星々の王と妃   作:旭姫

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五章 第十三話 達也、宇宙へ

ニューメキシコの甲板に達也達は立っていた

 

達也「深雪、準備は出来たか?」

 

深雪「いつでもいけます」

 

達也「ベン、深雪が魔法を発動したらカウントを頼む」

 

「はっ!」

 

達也「深雪、お前のタイミングで始めろ」

 

深雪「……行きます!!」

 

深雪がCADを操作する

 

高度140万㎞までの慣性制御と負荷軽減が組み込まれた術式が構築されていく

 

「カウントします。発射まで30秒前―――20秒前」

 

達也がローブで完全に体を覆う

 

「10秒前―――5秒前―――3、2、1、0。」

 

術式が発動し、達也が高速で空へと飛ばされていく

 

大気圏、成層圏を経て、宇宙空間へと飛び立つこと10分

 

達也は宇宙空間へとたどり着いた

 

辺りを見渡すと、達也から数㎞離れた所に彗星が見えた

 

熱を伴った〈セブンス・プレイブ〉が地球に向けて進んでいる

 

達也(あれが軍事衛星〈セブンス・プレイブ〉)

 

達也はホルスターからCADを取り出し、〈ベータ〉のストレージを入れた

 

達也(あれを完全に破壊するには、『質量爆散』でも『雲散霧消』でも駄目…なら、未完成だが、これに賭けるしかない)

 

達也がバイザーで照準を合わせシルバー・ホーンを向ける

 

達也「『ベータ・トライデント』起動式―ロード

 

原子分解式、構築――完了

 

ハドロン分解式、構築――完了

 

データ崩壊式、構築――完了」

 

3つの工程を終え、其々の起動式が合わさっていく

 

それと同時に〈セブンス・プレイブ〉の崩壊が始まった

 

達也「『ベータ・トライデント』、発動!!!」

 

3つの工程を終えて構築された魔法式が〈セブンス・プレイブ〉に透過されていく

 

やがて透過が完了すると〈セブンス・プレイブ〉が光に包まれる

 

強い光を発すると、〈セブンス・プレイブ〉は完全に分解されて、消失した

 

その際に消失に使われたエネルギーの奔流が達也に襲い掛かる

 

やがて奔流が収まると、達也は宇宙空間に投げ出されていた

 

しばらく漂っていると、達也が想子に包まれた

 

そのまま達也は地上へと降りていく

 

―――――――――――――――――――

 

深雪は達也が強大な魔法を放っていたのを感じ取っていた

 

そして、〈セブンス・プレイブ〉を達也が消失したのは地上に不自然なオーロラが出来上がっていたことから知った

 

すぐに深雪は想子を活性化させ、達也を包み込んだ

 

しばらくすると、達也が地上に降りてきた

 

想子に包まれた達也が深雪の腕の中に入っていく

 

深雪「お疲れ様です、お兄様。」

 

達也「ありがとう…深雪」

 

達也は想子を使い果たしたのか、気絶するように眠りについた

 

「お疲れ様です、深雪嬢。大佐殿は私が運びましょう。」

 

深雪「ありがとうございます。」

 

「これより霞ケ浦基地へと向かいますので、それまでは深雪嬢もお休みになられると良いでしょう」

 

深雪「ありがとうございます、カノープス中佐」

 

――――――――――――――――――――――

 

南盾島で起こった海軍の秘密魔法実験からの軍事衝突など色々あってから2日後の4/1、達也はリムジンに乗っていた

 

向かう先は北山家、用事は〈わたつみシリーズ〉を保護先の四葉家へと移送するためである

 

達也の乗っているリムジンを運転しているのは、四葉家筆頭執事の葉山忠教。そして、達也も『仮装行列』を発動して中に乗っていた

 

「たどり着きました。達也様」

 

達也がリムジンから降りると、出迎えたのは北山潮とその娘で達也の友人である北山雫、さらに七草真由美の3人だった

 

「はじめまして、タツヤ=アルデバラン常任理事。北山潮でございます」

 

タツヤ「はじめまして、北方潮さん。いえ、ここでは北山潮さんと呼ぶべきですかね。改めまして国際魔法協会常任理事のタツヤ=アルデバランです。本日は御家で保護されております〈わたつみシリーズ〉の子供達を四葉家まで護衛する任を授かっております。」

 

真由美「閣下は四葉への移送に賛成なのですか?」

 

真由美のこの質問は四葉家が死の第四研と呼ばれていることを知っているから出たものである

 

タツヤ「ええ。四葉家はもともと調整体魔法師などに関する研究をしていますし、四葉家ならば私もたまに彼女達の様子を見に行くことが可能ですからね。」

 

真由美「家―七草家じゃ駄目なんですか?」

 

タツヤ「なんとなく七草弘一の元には置きたくないので、特に彼女達を()()()()()()()()()()()()()にされては困るのでね。」

 

真由美はなにかと四葉へと敵対心を持っている父を思い浮かべて、タツヤの言ったことが実現しそうで顔を背けた

 

雫「彼女達はどうなるんですか?」

 

タツヤ「貴女が心配しているようなことは起きません。というかさせません。そこはタツヤ=アルデバランの名に懸けて約束いたしましょう。」

 

「そこまで言われるのでしたら、もう言い残すことはありません。彼女達をよろしくお願いします」

 

タツヤ「ええ。お任せください」

 

運転手である葉山に連れられた〈わたつみシリーズ〉の子供達がリムジンに乗っていく

 

「タツヤ様。〈わたつみシリーズ〉全員の乗車を確認しました」

 

タツヤ「分かった。では、向かおう。では、私はこれで失礼します」

 

達也が車に乗ると、車が動き出した

 

動き出したことを確認した達也は『仮装行列』を解除した

 

解除した時、子供達が見覚えのある顔に驚いていた

 

「どうして…今日は来ないって…」

 

達也「()()()()()()()()来ないと言ったんだ。それに、これは仕事だからな。安心しろ、俺はたまには君たちの様子を見に行くから。」

 

それから、子供達と話すこと2時間

 

途中で七草の尾行を魔法で防いだりした

 

そんな妨害を防ぎながらも葉山が車をとめた

 

どうやら四葉家の結界の前にたどり着いたようだ

 

「達也様、代わりにお願いしても?」

 

達也は静かに頷くと『仮装行列』を発動して姿を変える

 

その後、鍵である無系統魔法を発動する

 

それを確認して葉山が車を進める

 

やがて、武家屋敷のような大きな家の前に止まると達也は車を降りた

 

達也は出迎えに来たメイド達に子供達を預けて、自身は葉山に連れられて真夜のもとへと会いに行き、少し話をしてから帰った。

 

 




取り敢えず、この章はこれでラストです。

次回は、エピローグとなります。

今までこの作品を読んでいた皆様、今までありがとうございました。

この作品のpixiv転載に関しては追って連絡いたします。

では、また次回
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