星々の王と妃   作:旭姫

8 / 89
一章 第七話 明かされるMr.シルバー

2092年 8月 沖縄

 

達也とリーナは沖縄にいた。

 

リーナ「タツヤ。みて、これほしいなー。」

 

達也「お前、今日は遊びじゃないんだぞ」

 

リーナ「少しくらいいいじゃないのよ。」

 

達也「お前は……。とにかく、行くぞ。」

 

 

沖縄県 恩納基地

 

ここは第二次世界大戦以降はアメリカ軍の基地だったが、第三次世界大戦にてアメリカ軍が一斉退去したためそのまま日本の国防陸軍が使い始めた。

 

恩納基地に付くと、国防陸軍独立魔装大隊の隊長に就任予定の風間晴信大尉と真田繁留中尉が待っていた。

 

風間「お待ちしておりました。私は国防陸軍大尉の風間晴信です。タツヤ=シールズ少佐殿とアンジェリーナ=シリウス少佐殿ですね。」

 

達也「確かに私がタツヤ=シールズです。」

 

真田「国防陸軍の中尉真田繁留であります。」

 

達也「恩納基地の教官殿自ら案内ですか…。ありがとうございます。」

 

風間「貴殿方は今回の主役ですからね。それと、タツヤ殿はバランスから聞いていたのでまずは技術部門へ向かいましょうか。真田、案内を頼む。私は先に待っている。」

 

真田「はっ、」

 

風間が去っていく。

 

達也(古流の動き。…忍術か。)

 

真田「では行きましょうか。」

 

真田に案内されたのは技術部門。

 

達也が気になっていたハードの製作部門だ。

 

真田「少佐殿は自分に合うCADが無いんでしたよね。」

 

達也「……大尉殿ですか?」

 

真田「はい。」

 

達也「確かに無いですね。」

 

真田「なら、これを使ってみませんか?」

 

真田がとあるケースを取り出した。

 

達也「これは…。」

 

真田「これは、私が一から組み上げた特化型のCADです。試してみませんか?」

 

達也「いいんですか?」

 

真田「ええ。実践データを取りたいところでしたので。」

 

達也「わかりました。後で自分で調整してみるので、データは明日取りましょう。」

 

真田「そうですね。それよりも、自分で調整できるんですか…。」

 

達也「ええ。唯一の趣味なんでしょうね。スターズでも《ループ・キャスト》システムを実現可能にしてしまうほどにはね。」

 

真田「では、貴方がMr.シルバーでしたか。」

 

―Mr.シルバー―

USNAにて《ループ・キャスト》システムを空想上の産物から理論上の産物に変えた天才CAD技師

 

―CADのソフトを二三世代飛躍させたといわれていたり、

 

―年齢や所属や出身などの個人情報は不明であり、わかっていることは性別だけといわれている。

 

達也「いかにもそうですが…。ハードがね。からっきしでして。」

 

真田「そうですか。先程渡したのが、貴方が公開したループキャストを入れてあります。」

 

達也「ループキャストに耐えられるCADが…。貴方は素晴らしい技術屋のようですね。私はUSNAに渡った日本人の間に生まれました。しかし、親に捨てられて孤児院に預けられていたところをバランス中佐、今の義母に保護されました。」

 

真田「なるほど…。そのペラペラな日本語と見た目はそういうことだったんですね。」

 

達也「孤児院ではやることが無くてね…。その時にCADに付いて勉強していたら、今みたいになりました。」

 

真田「なるほど。…では、連絡先を交換しませんか。私と貴方は話が合いそうですし。プライベートで使えるCADのハードに関しては私が作ってもいいですよ。」

 

達也「…データの為ですか?」

 

真田「半分そうですね。もう半分は私の話についていけたという興味でしょうね。……っと、ではそろそろ訓練の場所に向かいましょう。」

 

――――――――――――――――――

 

今日の訓練を終えてホテルに入った達也とリーナ。

 

達也はもらったCADの調整をして、リーナは寝っ転がりながら残りの時間を過ごしていた。

 

翌日、達也はホテルにリーナを置いて、1人でとある場所に来ていた。

 

四葉家別荘

 

今日は深雪が黒羽のパーティーに深夜の名代で行っていていないという連絡を受けたので達也は四葉が所有する別荘に向かっていた。

 

深夜「来たわね、達也。」

 

穂波「いらっしゃい、達也くん。」

 

達也「どうも。しばらく振りですね。」

 

深夜「それよりも深雪に会わなくて良かったの?」

 

達也「どうせ俺のことを知ってても四葉を出た裏切り者って認識だと思うのでいいです。」

 

深夜「そう……。」

 

達也「にしても家の一族は深雪に対する執着が凄いですね。」

 

穂波「伊達に、四葉家最高傑作なんて言われてないですよ。」

 

深夜「まぁ、今の達也には劣るけどね。」

 

達也「それ、俺に深雪の代わりに当主になってって言ってます?」

 

深夜「そんなことは言ってないわよ。」

 

達也「四葉もスターズも実力至上主義なのには代わりはないか。…それより、国際魔法協会で大亜連合が日本に侵攻しようとしてるという噂を聞きました。一応この地は国境付近で軍人も多い。ですが、危険なので早めに出ることをおすすめします。」

 

深夜「国際魔法協会で流れる噂は信憑性があるのよね。…わかったわ、注意を促しておく。」

 

達也「ありがとうございます。四葉は好きではありませんが、伯母上や穂波さん、母さんに夕歌姉さんは好きですよ。」

 

深夜「達也……ありがとう。それと、何も出来なくてごめんなさいね。」

 

達也は家族(伯母甥)の時間を楽しんだ。

 

 




次回で沖縄防衛戦を終わらせたい!!

そして、達也が真田に話した過去はもちろん即興で作った偽の過去です。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。