、()()()()()()()()()?」

 

エリカ「あれ?ばれちゃった?」

 

その2人の会話にほのかや美月は驚いていた

 

エリカ「…でてきて良いわよ」

 

エリカの言葉を皮切りに個室のお手洗いの鍵が開いて髪の長い小さな女の子が出てきた

 

――――――――――――――――――

 

真由美達は自家用機の方に来てるかもという期待を抱いて、雫達が飛び立った少し後に自家用機の所に戻っていた

 

「お帰りなさいませ、お嬢様」

 

真由美「ただいま、竹内さん。…お客様は、来なかった?」

 

「お嬢様のおっしゃられていたお客様はお見えになられませんでした」

 

真由美「そう…」

 

「その代わり、基地の海兵の方が2人、押し掛けてきました」

 

真由美達は自家用機の中に入って続きを聞いた

 

「基地内の病院から抜け出した患者を探している、という名目で、1通り機内を案内したところ、納得して去っていきました」

 

真由美「そう…」

 

摩利「しかし、その女の子は何処へ行ったんだ?合流地点にはいなかった…もう捕まってしまったのではないだろうか?」

 

真由美「今もまだターミナルビルの中を警備の人がうろうろしていたのを見るとまだ見付かっていないと思うけど…」

 

「お嬢様。それについて1つ心当たりがあります」

 

真由美「なに?」

 

「ついさきほどまで当機と同型の機体が駐機しておりました。乗り間違えた可能性が高いと思われます」

 

真由美「それ何処の機体?調べて頂戴!!出来るだけ早く!!」




今回はここで切ります

取り敢えず、次回はこの続きです。

真由美達と会うのはどの回になるのか…

というわけでまた次回

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